【ブログ】写真展『パレスチナの ちいさな いとなみ』

令和元年(2019)も二十四節気の処暑を迎える季節となりました。朝晩などめっきり涼しくなりましたが、まだまだ昼間は蒸し暑い日が続きます。

 ベランダのプランタに播いた藍の種は芽が出てきました。緑のカーテン代わりのゴーヤは、今年は何個か収穫できそうです。
 ここのところ雨の日が多く、時には雷雨も。朝のイチョウの葉には水滴。

8月24日(土)は曇り。
 16時過ぎに小平市小川西町にあるNMCギャラリー&スタジオへ。
 自宅から自転車で20分ほどでした(蒸し暑い!)。

 高橋美香さんの写真展&パレスチナ・オリーブ商品販売会が開催されていました。新著『パレスチナの ちいさな いとなみ』(かもがわ出版)の刊行記念です。

 高橋さんにお目に掛かるのは、昨年のGWに東京・十条のパレスチナ料理店で開催された「トーク&ランチ」イベント以来です。

ギャラリーは、多くの人で溢れていました。

 高橋さんは来場者の方と談笑されたり、サインをされたりとお忙しそうです。
 高橋さんは広島生まれ。大学在学中から世界の国々を歩き、その地に生きる人々の「いとなみ」をテーマにした写真を撮影し発表されている方。

 共著者の皆川万葉(まよ)さんの姿もありました。
 新潟市生まれで、(合)パレスチナ・オリーブ代表としてパレスチナ地域の商品をフェアトレードで輸入、販売されている方です。
 (後刻、オリーブオイル石けん等を求めさせて頂きました。)

会場の壁には、高橋さんが撮影された写真が掲示されています。パレスチナの女性、男性、子ども達の表情が印象的です。

 会場では、書籍やポストカード、写真プリントのほか、パレスチナのオリーブオイル・石鹸、ビリン村の刺繍クラフト、アフガニスタンの織り刺繍クラフト等が展示・販売されていました。

この日は16時半から、岩本薫美子さんによる二胡ライヴが開催されました。
 30人を超える参加者で会場は満席です(補助椅子が運び込まれていました)。

 二胡奏者・教師の岩本さんは、2018年に高橋さん達と一緒にパレスチナを訪問されたのをきっかけに、高橋さん達の活動を支援されている方。
 私に高橋さんのことを紹介して下さったのも岩本さんで、先日は埼玉・小川町での田植えでもお世話になりました。

高橋さんから、新著と、岩本さんとの関わり等について紹介された後、岩本さんから、
 「自分はパレスチナの専門家ではないが、高橋さん、皆川さん達と一緒に実際にパレスチナを訪問した時の気持ちを懸命にお伝えしたい。一緒に感じてほしい。
 パレスチナの人たちは、懸命に働き、暮らしている。その意味で私たちと変わることはないことを、知って頂きたい」等の説明がありました(文責・中田)。

正面の壁に、高橋さんが撮影された写真を映写しながらのライブです。お弟子さんも参加。

 テーマごとに編集されたスライドが次々と映写され、音楽が合わせられていきます。パレスチナの風景と、懐かしいような二胡の音色が、不思議と調和します。

音楽の合間に、岩本さんがテーマ等の趣旨を説明して下さいます。

 「パレスチナの方たちが厳しい現実の中にあることは隠せない。突然、退去させられ、町の中に分離壁が設けられてたら、どう思うだろうか。
 空爆された住宅、手向けられた花、デモの様子なども、今日は隠さずに映写する」

 「美香さんが懇意にされていた家族の中にも、亡くなられた方がいる。
 子どもを亡くされたお母さんは、一心に刺繍を作られていた。悲しみは、手を動かすことでしか紛らわせないと。
 どうして私達は武器を捨てることができないのかと思うと、胸が苦しく、切なくなる」

「一方で、パレスチナの人たちにはエネルギーを感じた。躍動感がある。紀元前から続く歴史も背景にあるのかも知れない。
 厳しい現実の中でも、前を向いて頑張って生きている姿には、逆に元気づけられた」

 「一家族に子どもが5~6人はいた。日本やイスラエルとは大違い。
 写真の中の子ども達の目はキラキラしている。はにかむような笑顔も。美香さんだからこそ撮れた写真」

最後に岩本さんは、
 「またパレスチナに行きたい。安全ですから一緒に行きましょう。と言っても、二の足を踏む人も多いと思う。パレスチナを支援するのも、どうすればいいか分からないという人も多いと思う。
 ぜひ日々の暮らしの中に、パレスチナの人たちが作ったオリーブオイルや石鹸、工芸品などを置いてほしい。そして、それらを使うたびにパレスチナのことを思い出してほしい」と訴えられました。

新著の「はじめに」の中で、高橋さんは次のように書かれています(一部略)。
 「自らの手や才覚で稼ぎ出すお金で生きがいを感じることこそが『仕事をする』『生きる』ということ。それは、どんなに困難な状況にある国や地域の人たちも同じなのではないか」

 なお、この写真集には、パレスチナの「仕事と背景(歴史など)」についてのQ@Aも収められているなど、パレスチナの分かりやすい入門書にもなっています。

 小平市での写真展は本日(25日(日))は18時まで、来週末30日(金)、31日(土)、9月1日(日)も開催されています(最終日は16時まで)。
 ギャラリートークやコンサートも予定されているとのこと。ぜひ、足をお運び下さい。