【オーシャン・カレント】榊田みどりさん

榊田みどりさんは秋田県のご出身。
 東京大学大学院(総合文化研究科修士課程)を修了後、生協勤務を経て、1990年からフリーの農業ジャーナリスト(「農政ジャーナリスト」ではありません)。
 明治大学客員教授、農政ジャーナリストの会副会長、NPO法人コミュニティスクールまちデザイン理事のほか、農水省の各種検討会の委員等を務められ、多くの著作もあります。

 農業県の秋田で生まれ育ったものの、農業との接点はほとんどなかったという榊田さん。大学進学のために上京した後、都市部の消費者と生産現場の遠さを実感するようになったことが、農業に関心を持つようになったきっかけだったそうです。
 何とかその距離を縮められないか、また、自分も食べているものの生産者や産地のことを知りたいと思い、生協に就職して産消提携に携わるようになりました。

 その後、フリーのジャーナリストに転身。  様々な地域に精力的に足を運び、各種メディアや講演等を通じて、まさに「地に足の着いた」現場からの発信を続けられています。
 例えば近著『農村女性と再生可能エネルギー』(2015.1)では、長野県と兵庫県の酪農家、山形県の農林家を訪ねて聴き取りを行い、「大規模投資で利益を生み出そうとするフロー経済の視点ではなく、身近な資源を見つめ直し、いざという時も暮らしを支えるストック経済の一環としての再生可能エネルギー」に取り組んでいる女性達の生の声をレポートされています。

 また、農業と食品流通の大規模化・グローバルが進行するなか、世界的に小規模家族農業の価値が再評価されるなど「ローカル化」の動きが広がりつつあることにも注目されています。

 「現場」に確固たる軸足を置く榊田さん。  粘り強さと誠実さ、旺盛な行動力で今日も一次産業の現場を歩き、消費者との間に架け橋を築かれています。

[参考]
 榊田みどり(著),和泉真理(著),岸康彦(監修)『農村女性と再生可能エネルギー』(2015.1、筑波書房(共著)
 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784811904580

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-No.181
 2019年11月27日(水)[和暦 霜月朔日] 
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
 (過去の記事はこちらに掲載)
  http://food-mileage.jp/category/pr/