【ブログ】「顔が見える」ということ

2020年1月19日(日)は好天。
 日差しも暖かく、東京・中野の公園では早くも紅梅が咲いています。

 15時からシェアスペース「古民家asagoro」で開催されたのは、「高田暮らしカフェトーキョー vol.4」という、岩手・陸前高田の日常の一部を東京で体験しようというイベントです。

つい前の週にお邪魔したばかりのNPO高田暮舎の皆さんと東京で再会。
 食材(牡蠣も!)や食器、ストーブなど備品も高田のものを運んで来て下さっています。
 途中、スカイプで現地の漁師さん達とも対話。盛り上がっている現地のオジサン達の食卓とも。

 何度も通うなど高田と繋がりのある若い人たちが、こんなに東京におられることに驚きました。大学卒業後の春には移住されるという方も。
 離れてはいても、しっかりと「顔見知り」のつながりができています。

1月24日(木)の終業後は、東京・池袋のBar Cuoreへ。
 夜景も美しい本格的なバーを会場に開催されたのは、農業情報研究所主催の「千葉の農家さん応援企画」イベント

 昨年の台風で被災した生産者の方をお招きして、被災と復旧の状況等を伺いました。

ゲストは熱田伸也さん(匝瑳市・熱田農園代表)と山木幸介さん(山武市・三つ豆ファーム代表)。
 軽妙なトークの中にも、今回の災害の深刻さだけではなく、野菜作りに対する熱い思い、地域の中で生きることの苦労と喜び等を伺うことができました。

 お2人が持って来て下さった野菜の料理などを頂きながら、様々な参加者同士でもつながった次第。
 この会は、行政書士、会社経営者、法律事務所の方など「異業種」の方が多いのが魅力です。

翌2020年1月25日(金)の終業後は、東京・新宿の全労災ホールで開催されていた福島まち物語展へ。

 震災と原発事故を描いた紙芝居の絵の展示と、紙芝居の上演を内容とするイベントが14日(火)から開催されていたのですが、最終日の前日にようやく伺えました。

この日は、福島・浪江町から「浪江まち物語つたえ隊」の方も見えられ、紙芝居作家・いくまさ鉄平氏も交えたトークと、紙芝居『なみえ母娘避難物語』の上演など。

 津波と原発事故に見舞われた浪江町で、母は長女が勤める病院の婦長に電話で告げます。
 「私の娘は患者を置いて避難はしません。私に代わって娘を抱き締めて下さい」。
 シンガーソングライターの佐藤雅人さんが、『おふくろ』と題する歌を歌い上げられました。

 実際に被災された方々が演じられる紙芝居と歌に、心が揺さぶられました。

翌25日(土)は曇り空。東京・祖師ヶ谷大蔵駅近くのゴホウビダイナーへ。
 オーナーの齊藤星児さんと知り合ったのは、昨年12月のポケマル車座座談会の際。

 ポケマルで知り合った生産者の方たちの食材を積極的に使っておられる(そのために価格も高くならざるを得ない)という話を伺い、一度、伺いたいと思っていたのです。

店頭も店内の壁もメニューも、齊藤さんの言う「クラフトマン(職人的生産者)」の情報で溢れています。
 クラフトビール(飲み比べセット)、デリ(前菜)のセット、福島・相馬の卵を使ったオムレツ、福岡の赤崎牛を使った祖師谷バーガー(2500円!)等を頂きました。ボリュームもあって美味です。

 それぞれの単価は高めながら、若いカップルや家族連れで賑わっていました。
 ご馳走様でした!

「顔が見える関係」といった言葉はよく聞きますが(私もよく使いますが)、その意味、内容は様々です。

 要は、仮に地理的・物理的に離れてはいても、相手のことを想像し、共感できるようになること。
 そこに、単なる「経済合理性」を超え、経済学と現代資本主義の限界を克服するヒントがあると思われます。