【オーシャン・カレント】葛力創造舎(福島・葛尾村)

阿武隈山地の山間部に位置する福島・双葉郡葛尾村(かつらおむら)は、東日本大震災前の時点で人口約1500人と、1950年代からすでに半減していました。

 そこに大震災と原発事故が発生。全村避難を強いられ、居住人口は一時ゼロとなりました。
 その後、2016年6月にはほとんどの区域で避難指示は解除されたものの、現在も居住人口は移住者を含めて400人程度にとどまっています。

 そのような過疎・高齢化が深刻化している葛尾村において、持続可能なコミュニティづくりのために取り組んでいるのが、一般社団法人 葛力創造舎(かつりょくそうぞうしゃ)です。
 地域にある資源を特定し、人材を発掘・育成しつつ、自社ブランド製品を開発して経済を循環させていくことを目指しています。

 大学生スタッフが中心となったコメ作り体験や、昔ながらの「祝言式」を復活させたイベントには、全国から多くの人が集まります。また、県内外から大学生のインターンや高校生の教育旅行を積極的に受け入れており、民泊交流施設の運営も始めました。
 人材育成のための葛力創造塾、地域に残る助け合いの文化・結(ゆい)の精神を学ぶ「SCHOOL OF YUI 2020」等も開催しています。

 これらの活動が評価され、本年1月には地方新聞46紙と共同通信社が主催する「地域再生大賞」の優秀賞を受賞しました。

 葛尾村で生まれ育ち、震災後にUターンした代表の下枝浩徳さん(34歳)は、
 「震災と原発被害に苦しむ葛尾村には、今も優しさや思いやりが色濃く残っている。私はこの村の方達に寄り添いながら『コミュニティとは何か』ということを日本、世界に発信していきたい」と話しておられます。

[参考]
(一社)葛力創造舎
 http://katsuryoku-s.com/
 https://ja-jp.facebook.com/katsuryoku.sozo.sha/

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
  No.187、2020年2月23日(月)[和暦 如月朔日]
 (過去の記事はこちらに掲載)
  http://food-mileage.jp/category/pr/