35℃を超えたと思うと突然、雷がとどろき、夕方には晴れて夕焼け。不安定な天気が続きます。
地球温暖化イコール猛暑という単純な話ではないのでしょうが、極端な気象現象(猛暑、豪雨、強い台風など)の背景には、地球的な気候変動があるとされいます。
そのような時、時宜を得たイベントが。
2020年8月18日(火)の朝7時から開催されたのは、高橋博之さん主催の車座座談会。
私は昨年12月(兼・忘年会、於 箕と環)以来、もっとも今回はオンラインです。
この座談会もコロナ禍により689回で中断していたそうてすが、先週、半年ぶりにオンライン(Zoom)で再開すると好評だったとのこと。
今週は「気候危機と私たち」とのテーマで、6日連続で開催されるそうです。
高橋さんは、食べ物付き情報誌「東北食べる通信」や、旬の食材を購入できるスマホアプリ「ポケットマルシェ」を立ち上げられたアツい方。
ご著書に『都市と地方をかきまぜる』、『共感資本社会を生きる』(新井和宏氏との共著)等があります。
この日朝の参加者は6名。
うち2名は九州からの参加で、離れた場所にいてもつながれるのは、オンラインならではです(「車座」にはなれませんが)。
自己紹介に続き、高橋さんの話が始まりました(文責・中田)。
「気候危機といっても大きすぎるテーマで、なかなか自分のこととして捉えられていない人が多いのではないか。
私は、29歳の頃から現在の46歳まで、消費者と生産者をつなげる活動をしてきたが、これが一つの解決のアプローチと考えている」
「農家や漁師など、生産してくれる人がいるから私たちは食べることができる。なぜ割の合わない一次産業に従事しているのかと聞くと、土を引き継いでいきたい、地域を守っていきたい等と、利己的なことを言う人はいない。そのような話を聞くたび、感謝の念が起こり、自分が恥ずかしくなることも。
また、農家や漁師は育ての親だが、食べ物の生みの親は自然。生産者と交流することで自然への畏敬の念も強くなる」
「石田徹也さん(故人)の絵に、燃料補給のような食事の様子を描いた作品がある。
食べ物はガソリンではないし、食事とは単なる栄養補給ではない。人は食事を仲立ちにコミュニケーションをしている。食は関係性を育むもの。
若い人を中心に、食に対する関心が薄れつつあるのではないかと懸念している」
「結局、人はどう生きるかということに行き着く。役に立つ、便利というだけでは、機械に置き換えられる」
「今回のコロナで、大切な人と会えなくなった。失ってみて、改めてその大切さを知った。
一方、外出自粛等で家庭で食事する時間が増えた。今まで時間に追われてポケマルに関心があっても利用できなかったが、ポケマルを始めて生産者を知ると、食べ物を捨てられなくなったという人も」
多くの人は、そのようなことを知る機会が今までなかっただけ。知るだけで人は変わる」
「コロナにより、CO2排出量が減少するなど環境が改善した。テレワーク等は、家族と過ごし人間らしく生きるきっかけにもなった。
ニューノーマルという言葉があるが、コロナ以前がアブノーマルだったのがノーマルになっただけ」
「消費者が行動を変えれば世の中は変わるということを、今回のコロナは証明したとも言える。消費者が変われば生産者も変わる。
消費者が今の行動を変えることで、未来を変えることができると信じている」
後半は、参加者の方との意見交換。
「ある農家の方が親戚になりましょうと言ってくれ、本当に嬉しかった。食べ物を作っている人は優しい」と話された福岡の女性。
「ずっと食べることに関心があった。土にも触りたい。ポケマルを通して生産者の方とつながっていきたい」と言う子育て中の女性。
大分の生産者の方(スナップエンドウ収穫作業の差配中だったようです。)は、もっと消費者とつながる活動をしていきたいが、父親(経営主)とは考えに違いがあると話されました。
高橋さんからは、これからは農業のスタイルも変わっていくと思うがバランスも大切、とのアドバイス。
私からは、苦境にある外食について質問。
高橋さんからは「これまで主流だったコスト・価格重視の飲食店は減っていくのでは。消費者としては、外食の機会が減ったぶん1回の外食に使える金額は増えている」等のコメント。
心ある経営者の方がおられる飲食店を選んで行くように、というアドバイスと受け取りました。
久しぶりの車座座談会は9時過ぎに終了。
直接、高橋さんや参加者の皆さんとお会いできなかったのは残念ですが、モニターを通して高橋さんの熱い思いは十分に伝わってきました。
今日はいっそう暑くなるかも。
ちなみにこの日の新聞の一面トップは、主要国経済(GDP)縮小の大見出し。