【ブログ】市民研。そして奥武蔵へ(1)

市民科学研究室は「生活者にとってよりよい科学技術とは」を考え、そのアイデアの実現を目指すNPO法人。
 調査研究や政策提言を行うとともに、興味深い様々なセミナーや勉強会、上映イベント等を運営しています。私も10年ほど前から会員となっています。

 2020年10月9日(金)からは、連続講座「日本の市民科学者-その系譜を描く」がスタート(会場及びオンライン)。
 高木仁三郎、宇井純、原田正純、安藤昌益など、そうそうたる先人たちの業績や人となりを代表の上田昌文さんが解説して下さるという内容のようです。私も何回か参加させて頂こうと思っています。
 なお、近く出版される上田代表のご新著『実践 自分で調べる技術』(岩波新書)も楽しみです。

10月4日(日)の午後は、その市民研主催の地産地消市民会議に参加(オンライン)。
 食べものだけではなくエネルギーや水の地産地消に取り組んでおられる方が参加。この日は東京・江東五区の防災の話題提供に続き、一極集中の是正や地方移住について話し合われました。
 現在は非公開のイベントですが、参加者やゲストの取組み内容をまとめて公開するだけでも有意義な内容になりそうです。 

さて、10月6日(火)は、先日の八国山歩きの気持ちよさに味を占めて、思い切って奥武蔵へ。
 実は30年ほど前(大昔!)には割と頻繁に通った時期もあるのですが、本当に久しぶりの山歩きです(もっともハイキング程度ですが)。

曇りで少し風があるなか、西武秩父線・西吾野駅に着いたのは11時13分。
 しばらく国道299号を歩きます。交通量は少ないのですが、歩道はなく、車はスピードを出して通り過ぎます。

 道路脇には苔むした昭和30年代の道路改良記念碑。ともすれば現在は批判されることも多い土木事業ですが、道路改良が地域住民の悲願であったことが偲ばれます。 

10時33分頃に登山道の入り口に到着。
 高麗川の支流に架かった橋を渡り、数軒の住宅地の間を抜けて山道へ。さっそくの急坂。針葉樹林帯で道は明るくはありません(スマホのカメラは優秀です)。

何度か来た山道ですが、なかなかキツい。体力の衰えを痛感します。
 ようやく尾根道に出たのは12時17分頃。ここから道は、緩やかなアップダウンはあるものの比較的平たんになり、ほっとします。
 道も明るくなり両側から風も通り、快適です。

 この辺りに滝が3つほどあるのですが、標識が分からず、今回はパスして先に進むことに。

関八州見晴台に向かう途中、突然、平坦な墓地が現れました。かなり古い墓石もあります。

 見晴台入り口に到着したのは13時2分。ちなみにここまでは、奥武蔵グリーンラインで車やバイクでも来られます。

急坂を10分ほど(感覚的には30分?)登って見晴台に到着。
 樹が茂っていて360度の絶景とはいきませんが、それでもなかなかの眺望です。
 東南方向には飯能、所沢市街からはるか東京方面が望めます。西北には丹沢や大山、奥秩父の両神山などの姿も。

 晴れ渡っていれば、スカイツリーや富士山も望めるようです。

見晴台には小さな祠と休憩用の東屋も。
 もっとも東屋の方は、賑やかな女性4人組に占拠されていました。

ここからは山道を下る一方。
 ところどころ南西方向の眺望が広がり、目を楽しませてくれます。

高山不動尊(高貴山常楽院)に到着したのは13時40分。
 白雉5年(654年)の開山で、成田不動、高幡不動と並ぶ関東三大不動の一つという名刹です。

 空を覆うような壮大な不動堂にお参り。お御籤。

ここで持参した海苔おむすびの昼食。
 飲み物の自動販売機やトイレもあります。冷たい缶コーヒーが美味でした。

 長い急な石段を下りたところには、県天然記念物の大イチョウ(子育て銀杏)。

清冽な湧水が音を立てて流れています。真っ赤な彼岸花も。

 下りの道は簡易舗装されており(たまに車やバイクが通ります)、歩きやすいと言えば歩きやすい(ちょっと面白みには欠けますが)。

沢の流れも次第に大きくなります。沢沿いにはシュウカイドウ(秋海棠)の花。
 瀬尾集落まで降りてきたのは15時頃。人家や人の姿が急に多くなります。木材工場も。柿の実が色づいています。

小さな石地蔵の祠を過ぎると、もう吾野駅は近く。
 時刻表をみると次は1536発とあと20分ほど。1時間に2本しかなく、足を早めます。
 駅舎は新しくなっています。ぎりぎり間に合いました。

帰宅したのは17時頃。
 休憩を含めて4時間半ほどのささやかな山歩きでしたが、気持ちは大いにリフレッシュ。都会での便利な日常の中で忘れていた大事なことを、色々と思い出させてくれたようです。
 ちなみに足腰の痛みは数日続きました。