−岩下紘己『ひらけ!モトム』(出版舎ジグ、2020.9)−
https://jig-jig.com/published-book/jig-03/

岩下 紘己(ひろき)さんは1996年生まれで、今春、慶応大を卒業し、現在は立命館大大学院に在籍されている方。
学生時代、重度身体障がい者である上田 要(モトム)さんの週1回の泊まり介助を担当しつつ、ベッド脇でモトムさんのライフストーリーを聞き取られました。
その内容は卒業論文にまとめられ、さらに、それをベースに刊行されたのが本書です。
ケアを通じた。いわば「魂」の交流の様子がつづられています。さらには、単なるルポにとどまらず、障がい者やコミュニケーションをめぐる様々な社会学的な考察(既存学説の参照、引用等)もなされています。
一方、文章は読みやすく、モトムさんの年表や多数の写真も収録されています。
去る10月12日(月)にオンライン開催された第60回奥沢ブッククラブ(著者も草創メンバーの一人)では、本書について感想や意見の交換が行われました。
お互い顔見知りの参加者からは「著者の体験を追体験するような不思議な気持ちがした」「モトムさんの体温が自分にも伝わってくるように感じた」「私たちが住んでいる街の中で、若い人たちが助け合っている様子を知ることができて感動した」等の感想が述べられました。
若き著者の今後の研究と実践の発展に、期待したいと思います。
[参考]
第60回 奥沢ブッククラブ「ひらけ!モトム」(拙ブログより)
https://food-mileage.jp/2020/10/15/blog-284/
出所:
F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
No.203、2020年10月17日(土)[和暦 長月朔日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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