【ブログ】サステイナブルコーヒー~「今夜もご機嫌@銀座で農業」

先日の「朝のもちよりブックス#33」(胡桃堂喫茶店、東京・国分寺)のゲストは、保育士で漫画家のまつもともちこさん。代表作のアスパーガール(アスペルガー症候群(=特別な才能がある人))のお嬢さんとの、日々の奮闘記です。
 まつもとさんのウエブサイトで無料で読むことができます。

(左はまつもとさんのウェブサイト。右は「もちよりブックス」の際に求めさせて頂いた書籍です。)

そのまつもとさんが当日紹介されたJose川島良彰ほか『コーヒーで読み解くSDGs』を、少し遅くなりましたが読んでみました。
 コーヒー生産の世界の現状、生産者と先進国の消費者(私たち)とのパートナーシップの重要性等のほか、SDGsそのものの分かりやすい解説にもなっている好著です(植民地支配によるプランテーション形成等の歴史的事実に言及がないのは「?」ですが)。

2021年12月6日(月)は夕方から都心で所用があったので、神保町にある川島氏の店舗(ミカフェート・一ツ橋店)に立ち寄ってみました。

明るく広い店内。コーヒーも美味です。
 店内にはコーヒー産地であるコロンビアやエルサルバドルの書籍も展示され、自由に読む(スペイン語や英語だから「見る?」)ことができます。
 コーヒー豆などの物販も。

 ちなみにこの店のコーヒーは一杯510円。
 コンビニや一般的なチェーン店に比べれば割高ですが、「サステナブルであることの価値」であると思えば、私はこれからも利用したいと思いました(銀座の店舗はさらに割高のようですが)。

農文協・農業書センターに立ち寄ってから、半蔵門線・三越前駅から銀座線・日本橋駅に乗り換え。長い長い連絡通路には、常設の絵巻物『熈代勝覧(きだいしょうらん)』のほか、「日本百街道」の展示も。
 面白そうですが、この日は速足で通過。

京橋駅に直結する東京スクエアガーデンは、見事なイルミネーションで彩られていました。
 こういうところを少し節約すれば原発は要らなくなるかも、などと思ってしまうのは性格がひねくれている証拠でしょうか。

18時30分から、6回にある中央区立環境情報センターの会議室で開催されたのは「今夜もご機嫌@銀座で農業」と題する勉強会。
 蔦谷栄一先生(農的社会デザイン研究所)をメイン講師に、ほぼ月1回のペースでオンライン開催されてきましたが、本当に久しぶりに会場での(リアルの)イベントです。

今夜のテーマは、昨年12月に成立した労働者協同組合法について。
 現在、明年10月の施行に向けて関連する政省令や税制の検討が行われているそうです(以下、文責中田)。

「協同労働で働く人々は約10万人。40年以上の歴史があり、組織や形態も様々。沖縄では住民出資による『共同売店』の取組みも」

「持続可能で活力ある地域社会を実現することを目的に、全党・全会派が賛同して成立した法律は、協同組合の社会的認知を広げる等の面で期待が大きい。
 ワーカーズコープ・センター事業団には、これまでに100件ほどの具体的な相談が寄せられている。その内容は農福連携、里山再生、予防医療、フリースクール、劇団運営など多岐に渡っているとのこと」

「労働者協同組合は、本質的に株式会社と異なるだけではなく、既存の協同組合とも質的に異なる。小さな協同、地域と一体化した協同であるところが特徴」

 「既存の協同組合との連携のみならず、内部組織に本法を活用すること等により既存の協同組合の活性化(内発性や自立性、地域性等の確保)も期待できる。
 成長に依存しない経済の手たる担い手となることが期待される」

参加者との間での質疑応答・意見交換。この日は先生を含めて6名と少人数でしたが、活発な議論が行われました。
 税制の取扱い、議決権の考え方、NPOとの違い等について質問がありましたが、具体的な内容は来年10月の施行に向けて現在検討中ということのようです。
 また、JAの中にも事例調査なと研究会を立ち上げる動きもあることも紹介して下さいました。

続いて、この日の主催者である高安和夫さん(一社・トウヨウミツバチ協会)から、実施中のミツバチのGAP制定に関する研究事業の内容等について報告がありました。
 現在、畜産のGAPの対象となっているのは牛、豚、鶏だけだそうです。

 また、ハチミツは需要は増えているものの国内生産は横ばい(さらに二ホンミツバチは少数)で、自給率は6%程度に低下しており、蜜源となる花を増やすことが必要等の話もありました。

この日は『ミツバチストーリーズ2』と題する冊子も配って下さいました。
 各地の農福連携養蜂の事例、養蜂作業によるストレス緩和効果等の研究成果が満載されており、大いに参考になります。

地下の中華屋さんに会場を移して、意見交換を継続。人気のお店らしく、月曜の夜から満席です。
 コロナ前は毎回利用していたお店も久しぶり。夢にまで見た(?)羽根つき餃子も堪能できました。
 リアルに直接顔を合わせての交流は、何にも代えがたい楽しさと充実感があります。感染再拡大がないことを祈るばかりです。

なお、次回の「今夜もご機嫌@銀座で農業」は、明2022年1月6日(木)に開催予定です。