【ブログ】2021年最後のしごと塾さいはら(山梨・上野原市)

2021年12月12日(日)は、山梨・上野原市西原(さいはら)へ。
 地元の方たちの協力を得て、山里での農作業やものづくりを学ぶ「しごと塾さいはら」が、10年以上、月1回ほどのペースで続いています。ただし昨年と今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあってあまり活動できませんでした。
 私は今年4月以来の参加です。

好天もあって、JR上野原駅南口発の8時35分発の富士急バスは混んでいます。多くはハイキングに向かう方たちです。
 1時間ほどで、活動の拠点として利用させて頂いている交流施設(直売所、食堂、体験ルーム等)・羽置の里びりゅう館に到着。この日も水車が出迎えてくれました。

 自家用車で来られた方、地元の方、二地域居住の方など、この日の参加者は9名です。
 毎回、お世話になっている太郎さんから、この日のスケジュールなどの説明。
 太郎さんは横浜市出身、この地に移住されてやまはた農園を営んでおられます。

午前中のしごとは、蕎麦の脱穀と粉ひき。
 地元の方にお借りした石臼に、蕎麦の実を入れてひいていきます。蕎麦はしごと塾で栽培したもの。もっとも昨年と今年はコロナの影響で、作業の多くは地元在住の方にお願いしました。
 また、今年も蕎麦は不作で、昨年の蕎麦の実も混ぜてひくことに。

石臼は重く、回すのにもなかなか力が必要です。最初のうちはうまく皮がむけず、太郎さんが心棒が槌で叩いて調整。微妙な手作業(技)が必要です。

ひいた蕎麦粉は、三種類のふるいを使ってふるっていきます。最初のふるいの上に残ったものは皮がむけていないものも多く、再び石臼へ。
 次第に白く、なめらかになっていきます。蕎麦の香りが鼻を刺激します。

作業の合間には、びりゅう館の方による新製品・キヌア入りカステラの説明。
 キヌアとは南米原産の栄養価が高い雑穀で(「スーパーフード」とも呼ばれているとのこと)、上野原市周辺でも栽培されており、加工品の開発にも取り組んでおられるそうです。

 半数ずつ作業の手を止めて試食させて頂き、アンケートに記入。普通に美味ですが、キヌアの食感や香りは(あるとすれば)感じられませんでした。びりゅう館では販売もされています。

蕎麦の粉ひきの続き。
 一部、ひき切れなかったものは製粉機(「やまびこ号」!)の力も借りました。貴重なお蕎麦、できるだけ無駄にしたくはありません。
 やがて、白くて滑らかな蕎麦粉ができ上りました。残った外皮は、肥料や土壌改良剤として畑に戻すそうです。

粉ひきが終了したのは正午近く。
 NORA(ツブノラ)のなおみょんさんが、お願いしていたシュトーレンを持ってきてくださいました。なおみょんさんは愛媛・松山市のご出身で、現在は西原に移住され、地元の雑穀や果実を使った焼き菓子を作っておられます。

 懐かしい岡持の蓋を開けると、赤い実の小枝もあしらわれ、美しく包装されたシュトーレンが登場。その場で切って試食もさせて頂きました。
 プチプチ感も楽しいベジタリアン・シュトーレンです

昼食のために食堂に移動(カステラとシュトーレンの試食で全然お腹はすいていません)。
 アクリル板越しに、びりゅう館の方が先ほどの粉で蕎麦を打って下さっていました。ひきたての蕎麦粉は水分が多く、粘りも強いそうです。
 例年であればメンバーで蕎麦打ちするのですが、コロナの影響で(一般の方も含めて)蕎麦打ち体験は受け入れていません。

出来上がったのは、びりゅう館名物の「欲張りセット」。
 天ぷら、こんにゃく、野菜の煮物、ゆずシャーベットなど、旬の山里のご馳走をみんな(強欲!?)頂けます。しかも麺は大盛り。お腹いっぱいになりました。

重たくなったお腹を抱えて、いつも使わせて頂いている畑に移動したのは14時過ぎ。
 太陽は早くも山の端に隠れつつあります。空気が冷たくなってきました。

まずは麦踏み。
 霜柱で浮き上がった株周りの土を踏むことで、凍霜害を防ぐ効果があるそうです。青々とした葉先がかじり切られているのは、鹿の仕業とのこと。ここでも獣害は深刻のようです。

続く作業は、冬ぶせ(寒おこし)です。
 鍬を使って畑の天地返しを行い、草などは鋤き込んでおくことで、春の作業がやりやすくなるそうです。太郎さんのお手本をみて、各自、鍬を使って作業。
 狭い面積ながら、気が付くと汗ばんでいました。

作業後は暖かい焚火に当たりながら、サツマイモ、ジャガイモ(ネガタという在来種)を分けて下さいました。畑の脇にはフキノトウも。

びりゅう館に戻って着替えなど。雑穀なども展示されています。

びりゅう館の前に集合し、来年の予定などを相談してから解散。
 「良いお年を」という言葉が交わされます。太郎さん、今年もお世話になりました。

びりゅう館のスタッフの皆さんにも挨拶をしたのち、4名ほどでお世話になった地元の方(2軒)をお訪ねしてお礼の挨拶。
 体調を崩されたと伺っていた方もおられましたが、お元気そうで一安心。
 来年もまた、お世話になると思います。有難うございました。

そのまま4名で、八王子市めじろ台にある「あじなお」さんへ(運転して下さったみっきーさん、今回もお世話になりました)。少人数で忘年会です。
 産地や生産者にこだわった食材を、だしが効いた和食で頂くことができます。見た目も美しく、ほっこりとした優しい味でした。ご馳走様でした。

しごと塾さいはらは、来年も月1回のペースで開催することを計画しています。新型コロナウイルス感染が、落ち着いていることを祈るばかりです。