【メルマガ】F.M.Letter No.250

(ウェブ掲載にはタイムラグがありますので、よろしかったら以下から登録(無料)して頂ければ幸いです。)
 https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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◇フード・マイレージ資料室 通信 No.250◇
 2022年9月10日(土)[和暦 葉月十五日]
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◆ F.M.豆知識  ここ3ヶ月で節約した費目
◆ O.カレント  NPO エコラボ(石川・金沢市)
◆ ほんのさわり 山本謙治『エシカルフード』
◆ 情報ひろば  ブログ更新、イベント情報等
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 二十四節気は白露、長かった猛暑も収まり秋の気配。今夜は中秋の名月がみられるでしょうか。それにしても、ウクライナの原発の状況には不安が募ります。
 今号(250号記念!?)では、消費者(私も消費者の一人)の食の選択について考えてみました。
 本メルマガは、時の流れを体感するため、和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)に、登録して下さっている皆様に配信しています。

◆ F.M.豆知識
 食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータをコツコツと紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
 https://food-mileage.jp/category/mame/

−ここ3ヶ月で節約した費目−

日本生活協同組合連合会(生協連)は、本年8月、「節約・値上げについてのアンケート」調査結果を公表しました。
 長引く新型コロナウィルス流行や値上げが続くなか、「節約」の実態等について組合員を対象にWEBアンケートを行ったものです(有効回答数 4,689)。
 リンク先のグラフは、この調査結果から作成したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/09/250_setuyaku.pdf

これによると、ここ3か月で95%の者が何らかの節約をしており(「節約はしていない」者は5.2%)、節約した費目の第一位は「ふだんの食事」の56.5%となっています。これは前年と比べて34.5ポイントも増加しています。一方、同じ食費の関係でも外食を節約した者は、前年の64.2%から52.2%へと減少しています(行動制限の緩和が背景にあると思われます)。
 また、「衣類・靴等」は40.4%、「水道光熱」は34.9%と、それぞれ23.7ポイント、9.9ポイント増加している一方で、「娯楽」(テレビ、ゲーム等)を節約した者は24.4%と、逆に前年に比べ8.4ポイント減少しています。

これら節約行動については年齢による差も大きく、「ふだんの食事」を節約した者は若い層ほど多く、「衣類・靴等」については逆に高齢層ほど多くなっています。

また、本調査では「食品について多少高くても買う理由」についても聞いています。
 71.7%と最も多いのは「おいしい」で、次いで「国産品」(61.5%)、「無添加・添加物が少ない」(46.4%)となっており、特に30代では「時短できる」が50.8%と、簡便化志向も高くなっています。
 一方、いわゆるエシカル消費に関連する「環境に配慮している」「社会貢献できる」はそれぞれ15.0%、7.6%と低い水準に留まっています。

(データの出典)
 日本生活協同組合連合会「節約・値上げについてのアンケート」(2022.8)
 https://jccu.coop/info/newsrelease/2022/20220824_01.html

◆ オーシャン・カレント−潮目を変える−
 食や農の分野で先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
 https://food-mileage.jp/category/pr/

−NPO エコラボ(石川・金沢市)−

金沢市を拠点に、地域の関係者と連携しつつ、幅広い体験型の環境学習を実施している市民(実践者)の集まりです。
 地元農園との協働による「育てて食べる環境配慮型農業」の体験、再生可能エネルギー活用と被災時の備えのためのソーラークッキング、生産現場から買い物、調理までを視野に入れた食品ロス削減(ごみゼロアクション)など、幅広い活動を行っています。。
 いずれも、食の生産から流通、消費、廃棄に至るすべての過程において環境負荷を低減するという視点が重視されており、フード・マイレージの考え方も活用して下さっています。

2022年度(第6回)食育活動表彰事業(農林水産省主催)では、これらの活動が評価され、最高賞である農林水産大臣賞(教育等関係者の部)を受賞し、6月に愛知・常滑市で開催された食育推進全国大会で表彰式等が行われました。
 代表の中村早苗さんは「地域の食の恵みを活かし、多様な方々との連携をいただきながら、次世代の幸福につながる環境食育の活動を充実していきたい」と語っておられます。

(参考)NPO エコラボ
  https://npo-ecolabo.jimdosite.com/
  https://www.facebook.com/NPOecolabo
 農林水産省「第6回 食育活動表彰 結果」
  https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/hyousyo/6th/result.html#6jirei

◆ ほんのさわり
 食や農の分野を中心に、考えるヒントとなる本を紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
 https://food-mileage.jp/category/br/

−山本謙治『エシカルフード』(2022年3月、角川新書)−
 https://www.kadokawa.co.jp/product/321805000137/

著者は1971年愛媛県生まれ埼玉県育ち。「やまけん」さんの愛称で、全国の「おいしいもの」情報を広く発信されています(ブログは私も長年愛読しています)。

 著者は、日本では食の分野を含めてエシカル(倫理的)消費が拡がらないことを残念に思っています。
 例えばトレーサビリティや有機農業についても、日本では利己的な目的(個人の安全や健康)のためのものとして捉えられているのに対して、ヨーロッパでは利他的で普遍的な価値(環境や人権など)を守るために取り組まれているのです。
 そこで著者は、ヨーロッパで倫理的消費に対する意識が高い理由を探ろうと、先進地・イギリスを訪ねて関係者へのインタビューを重ねました。
 その結果は、著者にとって意外なものでした(私にも「目からウロコ」でした)。
 「イギリスにおいても常にエシカルなものしか買わないという人は全体の5〜10に過ぎず、逆に全く関心のない人が20〜30%いる。その中間の『ときどきエシカル』という人たちが60〜75%という大勢力。ときどきであっても、大きなバイイングパワーを持っている」というのです。

イギリスでもエシカル消費を支えているのは「普通の人」であることを知ったやまけんさんは、何かきっかけがあれば、日本でもエシカル消費が急速に広がっていく可能性を示唆しています。

(参考)著者ブログ「やまけんの出張食い倒れ日記」
 https://www.yamaken.org/

◆ 情報ひろば
 拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届します。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
 ○ 有機農業の多様性、身近な戦跡など[8/30]
  https://food-mileage.jp/2022/08/30/blog-391/

○ 2022年9月の「今夜はご機嫌@銀座で農業」など[9/10]
 https://food-mileage.jp/2022/09/10/blog-392/

▼ 筆者が登壇させて頂くイベント
 ○ 環境講演会/持続可能な食を考える
 日時: 9月11日(日) 13:30〜15:30【明日です】
 場所:金沢市泉野図書館(石川・金沢市泉野町4)
 参加費:無料
 主催:NPOエコラボ
 (詳細、問合せ等↓)
 https://ne-np.facebook.com/events/1289505664915558

▼ 筆者が関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
 既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には必ず事前に主催者等にお問い合せ下さい。

○ 奥沢ブッククラブ第82回 松本清張「点と線」
 日時:9月12日(月) 19:00〜21:00
 場所:オンライン
 主催:奥沢ブッククラブ
 (詳細、問合せ等↓)
 https://www.facebook.com/events/3319783885009130

○ CCNE連続オンライントーク「原発ゼロ社会への道」2022
  第2回 被害の記録と次世代への責任:
 日時:9月13日(火) 17:00〜18:00
 場所:オンライン
 主催:原子力市民委員会(CCNE)
 (詳細、問合せ等↓)
 http://www.ccnejapan.com/?p=13105

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*米令寺忽々のコツコツ小咄。
 ウクライナの戦火がやむまで、お休みが続いています。
 なお、過去のバックナンバーは拙ウェブサイトに写真入りで掲載しています。
 https://food-mileage.jp/category/iki/

* 次号No.251は9月26日(月)[和暦 長月朔日]に配信予定です。
 より役立つ情報発信等に努めていきますので、読者の皆さまのご意見、ご要望をお聞かせ頂ければ幸いです。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつもありがとうございます。
 https://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しており、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
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 ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」
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