【オーシャン・カレント】「プレミアム消費」は増加するか

(株)野村総合研究所「生活者1万人アンケート」(2021年8月)より。

(株)野村総合研究所(本社:東京・千代田区)は、2021年8月、生活価値観や消費実態についての「生活者1万人アンケート」を実施しました。なお、本アンケートは1997年以降3年毎に実施しており、今回が9回目となります。

その結果によると、日本人は景気先行きを悲観する一方でウィズコロナの新しい生活様式に一定の充実感を見出していること、ワークライフバランスへの意識の高まり、インターネットショッピングの利用者の増加等が明らかにされています。

また、本調査では、回答傾向から生活者の消費スタイルを「利便性消費」「安さ納得消費」「プレミアム消費」「徹底探索消費」の4つに分類しています(リンク先の図253-2参照)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/10/253_2_NRI.pdf

このなかで注目されるのは、「プレミアム消費」(自分が気に入った付加価値には対価を払う。高くてもよい)の割合が前回(2018年)の22%から24%に上昇しており、2000年の13%と比べると10ポイント以上と大きく上昇していることです。
 ちなみに「安さ納得消費」(製品にこだわりはなく、安ければいい)は、同期間に40%から24%へと低下しています。
 野村総研は「自粛生活やテレワークで時間的余裕が生まれ、制限ある生活のなかでも楽しみを生み出す『こだわり志向』になったことが伺える」と分析しています。

徳野貞夫先生(熊本大学名誉教授)の分析では、農の価値への理解が深くお金もかける「積極型」消費者の割合は全体の5.5%、山本謙治さんによるとイギリスても「いつもエシカル」な消費者は5〜10%程度(『エシカルフード』(2022.3))と、いずれも少数派にとどまっています。
 コロナ禍等によりライフスタイルが変化するなかで、例えば有機農法などこだわりの生産方式による生産された「プレミアム」な米や農産物についても、少々高くても買ってもいいと考える消費者が増えてくる可能性に、期待したいと思います。

(出典)
 野村総合研究所「生活者1万人アンケート(9回目)にみる日本人の価値観・消費行動の変化 −コロナ禍で、日本の生活者はどう変化したか−」(2022.1)
 https://www.nri.com/jp/journal/2022/0114

出典:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
  No.253 2022年10月25日(火)[和暦 神無月朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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