【ブログ】ヨコハマライブラリースクールと久里浜の美味

2023年3月4日(土)は、盛りだくさんの一日になりました。

午前10時にメトロ人形町駅に8名が集合し、人形町グルメツアーのスタート。地元にお住いのMさんのガイドによる街歩きイベントです。
 幹線道路沿いには全国チェーンのファストフードやドラッグストアも並んでいますが、老舗のお肉屋さん、お豆腐屋さん、人形焼きなどお菓子屋さんも営業を続けています。「甘酒横丁」など脇道に入ると、和食、洋食、立ち食い蕎麦のお店なども。
 参加者は思い思いに好みの食材を買い込み、時々食べ歩き。七福神めぐりも。

 この後、皆さんは「47都道府県 箕と環」に移り、人形町の味を堪能したそうです。

私は昼前に一行と別れて、横浜に向かいました。

 目的地の横浜市中央図書館の手前に、何ともレトロな雑貨屋さん兼喫茶店。
 入ってみると一面に並べられたおもちゃ、壁には映画のポスターやプロマイド、LPレコードの音楽が流されています。ご主人はサラリーマン時代から出張のたびに雑貨を探し、コレクションされていたそうです。
 アイスコーヒーを頼み、お昼抜きだったので何か食べものはないですかと伺ったところ、今日だけ特別だよと言って「鳩サブレ」をご馳走して下さいました。美味!

横浜市中央図書館は立派な建物。多くの人で賑わっています。
 5階に上がると、横浜ランドマークタワーの威容がすぐ近くに望めました。

この日、開催されたのはヨコハマライブラリースクール(令和4年度第7回)
 図書館を会場にした一般市民向けのセミナーで、お声がけいただき、フード・マイレージについてお話する機会を頂いたのです。

左はチラシ。右は当日の説明資料

会場の後方には、横浜市の農業(「横浜農場」)のパネルが展示されています。
 大都会である横浜市は、同時に野菜等の大産地でもあり、ブランド化や地産地消に力を入れておられます。

この日の講座に関係する図書も展示されています。私も何冊か推薦させて頂きました。 
 これらのブックリストは、「食と農について調べる~SDGsの視点から~」と題するリーフレットとともに、参加者の皆さんに配布されています。
 今回のために作成された充実した資料に、ライブラリースクールに対する関係者の皆さんの熱意が感じられました。

14時に開会。
 会場には30名ほどの方が参加、オンラインでも30名ほどの方が視聴して下さっているそうです。

「いま、フード・マイレージから考える私たちの食のこと」と題したスライドに沿って、話題提供させて頂きました(当日の説明資料はこちら)。

主催者と参加者の方々へのお礼、自己紹介。
 意見等は個人のものであると断りつつ、日本の輸入食料のフード・マイレージは主要先進国なかで突出しており地球環境に相当の負荷を与えていること、地産地消は輸送に伴う二酸化炭素排出量を削減する面でも有効であること等を説明し、キャベツを例にしたケーススタディを紹介。
 横浜市産のキャベツを選んだ場合は、輸入品(中国産)に比べて、輸入に伴う二酸化炭素排出量は約120分の1に削減できると試算されます。

気候変動、パンデミック、ロシアによるウクライナ武力侵攻等によって、世界の食料システムは危機に瀕していること。しかし日本の場合、実は最大のリスクは国内にあること(担い手の高齢化・減少、荒廃農地の増加等)。

そして、食料を安定的に確保していくためには、私たち消費者が「買い支え」ていくことが必要であること(「ときどきエシカル」)。
 さらに、フード・マイレージを考えることは、離れている産地や生産者のことを想像するよすがとなること。食と農との間の距離を縮小するために「顔の見える関係づくり」が大切であること等を説明させて頂きました。

質疑応答では、オンライン及び会場からいくつかのご質問。
 食料の生産を減らすために補助金を出している現状はおかしいのではないかといったご意見も頂きました。
 また、「充実していて分かりやすかった」「フードマイレージについては聞いたことがなかったので考える機会になった」等の感想も頂きました。

 主催者、参加者の皆さまの熱意が伝わってくる講座でした。関係者の皆様、お世話になり有難うございました。

16時過ぎに終了。
 ほっとして空腹を覚え、京急・日ノ出町駅前の「横浜家系ラーメン」へ。つい、餃子とビールまで。

最終目的地である久里浜に到着したのは17時30分過ぎ。
 駅前の商店街はシャッターが目立ちます。アーケードを抜けると大規模ショッピングモールがあり、車がひっきりなしに入っていきます。

 平作川のたもとには内川新田開発記念碑がありました。1660年代に行われた新田開発は、水不足の多摩とは異なり、排水が最大の課題だったそうです。

最終目的地は、駅にほど近い「酒肴工房 百年の杜」です。

店主の松尾康範さんとは、昨年12月の「山下惣一さんを偲ぶ会」で知り合いました。
 学生時代から(特非)日本国際ボランティアセンター(JVC)の活動に関わり、故・山下さんが共同代表をされていたアジア農民交流センター(AFEC)の事務局長も務められた方。
 『居酒屋おやじがタイで平和を考える』というご著書もあります。

 近いうちに伺いますという約束を、ようやく果たすことができました。

奥の座敷も含め、ほぼ満席で賑わっています。何とかカウンターに座ることができました。

 松尾さんは忙しく手を動かしながらも、色々と声を掛けてくださいます。
 頂いたのは、地魚のお刺身(アオアジ、カマス、イナダの昆布〆)やタイ風オムレツ。卵は山形・長井市産です。お酒も長井のものを頂きました。

 「海・山・里からのおすそわけ」がモットーのお店らしく、食材もお酒も松尾さんが厳選されたもので、本当に美味しく頂きました。ご馳走様でした。

帰途は、特急電車の快適な座席で居眠りしつつ(品川どまりで良かった)、何とかその日のうちに帰宅。充実した一日でした。