【ブログ】大人の学校「食と環境カレッジ2023」

2023年5月下旬。寒暖差も大きく不安定な天候が続きます。
 22日(月)は午後から雨の予報。
 自宅近くに一角を借りている市民農園に、スイカや落花生の苗を植付。スイカはいったんダメになったのでリベンジです。
 福島・いわきのバスツアーで頂いてきたコットンの芽も出ました。トマトは緑色の実を着け始めています。

翌23日(火)は朝からしっかりとした雨。
 普段は歩くところを早めに家を出てバスで駅に向かうことにしたのですが、これが大混雑。自宅近くには医療機関や福祉関係の施設が多く、そこに通勤される方たちの姿も。エッセンシャルワーカーという言葉がありますが、このような方たちが私たちの暮らしと社会を支えて下さっていると思うと、自然と頭が下がりました。通勤、お疲れ様です。

 道路も渋滞で歩く以上に時間がかかり、JR武蔵野線で南浦和駅に到着したのは9時過ぎ。雨は小降りになっていたので歩いて生活クラブ生協埼玉へ。
 到着したのは約束の9時30分ギリギリでした。

この日、10時から開催されたのは、NPO 大人の学校による市民講座。
 「食と環境カレッジ2023」シリーズの第1回として「あなたの食べ方が地球を変える〜フード・マイレージ 日本の現状と解決策は?」と題してお話をさせて頂きました。
 会場には10名弱ですが、オンラインを含めると50名以上の方が参加して下さっているようです。知り合いのお名前も。

石井理事長から、「フード・マイレージのことは何となく知っているが、なぜ地産地消、あるいは国産品を選ぶことが重要なのかを学びたい」との開会のご挨拶。
 続いて、パワーポイントの資料を共有して、概要、以下のように説明しました。(資料はこちら(前半後半))。ちなみに表紙には「大人の学校」のロゴを事前了承を頂かないまま流用させて頂きました。

自己紹介に続き、フード・マイレージの概要と、輸入食料のフード・マイレージの国際比較。

フード・マイレージ指標を用いると、地産地消が有するCO2削減効果を定量的に把握できるとして、県内(深谷市)産と輸入品(中国産)を比較したケーススタディを紹介。フード・マイレージは35分の1、輸送に伴うCO2排出量は12分の1に縮減されるとの内容です。
 また、フード・マイレージ指標の限界や問題点についても説明。

後半は最近のトピックスとして、気候危機に加え、パンデミックやロシアによるウクライナ武力侵攻による国際的な食料情勢が不安定となっていること等を説明。
 食料・農業・農村基本法の改正論議も含め、基本法の国や政治が「食料安全保障」を声高に叫ぶようになっているが(それはそれで重要ではあるものの)、基本的には、私たち市民(消費者)一人ひとりの、地域における自主的な取組み(「時々エシカル」等)が重要ではないかと訴えさせて頂きました。

 最近、お話を伺った平賀緑さん白川真澄さんに示唆を受けたものでもあります。

参加者との質疑応答。終了後も残って下さった方との間では、少人数での意見交換も。
 「家庭でのCO2削減は食材の産地を気に掛けることによって簡単にできることが分かった」「生活クラブで活動してきたことをこれからも大切にしていきたい」等のコメント。

 過去にフード・マイレージの連続講座を受講された方は、現在も環境カウンセラーとして活躍されている様子を報告して下さいました。
 高校生のお嬢さんが食や農業に関心を持ち、農業大学への進学を決めたことを紹介して下さったお母さんも。
 後継者不在で農業が続けられなくなりかけている農地を、地域の有志で耕作されているという方も。看板を立てて作業していると、関心を持った近所の方が仲間に加わってくれたそうです。

 ベテランの生活クラブ組合員の方からは、
 「自分は国産品を選ぶ等の活動しているが、食はあくまでプライベートなものなのだから、それを周りの人に吹聴すべきではないと思ってきた。しかし今日の話を伺い、環境問題が深刻化する中、自分でもできることから伝えていきたいと思う」と仰って下さいました。

終了後は、同じ会議室でワーカーズ・コープのお弁当を頂きました。
 石井理事長のご子息は、埼玉・上里町で有機農業に取り組んでおられるそうです。

結局、雨は上がらず、男性の方がご多忙の中を軽トラで駅まで送って下さいました。
 この方は、所沢市(三富新田)で開設している組合員向けの農園の運営も担当されているそうです。

この日の講座には、現在もお世話になっている方、懐かしい方、新しく知り合った方など、全ての方からお話を伺えたわけではありませんが、食や農について、まさに地域に根差した取組みが行われていることを垣間見ることができ、心強く感じました。
 主催者、参加者の皆さま、こちらの方が勉強になりました。有難うございました。

なお、「食と環境 カレッジ2023」は、来年1月に向けて全5回のシリーズで開催されるそうです(次回は7月18日(火)、講師は榊田みどりさん)。

小雨の中を、いったん帰宅。
 夕方には、ようやく雨はほぼ上がりました。東急・桜新町駅近くのJA営農センターの会議室で開催された「農あるまちづくり講座 in 世田谷」に参加(農的社会デザイン研究所の蔦谷栄一先生によるコラムはこちら)。

 第6回のこの日は、学芸員の今田洋行さんが、貴重な古文書や古い写真も紹介されつつ、世田谷農業の歴史や「立役者」の方について説明して下さいました。
 民家園には以前に一度行ったことがあるのですが、再訪したくなりました。

充実した内容の連続講座も、あと2回を残すばかりです。