【ブログ】第3回「農ある講座 in 所沢」、tack farm(埼玉・鳩山町)のこと。

2023年12月12日(火)。未明の雨は上がり午後には青空も。ようやく隣家の銀杏は真っ黄色になったと思うと、どんどん葉を落としていきます。

 夕刻には再び雲が広がり、雨がぽつぽつと落ちる中を埼玉・西所沢へ。
 「農あるまちづくり講座 in 所沢」の第3回、本年最後の講座です。主催者代表の蔦谷栄一先生(都市農業研究会、農的社会デザイン研究所)の挨拶で開会。

この日のゲストは、関谷 豊さん(関谷農園、所沢市下宿)。
 三富新田開拓から8代目。15haほどと地域で最大規模の農園で里芋、サツマイモのほか、一年を通じて20種類ほどの野菜を生産されているという方。ご子息は有機・自然農法に取り組み、学生ボランティア等の受け入れも行っているそうです。

 就農されてから50年、地域の環境や景観は大きく変わったとのこと。
 「かつては畑と雑木林ばかりだったのが、現在は広い道路が通り多くの物流施設が立地。化学肥料の普及等により雑木林には人の手が入らなくなり、松くい虫やナラ枯れの被害も深刻に。また、農業生産者の高齢化が進み、耕作放棄される農地も増えている。
 一方で、野菜の価格は、50年間で全く変わっていない」

2022年には近隣の食品会社とともに「ピックルスファーム」を設立。加工原料や直売用のサツマイモや小松菜を生産されているそうです。

塾生との間で熱心な質疑応答、意見交換。
 新規就農を目指しておられる方からの質問に、多数の研修生も受け入れてきている関谷さんからは、
 「地元の農家よりも新規就農者の方が熱心。農業にはサラリーマンにはない魅力、やりがいがある。農業だけで食べていくのは厳しい面もあるが、災害が少なく周囲に多くの消費者がいるという、こんな恵まれている地域はない」と答えておられました。

翌12月13日(水)の夕刻は、野菜の宅配等でお世話になっているUSP研究所の望年会に参加させて頂きました。
 今年も会場は築地の老舗ふぐ屋さん。いつも野菜を届けて下さっている小川町の生産者の方の顔も。

 ここでショッキングな話を伺いました。
 埼玉・鳩山町で、2019年に急逝した友人(パートナー)の農場(tack farm)を引き継いで有機野菜等を生産されている方の畑を、町が倉庫用地として買収しようとしているというのです。都市計画法上の手続きにも瑕疵があったようです。
 ちなみに “tack” とは、スウェーデン語で「ありがとう」の意味だそうです。

詳細な経緯は私には分かりません。
 しかし亡くなられた方を含めて以前からの知人であり、女性2人が、それぞれの祖父の方の協力の下で真摯に有機農業を進めて来られてきたことは、よく存じ上げています。
 パートナーの方が亡くなったことを詳しく知ったのも、2019年のこの望年会の席でした。その後、川越市でのマルシェを訪ねたことも思い出しました。

SDGsや有機農業の重要性に対する認識が高まる一方で、農業の若い担い手不足と農地減少について危機感が叫ばれている現在、何とかこの農場が継続できるようにと、私は念願しています。
 詳細な経緯はリンク先にありますので、ぜひ、ご一読いただき、賛同いただける方は電子署名に協力して頂ければ幸いです。