2024年2月17日(土)は、東京・国立でのシン・哲学カフェに参加した後、有楽町に回りました。
この日、東京交通会館12Fでは「マイナビ農林水産FEST(東京会場)」が開催されていました。農林水産業に就職・転職したい方を対象としたイベントです。
総務省「地域おこし協力隊」を含め、全国各地から13のブースが出展されており、規就農支援制度等について個別に相談することができます。
実は私の目的は就農相談ではなく、この日、講演される松澤龍人さんです。
松澤さんは2006年から(一社)東京都農業会議で新規就農を担当され、2009年には都内初めての新規就農者を誕生させるとともに、2012年には新規就農者・希望者の集まり「東京NEO・FARMERS!」を結成された方。
これまで色々なところで、様々な方から松澤さんの名前を聞くことが多く(先日の(株)corot の峯岸さんの講演でも)、一度、お話を伺いたいと思っていたのがようやく叶いました。
「新規就農の心構えと準備」と題するスライドを上映しながら、松澤さんがマイクを取られました(以下、文責は中田にあります)。
「これまで約2000人の新規就農希望者から相談を受けてきた。新規就農(希望)者の悩みは、就農前、直後、数年たってからと、段階によって様々」
「東京が新規就農の適地とは言えない特殊性は、農地にある。面積が狭く資産価値も高い。これまで新規就農は多摩地方の市街化調整区域が中心だったが、2018年の都市農地貸借法制定を受け、生産緑地で新規就農する人も出てきた」
「支援策は、東京農業アカデミー(研修施設、八王子市)をはじめ、認定新規就農者を対象としたハード事業など東京都独自の施策がある」
「東京で就農するメリットとは、何と言っても大消費地が近く、アルバイトなど兼業の機会も多いこと。
一方で悩みも多く、まず、農業機械や冷蔵庫を置く作業場がない。農業用水も乏しく、生活費も高い。さらには東京には特産品と呼べる作物がなく、多くの新規就農者は多品種少量生産のために労力がかかってしまう。
売り場の確保も大きな課題で、マルシェやイベントのほか、スーパーの開拓も必要。自分も生産者の気持ちを分かってくれる売り場を探している」
「新規就農に当たって最も大切なことは、心身ともに健康であること。
さらに、農業が好きで農作業を楽しいと思えるかどうかが重要。農産物という商品の特性(季節性、保存が困難、価格が変動)に付き合っていけるかがポイントになる」
会場の参加者との質疑応答。新規就農者の定着率については、
「いったん就農した後にやめた人は100人のうち5人ほど。残っている人の全てが農業だけで食べていけているかは微妙だが、生活費はアルバイトで稼ぎながらでも、農業が好きだからやめない」
私からは不躾ながら、それほどまでに新規就農を応援する松澤さんの思いについて伺ってみました。
松澤さんは「流されるままにここまで来ただけ」と謙遜されながらも、
「多くの新規就農(希望)者から悩みを聞き、相談を受けてきた。就農してからも、何かあると私(農業会議)を訪ねて来られる。一緒に二人三脚で歩いている気持ちになる。私の力だけではなく、回りには資金の拠出なども含めて応援してくれる人が多い」等と語られました。
講演の終了後も、何人の方が松澤さんに直接質問していました。すでに面識のある(何度か相談したこともある)、新規就農希望者のようです。
真摯に丁寧に対応されている松澤さんの姿か印象的でした。
以下は備忘的に。
帰途、同じ有楽町の東京国際フォーラムで開催されていたいしかわ伝統工芸フェア2024に立ち寄り。被災された輪島塗の工房などが出展されていました。すごい人です。
輪島塗には手が出ませんでしたが、白山市のヒノキのアクセサリーを求めさせて頂きました。
2月19日(月)、20日(火)と2日続けて吉祥寺uplinkをハシゴ。お目当てはオオタ ヴィン監督の「夢みる小学校」と「夢みる給食」。
どちらも素晴らしい映像。映画の中でも語られていましたが、確かにドキュメンタリ映画には社会を変える力があるようです。多くの方に観て頂きたい映画です。
19日(月)の午後は、国立科学博物館(東京・上野)の和食特別展を見学。
日本の風土に根差した和食の展示は、日本列島の土壌と水から(やっぱり関東ローム層は赤いな~)。各地の多様性ある大根などの食材、卑弥呼から織田信長、サザエさんまでの食卓の再現も。
明日25日(日)までと残りわずかですが、食べものに関心のある方は、ぜひ。
特別展以上にタマゲたのは、常設展示の方。恐竜、稲、タマムシ、暦等々々々。
充実していて、1~2時間ではとても回り切れません。博物館の楽しさ、大切さを再認識しました。科博、すごい!!。またゆっくり時間をかけて回りたいと思います。
ちなみに、このブログを書いている23日(金、天皇誕生日)朝の東京地方は雪まじり。
寒いのはイヤですが、暖冬が続いた後で地球がバランス回復を試みているのだとすれば、何となくほっとする気持ちもあります。
(参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」(月2回、登録無料)
https://www.mag2.com/m/0001579997