【ブログ】節目の第200回「霞ヶ関ばたけ」

2024年3月は、節目の季節。
 3月16日(土)の午後、東京・自由が丘のシェア奥沢で開催された奥沢ブッククラブは節目の第100回。オーナーの堀内正弘先生(多摩美術大)によると、コロナ渦中もオンラインでほぼ毎月、継続したことから最も多く開催された会となったそうです。
 この日は久々のリアル開催。

 恒例どおり、前半はおススメ本の紹介。私からは青木美希さんの『なぜ日本は原発を止められないのか?』を紹介。
 後半は課題本・小林秀雄、岡潔『人間の建設』についての感想のシェアなど。
 知の巨人2人の対談を「一生の座右の書」等と高く評価する意見もあるなか、私からは特攻隊を礼賛していること、現在ではありえない差別的表現が用いられていること(注:本書の刊行は1965年)等について「いちゃもん」(例によって少数派)。

 なお、次回(101回)は4月8日(月)19時からオンラインで開催予定。課題本は柳田国男『山の生活』です。

翌17日(日)の午後は、東京・西荻窪にある okatteにしおぎ へ。
 先日の能登の映画の復興支援上映会で初めて伺ったのですが、この日は隔月程度で開催されているオープンデー。多摩の木材をふんだんに使った明るい室内では、フリーマーケット、似顔絵ならぬ「似手絵」づくりのワークショップなどが開催されていました。アイスコーヒー(100円!)も美味。

 応対して下さったスタッフの方は「法事で会うくらいのゆるやかな親戚が増えた感じ」とおっしゃっていました。貴重な街中の、新しいタイプのコミュニティの場です。

その後は、大手町にある交流拠点・3×3ラボへ。何度も来ているのに迷いました(涙)。

 18時から開催されたのは、第200回 霞ヶ関ばたけ。ふだんは講師の方をお呼びしての勉強会ですが、この日は「霞ヶ関ばたけのこれまでのこれから」と題する特別企画です。
 会場は50名近くで盛況。オンラインで参加されている方もいらっしゃいます。

霞ヶ関ばたけとは、2011年に農林水産省の若手職員が中心となって立ち上げた自主的な勉強会。
 テーブルごとの自己紹介に続いて、まずは、立ち上げ時の中心メンバー・白鳥幹久さんがマイクを取られました。
 現在、栃木県庁に出向中の白鳥さんは真っ赤なイチゴのかぶり物で登壇。雰囲気づくりのためのサービス精神も旺盛な方のようです。「旅するタルト役人」としても活動中とのこと。

続いて、これまで霞ヶ関ばたけの運営に中心的に関わってこられた方、特に印象的な講座の講師だった方たちが順番に登壇。霞ヶ関ばたけとのかかわりや、印象に残っている出来事などを話して下さいます。
 留学先のイギリス・ロンドンや、熊本からオンラインで参加して下さった方も。
 多くの方が、業種等を超えて多くの人と出会えるフラットな場であることの意義ついて触れられました。

 現在の副代表・大槻 慶さんのご趣味は写真。霞ヶ関ばたけのホームページ用に撮影した写真は、私も個人のFBのプロフィール写真に使わせて頂いています。

白鳥さんとともに、この日の進行役を務められていたのが現代表の松尾真奈さん(現在は千葉県庁に出向中)。
 白鳥さんの留学等をきっかけに2018年1月から約6年間、代表を務められてきました。この間、何度かマスコミにも取り上げられるなど、霞ヶ関ばたけの知名度向上にも大きく貢献されました。

 仕事と2人の子育てと霞ヶ関ばたけという3足の草鞋については「正直大変だったけど、辛いと感じたことは一度もなかった」とのこと。そして「わたし自身がこの場に生かされ、育ててもらった」と、時折り言葉を詰まらせながら、感謝の気持ちを述べられました。

そしてこの日、200回を節目に霞ヶ関ばたけは、さらに若い世代の3人の共同代表に引き継がれることとなったのです。3人から松尾代表、大槻副代表への花束贈呈。

後半は立食での交流会。この日の食材の野菜は、千葉・成田市の(株)福渡農園のもの。
 代表の平田善福さんは外務省職員(ドバイ勤務)等を経て、友人とともに2022年に農業に新規参入。5haの農地で60種類の野菜を栽培する「Z世代の農業人」です。
 この日の野菜は、新しく共同代表になられた方たちが収穫して来られたとのこと。

 多くの方と交流できました。とりわけ、生産者の方のお話を伺いながら頂く野菜の美味しさは格別です。ご馳走様でした。

生みの親の白鳥さん、育ての親の松尾さん・大槻さんはじめ、霞ヶ関ばたけでは多くの方に大変お世話になりました。多くの学びと、多くの人とのつながりも頂きました。有難うございました。
 「霞ヶ関ばたけに育ててもらった」という松尾さんの言葉は、私を含むすべての参加者が、自分も同じと感じたことと思います。松尾代表、頑張りましたね。お疲れ様でした。改めて感謝申し上げます。

 そして新しいフェーズに移行する霞ヶ関ばたけ。
 大いに期待していますが、新しい3人の共同代表の皆さんにも当然ながら仕事も個人の生活もあります。霞ヶ関ばたけらしく、ゆったり、ほっこり、緩やかで楽しい場づくりを継続して行っていただければと思います。

(参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
 https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」(月2回、登録無料)
 https://www.mag2.com/m/0001579997