【ブログ】鈴木 亨さん古希のお祝い/能登支援の2本の映画

2024年2月25日(日)の三連休の最終日は、前日とは打って変わって冷たい雨風の一日に。
 午前中に向かったのは東京・八王子市堀之内。自称「牧場のおっさん」こと鈴木 亨さんの古希のお祝い会に、お声掛けして頂いたのです。
 お父上の代からニュータウン建設に抗して農地と牧場、里山を残し、農福連携にも先駆的に取り組んで来られた「巨人」です。

旧畜舎を会場に11時から開催された会には、50名ほどが参加。乾杯に続いて一人ずつから自己紹介。
 いずれも亨さんと深いつながりがあり、亨さんを慕っておられる方ばかり。古くからの友人・同士、福祉関係の方、体験農園の利用者の方、亨さんの農業の後継者でもある新規就農された方たち。奥様と3人の子どもとともに参加された方は、眼が悪くなられた亨さんのIT関係(パソコンやSNSなど)をサポートされているそうです。
 もちろん、会場には亨さんの愛犬・レオ君の姿も。

外は冷たい雨が降っていますが、屋内では炭火が焚かれ、温かい空気に満ちています。バーベキューの野菜は、相模原で新規就農されている方が提供して下さったとのこと。お肉もたっぷり、ガパオライスなども。新規就農者の方のお一人の、はちみつグラノーラも絶品です。

13時が回った頃に、大きなケーキが出されました。
 誕生日が近い親友とともにろうそくをの火を吹き消す亨さん。車椅子の奥様が穏やかに見守っておられす。
 続いてプレゼント贈呈。何と、プリンターです。亨さん、ますます情報発信などを活発に続けていかれるようです。
 亨さんのお人柄を映したような、暖かい雰囲気の会でした。
 幹事、シェフ、スタッフの皆様、どうもありがとうございました。

この後は新宿での上映会(後述)に回ったのですが、途中、立ち寄った新宿駅西口の大きな書店では、平賀 緑さんの新著『食べものから学ぶ現代社会』(岩波ジュニア新書)が、斎藤幸平さん推薦のPOPとともに平(縦)積みされていました。

さて、1日遡った2月24日(土)は、ぽかぽか陽気。
 午後から東京・西荻窪へ。民家を改装したシェアキッチン・リビング okatteにしおぎは初めて伺いましたが、気持ちのいい建物です。
 16時から開催されたのは、ドキュメンタリ映画『一献の系譜』の上映会Lotus Cinemaまち暮らし不動産の共催による能登半島地震支援チャリティ上映会です。

 今回の自主上映会は、石井かほり監督の呼びかけに応えて開催するもので、すべての収益と会場で預った寄付のすべては復興支援のために寄付されるとのこと。

この日の作品『一献の系譜』(2015)は、四天王と呼ばれた能登杜氏たちを追ったオムニバス。

田んぼや海の美しい光景。静かな、あるいは激しい祭りの映像。厳しく時には笑いもあるい酒造りの様子などが描かれていきます。「日本酒造りは人をも醸す」との言葉が印象的です。

 今回の地震では、能登の酒蔵も激しく被災したとの報道もあります。主催者・進行役の中山るり子さんが、関連情報のQRコードを整理したペーパーを配布して下さいました。
 能登杜氏の伝統と技術を受け継ぐ方たちの、復興とさらなる発展に期待したいと思います(能登のお酒が呑みたくなりました)。

翌25日(日)は、先述の鈴木亨さんのお誕生日会に出た後に新宿へ。
 Lotus Cinema 能登半島支援チャリティ上映会に連続参加。この日の会場は(いつもの)常圓寺祖師堂です。
 この日の上映作品は、やはり石井かほり監督の『ひとにぎりの塩』(2011)。
 奥能登で続けられている伝統的な「揚げ浜式」塩づくりの様子が描かれています。

奥能登で続けられている伝統的な「揚げ浜式」塩づくりの様子が描かれています。
 命の源・塩は海からの贈り物。窯炊きに使う薪も自分たちで山から伐り出してきます。浜士と呼ばれる男たちのたくましさと、塩づくりに関わる女性たちの笑顔が印象的でした。

実はこの映画の舞台となった珠洲の「道の駅 すず塩田村」では、一昨年9月、揚げ浜式の塩づくりを少しだけ体験させて頂いた経験があります。映像を観て懐かしく思い出しました。
 現在は地震の影響で休止中のようですが、地元の方たちとの交流も含めて楽しい体験でした。

終了後は、4人ずつくらいになって感想などのシェア(思いかけず再会した友人の姿も。かねてより能登の酒づくり等を支援されている方です)。
 能登の塩は、3月9日(土)に東京・八重洲にオープンする石川県のアンテナショップでも購入できるのではないか、長崎・五島でも伝統的な製塩を続けている人がいる等の情報もありました。

今回の地震では広範な海面隆起もあり、塩づくりにも大きな影響を及ぼしそうです。
 それでも中山さんに提供いただいた中には、「3年で元に戻す」と取り組み始めた方の記事も掲載されていました(北國新聞、2/22付け)。

能登はやさしや土までも」という言葉があります。
 能登では人だけではなく風土までも優しいという意味ですが、現実には深い雪に閉ざされるなどの厳しい自然環境の下で、互いに支えあいながら暮らしてきた能登の人びとの強さと温かさを表した言葉とされています。
 一日も早く、日々の暮らしが戻ってくることを祈念しています。

(参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
 https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」(月2回、登録無料)
 https://www.mag2.com/m/0001579997