【ポイント】
現在の日本の米の収穫量は、深刻な飢餓に直面していた1940年代に比べて、総量で85%、一人当たりでは約半分へと減少しています。

戦中戦後の一時期、日本は深刻な飢餓に直面しました。都会の駅に集まった戦災孤児(「駅の子」)のように、毎日のように失われていく命があったのです。
それでは、当時の米の収穫量は比べてどの程度だったのでしょうか。リンク先の図322は、米の収穫量(総量及び一人当たり)について、1940年代と2020年代を比較したものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2025/08/322_kome.pdf
これによると、1940年代(1940~48年)の米の収穫量(総量)は平均で871万トン、人口1人当たりでは117kgとなっています。一方、2020年代(2020~24年)の平均では総量742万トン、1人当たり59kgと、それぞれ1940年代に比べて85%、51%へと減少しているのです(ちなみにこの間、人口は1.7倍に増加)。
1940年代前半は、戦中期で出征等により労働力が不足するなかでも800万トン以上の収穫量がありました。しかしながら終戦の年である1945年には枕崎台風の影響もあって一気に600万トン弱にまで落ち込み、翌1946年は、復員もあって深刻な飢餓状態に陥ったのです。いわゆる「食糧メーデー」も行われました。
このグラフから、いくつかの教訓を読み取ることができます。
一つは、現在の米の収穫量自体が(特に一人当たりでは)戦中・戦後の混乱期を大きく下回っていることです。現在、米の収穫量(消費量)が少なくても飢餓が存在しないのは、食生活が大きく変化し、カロリーの大きな部分を畜産物や油脂から摂取しているためです。しかしながら、その生産に必要な飼料や油糧種子の大部分は輸入に依存しています。
さらに、米の収穫量は気象条件に大きく左右されることから、常に供給が大きく減少するリスクを抱えていることも分かります。
これらのことを踏まえると、食料安全保障の観点からも、国内における米の供給基盤を維持・強化していくことの重要性が改めて確認できます。
[データの出典]
農林水産省「作物統計」(作況調査、長期累年)、国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2025年版)」から作成。
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kome/index.html
https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2025.asp?fname=T01-03.htm
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.322、2025年11月4日(火)[和暦 長月十五日]
https://food-mileage.jp/2025/09/17/letter-324/
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