【ポイント】
政府は米の増産に舵を切りましたが、そのための具体策は、大規模化・法人化、スマート化の推進など従来の施策と大きく変わらないようです。

本年6月4日、首相官邸に設置された「米の安定供給等実現関係閣僚会議」(議長は内閣総理大臣、副議長は内閣官房長官及び農林水産大臣、ほかに財務大臣等4閣僚で構成)は、8月5日(火)16時過ぎから第3回会議を開催しました。
ここでは小泉農相から、需要量については家計の動向やインバウンド観光客の影響が把握できていなかったこと、供給量については精米ベースの観点がなかったこと、備蓄米の放出のタイミングや方法などが適切でなかったこと等の「失政」の報告がありました。
そして石破首相からは、今後、米については増産に舵(かじ)を切ること、耕作放棄地の拡大を食い止め農地を次世代につないでいくこと、輸出の抜本的拡大に全力を傾けること等の政策の方向性が示されました。また、環境に配慮した取組を支援する新たな仕組みの創設にも言及されました。
一方、具体的な政策手段として掲げられている「農業経営の大規模化・法人化やスマート化の推進」は、従来の施策を踏襲したものです。農家も製造業や商店と同様、営利を目的とする民間の私企業である以上、公的な資金(税金を財源とする補助金等)を投入する正当性を担保するために、生産性の向上が要件とされてきたのです。
しかし現在、農業の現場で「農じまい」が広がりつつあるなか、地域資源である農地を維持し、国内の食料供給力を確保していくためには、従来の(主に財政面から)理屈だけで対応することは適切でない面もあると、個人的には考えます。
もっとも、農家を公務員化するといった一部政党の主張は荒唐無稽ですが。
[参考]
首相官邸「米の安定供給等実現関係閣僚会議」
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202508/05kome_anteikyoukyuu.html
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.322、2025年11月4日(火)[和暦 長月十五日]
https://food-mileage.jp/2025/09/17/letter-324/
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