【豆知識323】格差が解消した福島・浜通り産米の価格

【ポイント】
 近年の米価格の高騰は、結果として福島・浜通り産米に対するいわゆる「風評被害」の解消につながりました。

2011年3月の東京電力福島第一原発のシビアアクシデント(過酷事故・炉心損傷)は、立地する福島・浜通り地帯に深刻な被害をもたらしました。特に放射能に汚染された地域では、いわゆる「風評被害」もあり、一時はもう農業はできないのではといった絶望さえ広がりました。
 リンク先の図323は、米の全国平均価格と、福島県の地域別の米の価格の推移を示したものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2025/08/323_hamadori.pdf

これによると、事故が起こった2011年産以降、23年産米までは、浜通り産の米価格は全国平均を下回って推移していました。特に2013~15年産については全国平均を2割近く下回りました(中通り産も同様の傾向がみられました)。
 米の価格は品質や銘柄など様々な要素によって決まりますが、この頃の浜通り産の米については、いわゆる「風評被害」により不当に低く評価(ディスカウント)されていたことが伺えます。

 しかしながら、2024年産以降、米価格が全体として上昇するなかで、浜通り産の米の価格は全国平均を上回って推移するようになりました。今回の米の価格上昇は、結果として、浜通り産の米に対するいわゆる「風評被害」を解消したと言えるかも知れません。

[データの出典]
農林水産省「米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等」から作成。
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/aitaikakaku.html
 注:相対取引価格とは、JA全農などの出荷団体(事業者)と卸売業者の間で取引されている価格である。

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.323、2025年8月23日(土)[和暦 文月朔日]
  https://food-mileage.jp/2025/09/02/letter-323/
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