【ブログ】CCC、紙芝居『わたしの命の物語』

2025年9月14日(日)に、地元である東京・東村山市で開催された2つのイベントの報告です。

まず午前中は「縁ひらく庭 百才(ももとせ)」へ。2棟の古民家を改装したスペースです。
 この日のイベント「CCC」は、先日の「百才会議」に参加した際に教えてもらったもの。 CCC(Cleanup & Coffee Club)とは、一緒にゴミを拾い、その後でコーヒーを飲みながら語り合うというもの。コロナ禍下の東京・池袋から始まり、全国に広がっているそうですが、私は知りませんでした。初めての参加です。

9時過ぎ、百才には20名ほどが集合。簡単な自己紹介の後(常連さんも多いようです)、3組に分かれてゴミ拾いに出発。
 ちなみに市内では、同時刻帯にもう一か所でも活動しているとのこと。

私が参加したチームは、6名のうち子どもが2人。先頭を元気に楽しそうにゴミを拾っていく2人に、大人たちが引っ張られていきます。
 道行く近所の方たちと挨拶。他のチームでは、わざわざ自販機で麦茶のペットボトルを買って紙コップとともに差し入れて下さった住民の方もおられたとのこと。

9時45分過ぎには百才に戻り、ゴミを仕分け。
 月に2回だけ百才でオープンしている「みぢかな珈琲」さんが、冷たいコーヒーを振舞って下さいました。この日の豆はミャンマー産。京都にある地産地消やフェアトレードに取り組んでいる会社から調達されているそうです。

 百才では、定期的に様々なイベントやセミナーも開催されているとのこと。また足を運んでみようと思います。

14時には国立ハンセン病資料館へ。紙芝居『わたしの命の物語』の完成披露イベントが開催されました。
 会場の1階映像ホール前の受付には行列。紙芝居の販売コーナーも(私も1部求めさせて頂きました)。

10時30分、黒尾和久さん(国立ハンセン病資料館・重監房資料館)の進行により開会。
 藤崎美智子さんが紹介されて壇上に上がり、挨拶。
 全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)事務局長を務められた故・藤崎隆安さんの奥様で、現在も全生園内にある「お食事処 なごみ」を切り盛りされている方。みんなに「みっちゃん」と呼ばれ親しまれています。

やや緊張気味の藤崎さん。
 紙芝居は、今は亡き夫・隆安さんの「差別が繰り返されないように、人権学習の動機付けになるような紙芝居を作りたい」との強い思いを受け継ぎ、多くの方の協力を得て完成したものとのこと。関係者の皆さんへの感謝の言葉も。
 また、この日(9月14日)は隆安さんの三回忌であると同時に、1962年に死刑が執行された菊池事件の被告・Fさんの命日でもあるそうです。隆安さんはFさんの名誉回復が実現できなかったことを、最期まで無念に思っておられたとのこと。ちなみに菊池事件については、来年1月に熊本地裁で再審を認めるかどうかの判断が下される予定だそうです。
 そして藤崎さんは、「紙芝居を作ることが目的ではなかった。一人でも多くの人がこの作品に触れて、人権について考えて頂きたい」と思いを訴えられました。

渡部 尚 東村山市長からも挨拶。
 故・藤崎隆安さんとの個人的な交流の思い出を紹介しつつ、「命には差がないこと、命の大切さを、ぜひこの紙芝居が周りの人々に伝えていってもらいたい」等。紙は読まずに自身の言葉で話されました。

続いて、紙芝居の脚本を担当したドリアン助川さん(作家、歌手、明治学院大教授)、作画を担当されたペドロアンドヨゼフのお2人(田川 誠さん、深澤慎也さん)がステージへ。

 ドリアンさんは、ハンセン病を題材に物語を書こうと思った時から『あん』の完成まで10年以上かかったこと、田川さんは映画『あん』を観て衝撃を受けたものの、クリエータ-として何もできないことに悶々とした日々を送っていた等のエピソード。
 また、ドリアンさんは、藤崎隆安さんから紙芝居制作の相談を受けた時も、強制堕胎という深刻なテーマから最初「逃げて」いたそうです。深澤さんは、最初はホルマリン漬けの胎児のような絵から描き始めたものの、次第に「すべての命に希望ある未来を」という願いを込めた絵に変化していったそうです。

 後半は、藤崎さんも対談に参加。
 初めて絵と脚本を渡された時は、隆安さんの思いが詰まっていると感じて涙が出て読めなかったそうです。この紙芝居には、関係者みんなの愛情が詰まっているとも。改めて感謝の言葉を述べられていました。

そして、いよいよ藤崎さんによる紙芝居『わたしの命の物語』の朗読。スクリーンに映写された映像には、アニメーションも施されています。

 紙芝居は、国の法律によって強制的に堕胎され、この世に生まれてくることができなかった「いのち」の独白によって構成されています。
 お母さんに、お父さんに、陽の光に、森のささやきに「抱きしめて欲しかった」と嘆き続ける「いのち」。しかしやがて「いのち」の言葉は、「わたし、生まれて、生きて、大きくなったら」、泣いている子どもや、老いていくお母さんや、ひとりぼっちの誰かを「抱きしめたかった」という望みに変わっていくのです。
 そして「誰もが、祝福されて、生まれてきますように」との祈りの言葉で、紙芝居は閉じられます。大きな拍手。

藤崎さん、ドリアンさん、ペドロアンドヨゼフのお2人がステージに勢ぞろい。
 司会の黒尾さんは、最初から「みっちゃん、泣いちゃだめだよ」と声をかけていましたが、やはり藤崎さんは泣いてしまいました。
 紙芝居はアニメ化し、ユーチューブでの配信も予定しているとのこと(簡略版を上映して下さいました)。また、フランスでも公開する計画が進んでいるそうです。

ハンセン病からの回復者の方をモデルに起用したファッションショーを企画・開催されたというデザイナーの方も壇上へ。これからも人権問題についてファッションを通じて発信していきたいとの決意を語られました。

最後に、黒尾さんから、「入り口はたくさんあって、広い方がいい。このお披露目会はスタート」との言葉で終了です。
 ぜひ多くの方に見て頂きたい紙芝居『わたしの命の物語』。個人的にも何かお手伝いができないかと考えています。

(ご参考)
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
 https://food-mileage.jp/
 メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
 https://www.mag2.com/m/0001579997
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