【オーシャン・カレント328】EUの共通農業政策

【ポイント】
 EUでは加盟国共通の農業政策が行われており、近年、環境・気候変動の取組みが強化されていますが、農業者の意向を反映した見直しも行われています。

画像はEUのウェブサイトより。

EUの共通農業政策(Common Agricultural Policy:CAP)とは、EU加盟国27カ国を対象に共通して講じられている農業政策で、EU予算を財源として運営されています。
その内容は、農業者の所得を保障するための「価格・所得政策」と、加盟各国が農業部門の構造改革、農業環境施策等の農村振興プログラムを実施する「農村振興政策」の二本柱から構成されています。

CAPは導入された1962年以降、累次の見直しが行われており、現行のCAP(実施期間:2023~2027年)では環境・気候変動の取組みが強化されています。例えば直接支払いの受給要件である環境・土壌保全等に関する共通遵守事項(クロスコンプライアンス)が強化されるとともに、更なる環境・気候変動への取組みを行う農業者に対する上乗せ支援(「エコ・スキーム」)の制度が導入されました。
 これらの規制強化に関連して、2023年末から24年にかけてフランスやドイツなど多くの国で農業者による大規模な「トラクターデモ」が行われたことは記憶に新しいところであり、EU委員会はこれらの情勢を受けて小規模生産者向けの直接支払制度の見直し等を行いました。農業者の直接行動が政策変更につながったのです。

ちなみに再分配所得支持の対象となる小規模農家の定義は、フランスでは100ha、ドイツでは60ha以下とされており、ここでも日本とはかなり状況が異なります。

[参考]
農林水産省HP「EUの農業政策」
https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kaigai_nogyo/k_seisaku/eu.html
農林水産省「主要国の農業情報調査分析報告書」(2023年度、欧州地域)
https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kaigai_nogyo/k_syokuryo/240409.html

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.328、2025年11月4日(火)[和暦 長月十五日]
  https://food-mileage.jp/2025/09/17/letter-324/
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