【ブログ】竹の伐り出しと大豆のよろげ(2025年最後のしごと塾、山梨・西原)

2025年12月21日(日)、冬至の前日は山梨・上野原市西原(さいはら)へ。
 さいはらの手仕事を学ぶために10年以上にわたって西原に通っている「しごと塾さいはら」の、2025年最後のプログラムです。
 JR中央線で東京・高尾から3駅目・上野原駅前を8時45分発の富士急行バスに乗車、1時間ほどで西原(原バス停)に到着。ちなみに途中から私たち4人の貸切り状態でした。
 不順の予報でしたが青空に恵まれました。斜面にある畑では冬野菜を収穫されている方の姿も。

今回も冨澤太郎さんにお世話になります。太郎さんは横浜出身、東日本大震災後の2013年、26歳の時にこの地に移住された方です。

 この日の最初のプログラムは、竹細工の材料等にする竹の伐り出し(実は地元の竹細工の名人(師匠)が先日、逝去されたばかりです)。
 太郎さんを含む参加者12名(自家用車組を含む。)は、いつもお世話になっている中川さん宅の裏手にある丸山の斜面に向かいます。かなりの斜面です。

太郎さんから説明がありました(中田のメモなので違っている箇所があるかもしれません)。
 竹は闇夜に伐れという言葉があり、特に冬至(翌日です)の前が最適とのこと。春から秋にかけて土中の水分をブォーブォー(手を突き上げなす)と吸い上げて生長する竹は、冬になると含水量は減り、乾燥させても曲がったりすることが少ないとのこと。  

伐る竹を選ぶのも重要で、1~2年目では柔らかすぎ、逆に5年以上のものになると固くなるとのこと。3~4年目のものが最適で、太さや樹皮の色などによって判断できるそうです。また、節が長く、踊っていない(下から見上げて左右にばらついていない)ことも重要なポイントとのこと。

そして沢山ある竹のなかから選んだ一本を、まず、太郎さんが模範演技として伐ります。
 まず大切なのは、倒す方向を確認して安全を確保すること。膝上くらいの伐りやすい箇所で伐ること。あまり根元で伐ると切り株が落葉等に埋もれてしまって危険だそうです。
 鋸の歯は、まず倒す方向(「受け」) から、そして反対側(「追い口」) から入れていくと、やがて自重で倒れます。大きな音が竹林の中に響きます。

伐り倒した竹は(想像以上の重さです。一般の樹木よりはずっと軽いそうですが)、節の位置を確認しながら適当な長さ(両手を伸ばして測定)で切断。上から、続いて下から鋸を入れます。
 竹細工の材料にはならない先の方の細い部分は、「ヤタ」に使います。畑の杭、インゲン等の支柱として使うため、畑の土に差し込みやすいように、根本の部分を鉈で斜めに切断します(力が必要で、慣れないと奇麗な断面になりません)。

12時近くになって休憩。中川さん宅の納屋をお借りします。
 昼食には、太郎さんご夫妻が「おばく」を準備して下さっていました。山梨県の郷土食で、皮を剥いた大麦を一晩水に浸し柔らかくしたものを、ダイコンやインゲンとともに長い時間をかけて(手間をかけて)煮込んだものです。これも準備して下さっていたネギ味噌ねぎみそをつけて頂くと、優しい、懐かしいような味です。
 もう1種類、洋風のものは、クリームシチューのようななめらかな風味です。

 参加者のお一人が作って持って来て下さった刺身こんにゃく、地元のお弁当屋さんのお惣菜(郷土食の小ぶりのジャガイモの甘辛煮等も)とともに、美味しく頂きました。

午後のプログラムは大豆の「よろげ」。しごと塾で栽培し収穫しておいた大豆を、味噌作りに向けて選別する作業です。

 お盆に入れて振ると、良い豆は前方に転がっていき、悪い豆やゴミは手元に残る、という仕組み。太郎さんが模範を見せてくれてみんなチャレンジしましたが、なかなかうまくいきません。木のお盆を使うと比較的滑らかに選別できます。
 中川家の飼い猫が、不思議そうに(退屈そうに)に眺めていました。

 しごと塾の大豆だけでは味噌づくりには足らないようで、太郎さんは地元の方から調達する算段も考えてくれているようです。

曇が出て暗くなってきましたが(山の天気は変わりやすい)、雨は落ちてきそうで落ちてきません。再び竹林に行ってさらに数本を伐り出しました。

納屋に戻り、竹かごを見せて下さいました。大小、様々な大きさ、かたちがあります。プラスチック製品等と異なって使い込んでいくうちに壊れることはありますが、補修すれば何十年も使えるとのこと。地元の材料で作った竹かごは、資源循環型で持続可能な道具です。

納屋の天井からは、今年収穫した蕎麦、タカキビ等の雑穀が吊るされていました。

15時49分発(最終)のバスで帰途に就きました。
 今年はあまり来られませんでしたが、太郎さん、西原の皆様、しごと塾の皆さんには大変お世話になりました。

右の画像はやまはた農園のFBページより。

この日は帰宅して布団に入っても、竹林のざわめきが耳から離れませんでした。
 西原という中山間地(「限界集落」という嫌な言葉もありますが)での暮らしやなりわいのリアルな様子について、冨澤太郎さんからじっくりとお話を伺う機会を作ることができればと考えています。

(ご参考)
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