【豆知識】「規模拡大が進展」の実態

【ポイント】
 大規模経営のシェアが過半となりましたが、これは全体の耕地面積が大きく減少していることを反映したものであり、必ずしも順調に規模拡大が進んでいるとは言えません。

昨年11月に農林水産省が公表した資料「2025年農林業センサス結果の概要(概数値)」には、「経営耕地面積20ha以上の農業経営体の面積シェアが初めて5割を超えるなど、規模拡大が進展」とあります。
 リンク先の図332は、この根拠となっている経営耕地面積規模別にみた経営耕地面積について、10年前、5年前と比較したものです。大規模経営の面積は縦軸の右側、それ以外の経営の面積は左側に図示してあります。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2026/01/332_census2.pdf

大規模層(経営耕地面積20ha以上)の経営耕地面積(縦軸の右側のグラフ)は、2015年の129.3万haから2020年には143.4万ha、2025年には155.5万haへと増加し、全農業経営体の経営耕地面積の合計面積に占めるシェアは37.5%から44.3%、51.0%へと上昇しています。この数字を見ると、確かに順調に規模拡大が進展しているかのようにみえます。

しかしながら、全農業経営体の経営耕地面積の合計(左側と右側の合計)は、2015年の345.1万haから、2020年には323.3万ha、2025年には304.7haへと減少しています。全体の経営耕地面積は10年前と比べて11.7%減少しているのです。
 つまり今回のセンサスで明らかとなった「規模拡大の進展」とは、全体の耕地面積が大きく減少(農地資源、あるいは日本農業が全体として縮小)している中での大規模層のシェアの増加であることに留意する必要があります。

 さらに大規模層について地域別にみると、一貫して北海道が約6割を占めており、都府県における規模拡大のペースは依然として十分とは言えない状況が伺えます。さらに「規模拡大先進地」北海道においては、20ha以上層の経営耕地面積が減少に転じていることも注目する必要があると思われます。

[データの出典]
農林水産省「農林業センサス」から作成。
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noucen/index.html

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.332、2026年1月4日(土)[和暦 霜月十五日]
  https://food-mileage.jp/2026/01/15/letter-332/
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