【ポイント】
原発事故後は減少傾向で推移してきた日本の発電量は、今後、生成AIの普及等により大きく増加すると見込まれており、原発の最大限活動もうたわれています。

日本の電力消費量は、戦後、経済の高度成長、快適な生活へのニーズ等の高まりから、2010年頃まで一貫して伸びてきました。
リンク先の図333は、日本の発電量の長期的推移と見通しを電源構成別にみたものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2026/01/333_dengen.pdf
発電量(棒グラフ)をみると、2011年3月の東京電力・福島第一原子力発電所の事故後、事業所や家庭における節電の取組みもあって減少傾向で推移しており、2024年には2010年に比べて14%減少しました。
ところが、昨(2025)年2月に改訂された国の「エネルギー基本計画」においては、2040年度の発電電力量については23年度の9,854億kWh(速報値)から1.1~1.2兆kWhへと、12~22%と大きく増加に転じると見通されています。また、その理由として、今後の経済成長につながるデータセンターや半導体工場の新増設が見込まれることがあげられています。
基本計画では、この見通しを受け、脱炭素の必要性も強調しつつ、再生可能エネルギー及び原子力を「最大限活用」することがうたわれています。
折れ線グラフは火力、原子力及び再生可能エネルギーの構成割合を示しています。
原発事故後、ほぼゼロとなっていた原子力発電のシェアは、近年は1割弱まで回復しており、さらに基本計画では2040年には約2割まで上昇させることとしています。(再生可能エネルギーは約23%から4~5割に上昇)。
生成AIの出現によって世界のエネルギー事情は大きく変化し、アメリカでも巨大IT企業による原子力発電の活用が進みつつあります。生成AIは(フェイクなど負の側面を含め)広く利用されているようになっているとはいえ、果たして原子力発電を「最大限活用」することのリスクの大きさに見合うものでしょうか。さらなる節電に取り組むことも重要ではないでしょうか。
ちなみに、原発事故後に内閣総理大臣が発出した「原子力緊急事態宣言」は今も解除されておらず、2万人以上が避難を強いられており、帰還困難区域における野菜等の摂取・出荷制限も継続されています。
[データの出典]
経済産業省資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」「エネルギー動向(2025年6月版)」から作成。
https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/total_energy/results.html#headline7
https://www.enecho.meti.go.jp/about/energytrends/202506/html/s-1-4.html
[参考]
経済産業省プレスリリース(第7次エネルギー基本計画の閣議決定)
https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250218001/20250218001.html
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.333、2026年1月19日(月)[和暦 師走朔日]
https://food-mileage.jp/2026/02/01/letter-333/
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