【ブログ】81回目の「3.10」に思うこと

1945(昭和二十)年3月10日、東京はアメリカ軍のB29爆撃機300機による大規模な空襲に見舞われました。犠牲者は10万人にのぼるとも言われています。
 その犠牲者を追悼するとともに、平和の意義を確認し意識高揚を図るため、東京都は3月10日を「平和の日」と定め、毎年、記念式典を開催しています。

ホームページを見て事前に申し込んでいたところ、当選して案内を頂いたので、2026年3月10日(火)の午後、新宿に足を運びました。 

新宿の都庁第一本庁舎1階で受け付け(都庁はデカすぎていつも迷います)、白い菊の花のリボン、入館証、座席表を受け取った後、職員の方が5階の大会議場まで誘導して下さいました。

 会場に隣接するレセプションホールでは、空襲関連資料・写真パネル等の展示が行われていました。
 目を引いたのは、1945年6月から北海道への「集団帰農」事業が実施されたとの説明。食糧不足に苦しむ都市部の被災者を北海道の未墾地に入植させる事業だったそうですが、泥炭地など条件は厳しく多くが離農したそうです。
 現在の東京都の食料自給率はカロリーベースで0%。大規模災害等も予想される中、過去の話では済まないかもしれません。

会場に入ると、参加者は私たち一般の190名を含めて300名ほど。外交官の方も多数。
 14時にステージの幕が上がり、黙とう、国歌斉唱。
 続いて主催者(都知事及び都議会議長)からの挨拶。墨田区横網にある「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」に納められている犠牲者名簿には、さらに141名が追加されたそうです(計8万人以上)。

画像は東京都公式動画チャンネル(以下2点も同様)より。

来賓挨拶の一人目は、駐日外交団長のエスティファノス・アフォワキ・ハイレ閣下(駐日エリトリア国特命全権大使)。
 エストリアでの挨拶「セラーム」には、平和を祈るという意味が込められているそうです。現下の世界情勢を念頭に、「外交こそが唯一の希望」とも。

続いて被災者代表として、小町悦子さんが登壇されました。現在94歳とのこと。
 空襲を体験したのは昭和19年、女子高の1年生の時だったそうです。友人たちと帰宅途中に爆撃や機銃掃射を受けて森の中に逃げ込んだこと、みんな泥だらけになったものの怪我はなく、ほっとして炒った大豆を食べながら指切りして別れたといった体験談を披露して下さいました。電車は止まってしまい、帰宅されたそうです。
 「平和こそが宝」との言葉が印象的でした。会場からは拍手。

後半は、東京都交響楽団メンバーによる記念演奏。
 バッハ、モーツァルトに続いて「ふるさと」が演奏された時には、自然に会場から唱和する声も。

地元・東村山市の中央公民館でも東京空襲資料展が開催されていました。
 戦争体験者による証言映像が流されていますが、いずれも1990年代に撮影されたものとのこと。映像の記録が残されていることは貴重ですが、実際に体験された方の肉声を聞く機会は、今後、ますます少くなっています。
 「玉音放送は何を言っているか理解できなかった。担任の先生が号泣するのを見て、戦争に負けたことが分かった」等の証言も。

 現在の政治の動き-防衛費の大幅増額や武器輸出の推進-をみると、記憶と教訓の継承の難しさを痛感せざるを得ません。

式典で配られたパンフレットには「東京都平和の日条例」が掲載されていました。
 「平和は都民全ての願いである。恒久平和の実現に貢献する責務を深く認識し、戦争の惨禍を再び繰り返さないことを誓う」等とあります(抄)。
 これも踏まえて、アンケート用紙の自由記入欄には、アメリカ・イスラエルによるイランの大規模空爆を念頭に以下のように書かせて頂きました。
 「国が動きが取れないのであれば、自治体として停戦と平和のアピールを発出することについて検討願いたい」

イランから伝えられるニュース映像は、同じアメリカ軍によるものでもあり、東京大空襲を想起せざるを得ません。B29がB52やトマホークに変わっただけで、既視感があります。イランの民主化は正義かも知れませんが、それは小学校にミサイルを撃ち込むことで実現すべきことではないことは明白です。

 むろん国や自治体だけの問題ではありません。日本の各地では市民グループによるデモや集会は行われていますが、広がってはいません。
 「戦争の惨禍」は、日本にとっては(現在のところは)過去の歴史の1ページかも知れませんが、世界では現在も続いているのです。
 一人ひとりの想像力と共感、さらには行動が求められています。

[付記]第9回 食と農の未来フォーラムの開催について

3月29日(日)には、昨年に続いて2回目の「令和の百姓一揆」が東京等で行われます。その前夜に、「令和の百姓一揆」実行委員会代表である菅野芳秀さん(農業、山形・長井市)からお話を伺い、意見交換等を行います。
 会場(東京・赤坂)とオンラインでのハイブリッド開催です。
 多くの、特に都会の消費者の皆さんに聞いて頂きたいと願っています。ぜひ、以下からお申し込み下さい(先着順)。
https://peatix.com/event/4908199/

(参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
https://food-mileage.jp/
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https://www.mag2.com/m/0001579997
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