2026年3月25日(水)は、満開近いソメイヨシノの下で地元の小学校でも卒業式。
ボランティアでお手伝いさせて頂いている縁でご招待を頂き、2人の子どもの母校での数十年ぶりの卒業式です(現役中だったから出席してなかったかな)。
厳かながらも、卒業生たちからの誓いの言葉と歌、5年生からは送別の歌。「やればできる」等の言葉に、心励まされました。一方、ミサイルが落ちてこないことの有難さをしみじみと感じてしまう世界情勢とは・・・

その前日、3月24日(火)の夕刻は東京・渋谷へ。
いたずらに人が多く、工事中の駅は行くたびに導線が変わり、駅前の案内板も更新されないまま。係りの方が親切に教えて下さいましたが、正直、足を踏み入れたくない場所です。私が田舎者とはいえ、限度を超えていると思います。
その大都会(東京一極集中)の象徴・渋谷で、被災地・能登に関するイベントに参加しました。
駅から徒歩10分ほどの多目的スペース「SLOTH TERRACE」で18時から開催されたのは、 『NOTO hundreD 能登の食と人と文化を感じるタビ』キックオフイベント。
これまで何度かお話を伺った洲崎邦郎さんにお誘い頂き、参加することにしたのです。
会場の参加者は20名ほど。
会場後方にはソフトドリンクとオードブルが並べられており、自由に取って頂きながらお話を聴くというスタイルのようです。

第1部は、洲崎さんから能登の現状、NOTO hundreD(ノト・ハンドレッド)の概要についての説明(以下、文責・中田)。
洲崎さんは金沢出身の67歳。ホテルマンから2010年に農家に転身し、石川・野々市町で石川県産野菜を販売する「香土」のオーナーを務めるほか、2030年までに能登に200haの有機農業の一大生産拠点を作るという「Farmer’s Village Noto」構想を推進されています。
新規事業であるNOTO hundreD(ノト・ハンドレッド)とは、能登半島の復興の一助となることを目的に、農的な暮らしや人との出会いを通して「関係人口」を育てていく体験型プロジェクトとのこと。

第2部は、(一社)紡ぐ学校上黒丸の代表理事・水野雅男さん(法政大学現代福祉学部 福祉コミュニティ学科教授)から、「育てる・交わる オーガニックビレッジ上黒丸」と題するプレゼン。
金沢市の町屋再生、2007年能登半島地震で被害を受けた土蔵修復のワークショップの様子等を動画を交えて紹介して下さいました。地域の方たち、学生、全国からボランティアで集まった左官さんなどの笑顔で溢れています。「組織を開いて楽しむ」ことの大切さを繰り返し訴えられました。
ちなみに土蔵は、街並みの景観だけではなく、埃を遮断しなければならない輪島塗や酒造りにとって重要なインフラとのこと。しかし修復した土蔵も、多くは一昨年(2024年)の地震で再び損壊したそうです。
2024年能登半島地震後には、珠洲市にボランティア受入れのためのベースキャンプを開設。
その珠洲市の山間部(盆地)にある上黒丸集落は棚田が広がる豊かな里山でしたが、地震と豪雨被害により全住民が仮設住宅等に避難して「消滅」。ここを「アート×農林業」で復興するプロジェクトを進められているそうです。

第3部は洲崎さん、水野さんによるクロストーク。LINE等でオンライン参加者からも続々と質問が寄せられます。
NOTO hundreDの狙いについて、洲崎さんからは「現地を訪れて本人から直接話を聞いてもらいたい。100人と出会ってもらいたいとの思いから命名した」等の説明。
水野さんからは「頑張っている地域は女性が中心になっている。女性の方が受容力がある」
「食事を一緒に食事することは大事。『同じ釜の飯を食べる』ことで連帯感が醸成される」等の言葉も。
さらに洲崎さんは「震災と豪雨で大きな被害を受けた能登から、農業に関心のある人みんなで農業を再生していくモデル的な取組みを全国に発信していきたい」と語られました。

第4部は、洲崎さんによるNOTO hundreD の具体的な体験プログラムの紹介です。

一つは上黒丸での稲作体験講座。現地での5月の田植え、9月の稲刈りのほか、オンライン講座で構成されています。
二つめは「能登ビトを訪ねるタビ」。被災された柿、ブルーベリー、しいたけ生産農家を訪ねて交流するとのこと。
三つめは、能登の里山の豊かな恵みが毎月自宅に届く『能登の味覚定期便』です。

洲崎さんが提唱する「Farmer’s Village Noto」構想の内容は、以下のようなものです。
2030年末までに能登半島に200ha規模の農薬や化学肥料を使わない野菜、穀類、果樹などと畜産の一大生産拠点を作る。
若手農家の移住を図り学校給食などの食材として一括供給し、農家の所得安定を図る。
これらは文字にすると、正直、壮大すぎるとさえ感じられます。しかし洲崎さんの口から発せられる熱意ある言葉を実際に聞くと、本当に実現する可能性が高いことが確信されます。
その洲崎さんが「自分の言葉ではなく現地の方の言葉を直接聞いてほしい」と訴えるNOTO hundreD の体験プログラムは、さらに興味深い、刺激的な内容のものと思われます。
久しぶりに能登を訪ねたくなりました。
[以下、参考]
直前となりましたが、来る3月28日(土)、翌日に予定している「令和の百姓一揆」実行委員会代表である菅野芳秀さん(農業、山形・長井市)からお話を伺う会をハイブリッド開催します。
ご関心のある方は、以下からお申し込み下さい(先着順)。
https://peatix.com/event/4908199/
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