【メルマガ】F.M.Letter No.215

◇フード・マイレージ資料室 通信 No.215◇
 2021年4月12(月)[和暦 弥生朔日]発酵(?)
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◆ F.M.豆知識  水稲の生産/消費量の推移と人口予測
◆ O.カレント  輸入小麦の政府売渡価格の改定(値上げ)
◆ ほんのさわり ドキュメンタリ『いただきます2 −ここは、発酵の楽園』
◆ 情報ひろば  ブログ更新、イベント情報等
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 松山英樹選手のマスターズ優勝には感動しましたね。最近、女子ばかり目立っていたので男子の一人としても嬉しい限り。
 本メルマガは、時の流れを体感するため和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)に、登録下さった皆様に配信しています。

◆ F.M.豆知識
 食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータをコツコツと紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
 https://food-mileage.jp/category/mame/

−水稲の生産/消費量の推移と人口予測−

1993(平成5)年は記録的な冷夏と日照不足のため米は大不作に。需要を大幅に下回ることが明らかとなり、消費者の買いだめが広がるなどパニック的な「平成の米騒動」が発生しました。
 リンク先の図215の青い棒グラフは、1960年以降の米の生産量(水稲の収穫量)を表しています。
 1970年代には1300万トン前後の年もあった生産量は、豊凶の影響を受けつつも右肩下がりで推移し、「米騒動」の1993年には761万トンと大きく落ち込みました。その後も減少が続き、最近3年は1993年の生産量を下回っているのです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/04/215_kome.pdf

それにもかかわらずパニックが全く起こっていないのは、米の消費量が大きく減少しているためです。1960年代には1人年間120kg近くあったのが現在は50kg台前半と、実に4割近くの水準となっています(赤い折れ線)。
 これは畜産物や油脂を多く消費するという食生活パターンの変化を反映してたものですが、最近はコロナ禍により家庭内消費は増えたもののそれ以上に外食需要は減少しており、米消費量の減少ペースは加速しているのです。

さらに将来、人口が減少することは自明とされているなか(緑の折れ線グラフ)、米消費量の減少傾向はさらに加速するものと予想されます。
 国内における米の生産は、主要食糧の供給にとどまらず、資源・環境保全や地域の定住の促進など多くの役割を担っています。米の生産や消費のあり方について(輸出も含め)、国民的な議論が求められます。

[資料]
 農林水産省「作物統計」「食料需給表」、総務省「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」
 https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kome/index.html#r
 https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/fbs/
 https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2.html#series
 http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp_zenkoku2017.asp

◆ オーシャン・カレント−潮目を変える−
 食や農の分野で先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
 https://food-mileage.jp/category/pr/

−輸入小麦の政府売渡価格の改定(値上げ)−

米と並ぶ主要食糧である小麦は、需要量の9割を輸入に依存しているため、政府が自ら計画的に輸入すること(国家貿易)により安定供給を図っています。
 輸入小麦の政府から民間への売渡価格については、国際相場の変動の影響を緩和するため、6ヶ月間の平均買付価格をベースに算定し、年2回改訂を行っています。

小麦の国際価格は、最近、米国・カナダ産小麦に対する中国の旺盛な買付け、2月中旬の米国中央部の寒波による小麦生育への影響懸念などにより上昇しています。このため、2021年4月からの輸入小麦の政府売渡価格は、前期に比べて5.5%引上げられました。
 物価や家計への影響は限定的と考えられていますが、大手製粉メーカー等は製品の値上げを発表しています。
 食料を海外に依存することについては、世界の気象条件等により常に価格上昇等のリスクがあるのです。

(参考)
 農林水産省「輸入小麦の政府売渡価格の改定について」
 https://www.maff.go.jp/j/press/seisaku_tokatu/boeki/210310.html

◆ ほんのさわり
 食や農の分野を中心に、考えるヒントとなる本を紹介します。今回は映画です。
 (過去の記事はこちらに掲載)
 https://food-mileage.jp/category/br/

−ドキュメンタリ映画『いただきます2 −ここは、発酵の楽園』
 https://itadakimasu2.jp/

公式ホームページより(https://itadakimasu2.jp/)

この映画の製作(プロデューサー、監督、撮影、編集、デザインなど)を全て一人で担っているのが、オオタヴィンさん(愛知出身、東京・高尾在住の日本人の方です)。
 個人スタジオ「まほろばスタジオ」を主宰、「まほろば放送局」では毎月、映画の特別編など、“なつかしいミライ”に向かうための情報発信を続けておられます。

元大手広告代理店に勤務されていたオオタさんは、大病されたことをきっかけに食べものの大切さを痛感し、その経験を活かしてドキュメンタリ映画「いただきます1−みそをつくるこどもたち」を初監督されました。
 その続編が「いただきます2 −ここは、発酵の楽園」。
 全国で有機農業や自然栽培に取り組む生産者、子どもたちに土や食べ物の大切さを教える食農教育の様子、和食の給食に変更すると子どもたちの病休が減ったと語る幼稚園の先生、学校給食を有機化する取組み等が、みずみずしい映像と音楽で描かれています。
 そして、土の中で育つ食べもの、それを食べる私たちの体の中でも微生物(「菌ちゃん」)が働いていることが明らかにされます。私たちの体をつくる食べもの大切さを教えてくれる映画です。
 作成中の次回作「夢みる小学校」も楽しみです(クラウドファンディングも募集中)。

◆ 情報ひろば
 拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届します。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
〇 『いただきます ここは、発酵の楽園』上映会(東京・八王子)[4/5]
 https://food-mileage.jp/2021/04/05/blog-309/

〇 2021年4月のしごと塾さいはら(山梨・上野原市)[4/7]
 https://food-mileage.jp/2021/04/07/blog-310/

▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
 既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には必ず事前に主催者等にお問い合せ下さい。

○ 農村計画学会2021年度春期大会シンポジウム
 日時:2021年4月17日(土)13:30〜16:30
 場所:オンライン
 テーマ:コロナ禍における農山漁村地域とウィズコロナの農村計画
 主催:農村計画学会
 (詳細、問合せ等↓)
 http://rural-planning.jp/blog/2021/03/01/2021spring-symposium/

○ CCNE連続オンライン企画「原発ゼロ社会への道」第4回
  原発事故の健康影響はどうなっているのか?
 日時:2021年4月19日(月)17:00〜18:00
 場所:オンライン
 主催:原子力市民委員会
 (詳細、問合せ等↓)
 http://www.ccnejapan.com/?page_id=11776

○ CS福島シンポジウム 福島第一原発事故
  〜あれから10年、これからの10年〜
 日時:2021年4月25日(日)14:00〜17:30
 場所:オンライン及び会場(東京・世田谷区宮坂)
 主催:原発と人権 全国研究・市民交流集会 in ふくしま
 (詳細、問合せ等↓)
 http://cs-machi.com/?p=5727
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*米令寺忽々のコツコツ小咄。
「眺めていると、盗まれた時間が戻ってくるような気がするわ」
「桃(モモ)の花だけにね」

百花繚乱の山里は、まさに桃源郷でした。
 コツコツ小咄は拙ウェブサイトにも写真入りで掲載しています。
 https://food-mileage.jp/category/iki/

* 次号No.216は4月26(月)[和暦 弥生十五日]に配信予定です。
 より役立つ情報発信等に努めていきますので、読者の皆さまのご意見、ご要望をお聞かせ頂ければ幸いです。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつもありがとうございます。
 https://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
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