【豆知識】担い手の減少と新規就農

1960年頃には1200万人近くいた農業の担い手(基幹的農業従事者数;仕事が主で、農業が主)の数は、長期的に大きく減少し、さらに近年も減少を続けています。
 リンク先の図236の右側が、2010年以降における基幹的農業従事者数の推移です。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/02/236_sinki.pdf

これによると、基幹的農業従事者数は近年も平均して毎年5万人ほど減少しており、2021年では約130万人と、1960年頃の約1割強の水準となっています。また、65歳以上の者の割合が約7割を占めています。
 かつての高度成長期における担い手の減少は他産業への流出によるものでしたが、現在のは高齢者のリタイアなど自然減少が主要因となっているのです。

担い手を確保していくためには新規就農者の確保が必要です。
 この間の新規就農者数の推移を示したものがグラフの右側で、平均して約5.6万人(うち49歳以下の者の割合は4割弱)が新規就農しているものの、それでも担い手の減少を補える状況とはなっていません。

職業として農業を選択する新規就農者を確保するためには、様々な対策も講じられていますが(次の「オーシャン・カレント」欄はその一例)、将来にわたって農業を「仕事」として担っていく者の数を確保していくことは困難な状況となっているのが現実です。

[資料]
 農林水産省「農業構造動態調査」「新規就農者調査」
    https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kensaku/bunya1.html
 注:1) 基幹的農業従事者とは、仕事が主で、主に自営農業に従事した世帯員。
   2) 新規就農者とは、新規自営農業就農者、新規雇用就農者及び新規参入者の合計。

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
 No.236、2022年2月15日(火)[和暦 睦月十五日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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