【ブログ】Present Tree 笛吹芦川(山梨・笛吹市)

2月の稲の多年草化栽培大会で求めさせて頂いた「いせひかり」の籾を、しばらく水に浸けていたら根が出てきたので、2025年5月8日(木)、コンテナに土を入れて播いてみました。
 初めてバケツ(コンテナ)稲に挑戦、どうなることやら。

翌5月9日(金)の夕刻、東京・銀座の博品館で開催されたのは立川吉笑さんの独演会 (「伝統と革新の遺伝子」)
 かつて二ツ目に昇進された前後、高円寺の居酒屋さんの2階で開催された会に何度か参加させて頂いたことがあります。今回も、その居酒屋さんの女将さんが紹介下さいました(有難いことです)。
 6月の真打昇進を前にした「二ツ目最終章」の演目は、新作の「ぶくぶく」「声飛脚」と古典の「井戸の茶碗」。ますます腕を上げておられることに瞠目。談志、談笑の遺伝子を受け継ぐ吉笑さん、これからの落語会を背負って行かれる噺家になることを確信します。

5月11日(日)は「Present Tree in 笛吹芦川」の開催日。Present Tree のイベントには何度も参加させて頂いていますが、笛吹芦川は初めてです。
 快晴、気温も上昇するとの予報。

 立川7時53分発のあずさ3号(2号じゃなかった!)に乗車。車窓から富士山を眺めているうち、9時2分に石和温泉駅着。鈴木敦子理事長やスタッフの方が出迎えて下さいました。

2台のバスに分乗し、目的地に向かいます。
 車窓からは、棚式栽培されているブドウの果樹園などが見えます。峡東地域の果樹農業システムは世界農業遺産に認定されているそうです。

カーブの続く山道をかなり登ったところに、最初の目的地・日本すずらんの群生地がありました。笛吹高校植物研究部の先生と生徒さん達が待っていて下さいました。

白樺林の中の群生地をガイドして下さいました。生徒さん達が一所懸命、分かりやすく説明してくれます。
 吹きわたってくる爽やかな風が、汚れちまった私の心を浄化してくれるかのようです。

生憎とすずらんは小さな蕾しか観察できませんでした。昨年は開花していたそうですが、今年は一時期気温が下がるなどの天候不順が影響しているかも知れないということでした。
 すずらんは咲いていなくても、イカリソウ、クサボケ、フデリンドウ、チゴユリなどの可憐な姿が目を楽しませてくれました。

バスに戻って今年の植栽地に移動。すぐ近くには3年前の植栽地もあります。
 地元の方たち、高校生の皆さんが準備して下さったのは、山梨名物のほうとう。はるか八ヶ岳を望みながらの昼食が、お腹も心も満たしてくれました。いっとき、午後から植樹があることを忘れました。

13時前から開会式。鈴木敦子理事長の挨拶。
 芦川源流域のカラマツの伐採跡地に 地元植生の広葉樹を植え、100 年先まで存続する水源林を育てることが目的とのこと。
 この日は笛吹市長の誕生日だったのことで、鈴木理事長から植樹証明書をプレゼント。
 続いて地元の方たちの紹介。

 この日の参加者は、地元の方を含めて総勢160名と大人数です。子どもなど家族を連れて東京から参加された方、地元高校生の皆さんの姿も。ブナ、ヤマザクラなど4種類の広葉樹の苗木1000本を植樹する予定とのこと。

植栽地に移動して記念撮影の後、赤いヘルメットの中央森林組合の方が植樹の方法を指導して下さいました。
 鍬を使って20センチ四方・深さほどの穴を掘り(掘った土は遠くに飛ばさない)、そこにポットから抜いた苗木を入れて土をかぶせ、足で踏み固めます。斜面の下の方には土手を作り、水がたまるように工夫します。

8班ほどに分かれ、一人ずつ鍬を手渡して頂き、リーダー(森林組合職員)の方に先導されて植栽地に散っていきました。

 気持ちのいい高原での植樹作業がスタート。
 目印のポールと、ピンクのリボンを付けた苗木がすでに置かれています。穴掘りは、時折り頑強な植物の根っこや岩に当たりますが、おおむね土は柔らかく、作業は厳しくはありません。
 植樹よりも虫探しに夢中になっている男の子も。

1時間ほどで植樹は終了。
 閉会式では、協力企業である(株)昭文社、新生紙パルプ商事(株)の方からの挨拶も。昭文社さんはお土産に、山梨と昭文社(会社案内)のまっぷる等を全員に配って下さいました。会社案内の裏表紙にはPresent Tree等と連携した「森林育成応援プロジェクト」の説明が掲載されています。
 今回のツアーでも企業関係の参加者が多いという印象を受けました。バスで隣り合わせた男性も大手電機メーカーの方で、SDGs等の観点から森林に対する民間企業の関心が高まっていることが伺えました。

芦川農産物直売所 おごっそう家に立ち寄り。
 ここで野菜や手作りこんにゃくを買い求める人も。世界農業遺産に認定された旨のタペストリも飾られていました。

最後の訪問地は、マルス山梨ワイナリー。6種類プラス特別に「森を育むワイン」とのPresent Treeのラベルが張られた「石和甲州」白ワインを試飲させて頂きました。自宅用に1本、購入。
 貯蔵されているワイン樽なども見学することができます。

予定通り16時に石和温泉駅に到着、ここで解散です。今回も主催者/スタッフの皆様には大変お世話になりました。有難うございました。

 私は余裕を見て1時間後の特急を予約していたので、まずは駅前にある足湯をゆったりと堪能。
 続いてショッピングモール内の中華料理屋さんでビールなど、さらに地酒のワンカップを購入して(よく飲むな~)17時08分発のあずさ44号に乗車。

Present Treeの取組みの中でもモデル的とも感じられた笛吹芦川地域でも、高齢化と過疎化が進んでいるとのこと。土石流危険箇所や急傾斜地崩壊危険区域も多いそうです。
 豊かな自然の景観や生物多様性を保全していくためにも、伐採跡地への植林等の適切な森林管理が不可欠となっています。

(ご参考)
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
 https://food-mileage.jp/
 メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
 https://www.mag2.com/m/0001579997