【ブログ】自らを自然から隔離する私たち

2025年9月11日(木)、関東地方はものすごい雷雨に見舞われました。都心でも河川が氾濫、交通にも乱れ。東京・小平市ではマンホールの蓋が吹き飛んで道路と通行中の乗用車が破損。気候が毎年激しく、凶暴になっています。
 自宅の半地下の車庫も50㎝以上浸水したようで、「みんなの椅子」の看板もドロドロに。
 ちなみに自宅玄関前のプランタのスダチは、今年は猛暑のせいか全く花が咲かず実もつかず。生産できたのは揚羽蝶だけです。

さて、9月13日(土)付けの日本経済新聞2面には、水産物の陸上養殖が大きく拡大しているとの特集記事。ローカル面には千葉・いすみ市等の事例も。
 初期投資や電気代がかさむものの、温暖化による海温上昇など環境に影響されにくく安定供給しやすいというメリットがあるとのこと。自然環境から隔離し、人工的に気温や日照等の環境をコントロールして食料を生産するという技術は、いわゆる植物工場とも共通するものです。

出所:日本経済新聞電子版

同日付の紙面には、JR東日本の子会社が新駅・高輪ゲートウェイ駅直結の大規模商業施設がオープンしたとの記事。驚いたのは、最上階に設けられたという「空中庭園」。500本以上の植物が配置され、さらに30台以上のスピーカーによる立体音響によって「くつろげる」空間を演出しているとのこと。
 どんなところか、一度、訪ねてみたいと思わなくもありませんが、現代文明は、とうとう自分達まで自然から隔離して、表面的な快適さ(快楽)を求める方向に進んでいるようです。

 ある高級リゾートホテルのグループが、貸し切りのラウンジから鑑賞するためだけに棚田(のようなもの)を整備したというエピソードを思い出しました。

ニュウマン高輪のHPより。

さらに翌9月14日(日)付けの日本経済新聞の一面トップには、都市で雷の発生が増えているとの記事。背景にはヒートアイランド現象があるとのことで、確かに地表をコンクリートやアスファルトで固め、がんがんエアコン等を稼働させるなどして大量のエネルギーを消費すれば、気温が高くなるのは当然です。先日の雷雨による被害も、自業自得のようなものかもしれません。
 また、13日(土)付け朝日新聞には、地球温暖化によりコーヒーの適作地が半減する危機にあるとの書評も(武田 淳『コーヒー2050年問題』)。

以前に読んだ河合雅雄『子どもと自然』(1990年3月、岩波新書)という本を思い出しました。

現代の(35年前の本ですが)子どもたちは、森や道路など「仲間と遊ぶ場」から駆逐されて家の中に閉じ込められ、あたかも家畜のように精神を衰弱させられていると警鐘を鳴らしています。

そして、「われわれが住んでいる地球という星が、36億年もの悠久の時間をかけて創り出した様々ないのちが目の前にある。その中に自分の存在を位置付けて考えるとき、いのちの不思議と畏敬の念が呼び起こされるであろう。永遠のいのちの相にふれること、そんな機会を、子ども時代にぜひ持ちたい」と記しているのです。

 子どもに限らず、このまま自らを自然から隔離していく方向に進んでいる私たちの文明の姿は、資源やエネルギーの多消費により地球温暖化を招くだけではなく、人間そのものを、著者の言う「ぬきさしならない危険な状態」に陥らせ、「自らの手で墓穴を掘りかけている」のではないかと危惧するのは、私だけでしょうか。

(ご参考)
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