-日本ペンクラブ編(吉田千亜、桐野夏生、鈴木達治郎、朽木 祥、浅田次郎、野上 暁、橋爪 文、青木美希、落合恵子、吉岡 忍、金平茂紀、ドリアン助川)『原発回帰を考える-3.11から15年目の大転換』(2026.2、集英社新書)-
https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1299-b/
【ポイント】
エネルギー政策が原発を最大限活用する方向に大転換するなか、日本ペンクラブの会員有志による様々な立場からの「原発回帰」に対する警告の書です。

広島・長崎への原爆投下から80年という節目の2025年、日本は原子力発電を最大限に活用する方向にエネルギー政策を大転換しました。本書は、同年に創立90年迎えた日本ペンクラブの会員有志(作家、ジャーナリスト、詩人、研究者等)による様々な立場からの「原発回帰」に対する警告の書です(以下、敬称略)。
冒頭、日本ペンクラブ会長の桐野夏生は、被爆者や避難者など「核(放射能)の被害者の苦しみを共有することは唯一の被爆国・日本の意地ではなかったか」とします。
吉田千亜(ライター)はイノベーション・コースト構想の危険性(軍事化との関わり)を告発し、鈴木達治郎(長崎大学)は原子力政策の根本的見直しを提言しています。金平茂紀(ジャーナリスト)は、「原子力利用は隠蔽とねつ造の歴史」であると断じ、青木美希(ジャーナリスト)は「報道が再び原発事故に加担してはならない」と記しています。
落合恵子(作家)の「わたしたち高齢者こそ、異議申し立ての姿を次の世代に見せたいと思いませんか」との言葉には心励まされました。
ドリアン助川の「忘却の果てに」と題する長い詩も収録されています。
「東京の礎は コンクリートや鉄ではなく 忘却である」に始まり、「忘れることは 生きていくための方法でもある」としつつ、最後は「だが 忘れてはいけないこともあるだろう」と結ばれます。
去る2月16日(月)に東京・渋谷で開催された出版記念イベントでは、本人による迫力ある朗読があり、参加者の胸を打ちました。
先日の総選挙では原発の再稼働のみならず新増設まで主張する与党が圧勝し、ますます「原発回帰」の流れが加速しそうです。桐野会長が書かれているように「我々は世界が壊れようとしている淵に立っている」のかも知れません。
[参考]拙ブログ(『原発回帰を考える』『ロッコク・キッチン』)
https://food-mileage.jp/2026/02/20/blog-624/
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.336、2026年3月3日(火)[和暦 睦月十五日]
https://food-mileage.jp/2026/02/11/letter-334/
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