【豆知識】避難地域12市町村の居住率の推移

【ポイント】
 東京電力・福島第一原発の事故に伴い発出された避難指示の解除が遅かった市町村の居住率は、15年目の現在も低い水準にとどまっています。

2011年3月11日、東京電力・福島第一原子力発電所の事故の発生を受けて政府は原子力緊急事態宣言を行い、原発周辺の市町村に避難指示を発出しました。これら市町村の住民は、住民票もそのままに避難を余儀なくされました。その後、避難指示の区域は次第に縮小され、避難先から帰還する住民も増加しています。
 リンク先の図336は、避難指示が出された福島・浜通り地方の12市町村(一部地域)の居住状況(居住率の推移)を示したものです。なお、居住率とは、住民基本台帳に登録されている人口に対する現に居住している者の数の割合です。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2026/03/336_fukushima.pdf

原発事故から10年後の2021年以降の居住率の推移を図示していますが、各市町村とも徐々に上昇していることが分かります。特に広野町、田村市(都路地区)、川内村は2025年11月1日時点で80%を超えており、次いで楢葉町、南相馬市(小高区等)は60%を、川俣町(山木屋地区)は50%を上回っています。これら市町村は比較的早い時期に避難指示が解除されたこともあり、現在は事故前の住民数の半数以上が居住していることが分かります。
 一方、残りの6市町村の居住率は現在も50%を下回っています。うち葛尾村、飯舘村は30%を上回っているものの、避難指示の解除が遅かった双葉町(2020年に一部解除)は3.9%、大熊町(2019年に一部解除)は10.8%にとどまっています。なお、現在も避難指示が継続している帰還困難区域の面積は約309平方kmとなっています。

このように、原発事故から間もなく15年目を迎える現時点においても、まだまだ住民の避難先からの帰還が進んでいない地域があるのです。
 なお、居住者には帰還者だけではなく移住者も含まれます。居住者に占める移住者の割合は、例えば富岡町では62%、大熊町では69%となっており、移住者の方が多い状況にあります。このことは、かつての住民の帰還は数字以上に低い水準にとどまっている一方、移住して起業する若者などもいることを示しています。

[データの出典]
新生ふくしま復興推進本部「復興・再生のあゆみ」(福島県ホームページ)各版から作成
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/ps-fukkoukeikaku1151.html

[参考]
避難指示区域の概念図(経済産業省ホームページ)
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu/hinanshiji/2025/250401_hinansijikuikinogainen.pdf

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.336、2026年3月3日(火)[和暦 睦月十五日]
 https://food-mileage.jp/2026/02/11/letter-334/
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