【オーシャン・カレント】「都市アリ地獄説」

【ポイント】
 歴史人口学者の速水 融氏は「大都市は周辺の地域から人を引き付けておいて高い死亡率で人を殺してしまう」という「都市アリ地獄説」を唱えています。

以前にも紹介しましたが、歴史人口学者の速水 融(あきら)氏が唱えているのが「都市アリ地獄説」です。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】「稲は人の足音を聞いて育つ」

【ポイント】
 田んぼに一日に何度も足を運ぶことの大切さを表す、古くから言い伝えられてきた言葉です。

撮影地:新潟・上越市大賀(2016.7/31、2018.8/11)

撮影地:新潟・上越市大賀(2016.7/31、2018.8/11)

元々の出典は不明ですが、田んぼに足しげく通い、稲の生長の様子、田んぼの水深、けい畔の様子等を自らの目で確かめ、必要に応じて水量の調節や草刈りなどの手間をかけることの大切さを表した言葉として、広く知られています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】つなぐ棚田遺産

【ポイント】
 「つなぐ棚田遺産」とは、代表的な農村景観ともいえる棚田を保全・継承していくための取組みで、現在、全国で271か所が認定されています。

山や谷間の傾斜地に階段状に作られた棚田は、美しい農村景観の代表の一つです。日本の棚田の多くは長い歴史を有し、国民への食料供給にとどまらず、国土の保全、水源の涵養、生物多様性の保全、良好な景観の形成、伝統文化の継承等に大きな役割を果たしてきました。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】「廃炉」が完了するのはいつか

【ポイント】
 仮に当初の計画通りに進んでも「廃炉」が完了するまで今後30年程度を要します。さらに、核燃料デブリの取り出しは着手すらできていないなど、不透明さを増しています。

「中長期ロードマップの進捗状況」(2024.2/29、廃炉・汚染水・処理水対策チーム会合資料)より。

「廃炉」とは、原子力発電所の原子炉の運転を終了させ、施設を解体し、放射性廃棄物も処分してリスクのない状態に戻すことを指します。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案

【ポイント】
 「農政の憲法」とも呼ばれる食料・農業・農村基本法の改正案が、現在、国会において審議されています。

1999年、それまでの農業基本法に代わって食料・農業・農村基本法(以下、「基本法」と呼びます。)が制定されました。食料自給率の目標を含む食料・農業・農村基本計画を5年ごとに策定することを規定しているなど、「農政の憲法」と呼ばれることもあります。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】東京・東村山市の市民農園

【ポイント】
 私自身、東京・東村山市にある自宅近くの市民農園の一画を利用させて頂くことで、農作業の辛さと喜び、自然の恵みの有難さ等を実感しています。

利用させて頂いている市民農園の一画。左は2023年10月3日の様子、中央は初チャレンジ・菌ちゃん農法の畝(よ9/19)、右は福島・いわき由来のコットンの花(8/14)

私が住んでいる東村山市(東京・北多摩地方)には、市が開設した市民農園が3か所(合計で211区画、8,849平米)あります。1区画当たりの面積は約30平米、利用料は年間18,000円で2年毎に更新、抽選倍率は1.5〜2.3倍となっています。
 なお、このほかに農業者自らが開設している市民農園が3か所、園主の指導の下に利用者が農作業を行う農業体験農園が7か所あります。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】「能登はやさしや土までも」

【ポイント】
 やさしいはずの能登の大地が、今回は牙をむきました。被災地では、厳しい現実を前に被災者同士が助け合っている様子も報じられています。

国立国会図書館デジタルコレクションより。

「能登はやさしや土までも」という美しい言葉があります。
 能登では人だけではなく風土までも優しいという意味ですが、現実には深い雪に閉ざされるなどの厳しい自然環境の下で、互いに支えあいながら暮らしてきた能登の人びとの強さと温かさを表している言葉です。… 続きを読む

【オーシャン・カレント281】「神の見えざる手」

【ポイント】
 アダム・スミスは、このよく知られた言葉を一度も使ってはいません。

『国富論』とアダム・スミス像(英・エジンバラ市)

「豆知識」欄では、価格と量は市場メカニズムによって決定され、その均衡点において社会的余剰は最大となることを説明しました。
 しかし、実は生産者も消費者も、社会的余剰が最大になることを目指して行動している訳ではありません。企業も消費者も、自分自身の「利益」を最大にするという「利己心」に基づいて自由に行動するだけで、「見えざる手」によって社会全体の利益が最大になるのです。 … 続きを読む

【オーシャン・カレント280】仁井田本家「おだやか・雄町」

【ポイント】
 仁井田本家の「おだやか・雄町」は、南相馬市小高区の酒米を使うことで、福島と日本の田んぼを守っています。

左は仁井田本家HPより。右の写真は根本有機農園(2023.11/12)

福島・郡山市で300年以上続く酒蔵・仁井田本家(にいだほんけ)は、自らの使命を「日本の田んぼを守る酒蔵になる」としています。
 酒米の全量は自社田及び契約栽培農場で生産した自然栽培米で、水も100%が天然水とのこと。農業生産法人も設立し有機JASの認定も取得しています。蔵には直売所やギャラリーが併設されており、感謝祭や「田んぼのがっこう」など様々なイベントも開催しています。… 続きを読む