F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信- No.015

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◇◆◇ F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信− ◇◆◇

     No.15 ; 2013.3/12(火)[旧暦 如月朔日]発行

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 北日本は大荒れ、関東以西は「夏日」から一転して「煙霧」と気温の

急低下。花粉飛散に加えて黄砂と微小粒子物質も。

 そして、大震災から丸2年が過ぎました。

 時の流れを感じ取って頂く一助とするため、旧暦の毎月1日と15日に配

信している本メルマガ、今号は旧暦 如月朔日(新月)の配信です。

 


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  F.M.豆知識

   3 フード・マイレージを考える背景

  (4)「私たちの食の激変の悪影響」の考え方

 

  フード・マイレージを始めとする食や農に関わる話題について、毎

 回少しずつ取り上げていきます。

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 前回は、この半世紀の間、私たちの食生活の内容(何を食べるか)が、

激変したことを紹介しました。

 すなわち、食の外部化・簡便化が急速に進行するとともに、米の消費

が半減する代わりに畜産物や油脂の消費が数倍に増加したのです。また、

このような食の変化は、基本的に私たち自身の選択の結果であるという

ことも述べました。

 

 これらの食の「激変」は、現在の私たちの生活や社会に、様々な悪影

響を及ぼしているのですが、その内容は、3段階位(3種類のレベル、あ

るいは視線の高さ)に整理することができます。

 

 第1の段階は、自分自身、あるいは家族の健康や食生活に直接関係する

分野です。

 ここでは、栄養バランスの崩れ、それに伴う生活習慣病等の増加、さ

らには食への不安感の高まりといった問題をあげることができます。

 

 第2の段階は、少し視線を高くして、身の回りや、社会全体を見渡した

時に見えてくる問題です。

 ここでは、日本全体の食料供給の問題(食料自給率の低下)や、地域

の農業や農村の問題(農業の担い手の高齢化、耕作放棄地の増加)、コ

ミュニティに関わる問題(過疎や限界集落、あるいは都市を含む無縁社

会)があります。

 

 第3の段階として、背伸びをして、さらに視線を高くすると、ようやく

水平線の向こう側から見えてくる問題があることに気づきます。

 つまり、現在の私たちの食生活のあり様が、地球規模の資源や環境に

負荷ないし悪影響を及ぼしているという点です。砂漠化が進みつつある

世界の多くの土地や水を使い、さらに大量長距離輸送に伴う二酸化を排

出しているという問題です。

 

 第1の段階の問題は私たち自身に直接関わるもの、第2段階の問題は私

たちの住む地域あるいは日本に限られたものです。

 しかし実は、私たちの「食の選択」(何を食べるか)は、地球規模の

資源や環境ともつながっているのですが、最後の問題については、ふだ

ん私たちは余り意識してはいません。

 

 次号以降、これら私たちの「食」がもたらしている様々な問題点につ

いて、身近なものから、順次、考えていきたいと思います。

 

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  オーシャン・カレント −潮目を変える−

 

  食や農の閉塞感を打ち破るためのユニークな活動や、それに取り組

 んでおられる方達を紹介するコーナーです。

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 特定非営利活動法人「福島県有機農業ネットワーク」(略称「ふくし

ま有機ネット」)は、福島県内の有機農業に関わる農業者、消費者、研

究者・技術者、農業団体や行政などが連携し、有機農業のさらなる発展

をめざすネットワークです。

 

 もともと福島県は、日本の中でも有機農業の取組が盛んな地域の一つ

で、農業者間の技術交流等を目的とするネットワーク活動がありました。

 そして20013月の大震災と原発事故後は、放射能問題に正面から立ち

向かうことが、本NPOの重要な活動の柱となっています。

 

 例えば、生産者と消費者との交流事業等に積極的に取り組んできてお

り、特に20123月に開催した「農から復興の光が見える!福島視察・全

国集会」は、シンポジウムと交流会、現地視察を内容とするもので、全

国から約350名の生産者、消費者、研究者等が参加しました。

 

 また、大学の研究者等と共同して放射能汚染の実態や除染技術等に関

する研究を進め、丁寧に土づくりされた農地では、作物への放射性物質

の移行が抑制されている実態とそのメカニズム等を解明しており、その

成果の一部は『放射能に克つ農の営み−ふくしまから希望の復興へ』

2012.3、コモンズ)に盛り込まれています。

 

 さらに、独自に放射能測定機器を設置し、会員の生産物の測定を行う

とともに、あわせて講習会の開催など人材養成も行っています。

 

 理事長の菅野正寿(すげのせいじ)さんは、二本松市東和地区の中山

間地において、永く有機農業と地域づくりに取り組んでこられた方です。

今は全国各地で、あるいは海外でも、福島の実態を訴え続けておられま

す。

 

 そして「ふくしま有機ネット」は、新しい取組を始めました。

 316日(土)、東京・下北沢に「ふくしまオルガン堂」をオープンす

るのです。

 カフェ、直売所だけではなく、福島と東京との交流の窓口、福島から

避難されている方達の交流の拠点も兼ねており、多くの方に足を運んで

頂きたいとのことです。

 

 「ふくしま有機ネット」ウェブサイト

  http://www.farm-n.jp/yuuki/

 

 菅野正寿・長谷川浩編著『放射能に克つ農の営み』(2012.3、コモンズ)

  http://www.commonsonline.co.jp/houshanou_katu.html

 

 「ふくしまオルガン堂」FBページ

  http://www.facebook.com/pages/%E3%81%B5%E3%81%8F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%B3%E5%A0%82-%E4%B8%8B%E5%8C%97%E6%B2%A2/379790128786656

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  情報ひろば

 

  食や農に関わるセミナーや勉強会の情報、拙ウェブサイトやブログ

 の更新情報、各種イベント等の開催情報等をお知らせします。

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  ブログ「伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報

 

 224日付け 学校給食の現場で。

  石川・志賀町学校給食共同調理場の栄養教諭、堀栄子先生が発行さ

 れている「給食だより・すくすく」から、学校給食の現場のご苦労や

 心温まるエピソードを紹介させて頂きました。 

  http://food-mileage.jp/2013/02/24/

 

 32日付け 福島「健康に対する権利」に関する国連調査 

  本年6月、福島「健康に対する権利」についての国連人権理事会の勧

 告が出される予定とのこと。昨年11月に専門家が来日し調査されたそ

 うです。多くの方に知ってもらいたいと思います。

  http://food-mileage.jp/2013/03/02/

 

 35日付け 各地の美味しいもの

  日本各地には美味しいものがたくさんあります。近江八幡、京都、

 水俣、そして東京・神田で頂いた青森・佐井村のごちそう。

  歴史や風土に根差した私たちの財産です。

  http://food-mileage.jp/2013/03/05/

 

 310日付け 農山村と都市の市民をつなぐ

  有楽町で開催されたCSOネットワークのシンポジウム「地域資源循

 環型農村と都市の市民をつなぐ〜実践から学ぶ、共生のあり方〜」。

  間もなく大震災から丸2年、福島では今も15万人が避難中です。

  http://food-mileage.jp/2013/03/10/

 

 311日付け 2013311

  大震災から2年の時間が経過しました。日比谷公園で開催された

 「ピース オン アース」では鎮魂のためのキャンドルが灯されまし

 た。ところが帰宅してテレビをつけようとすると・・・。

  http://food-mileage.jp/2013/03/11/

 

 管理者が参加予定または関心のあるイベント等を紹介します。

  満席等となっている場合がありますので、参加を希望される方は、

 必ずお問い合せ下さい。

 

 秋そば栽培シリーズ第7

  「味噌づくり・豆腐づくり・竹かごづくり」

 日時:316日(土)〜17日(日)(日帰り参加も可)

 場所:羽置の里 びりゅう館(山梨県上野原市西原6931

 主催:しごと塾さいはら

 (詳細、申込み等

  http://shigotojyuku-saihara.jimdo.com/2013/02/18/2013316-17味噌豆腐竹かごづくり/

 

 小川和紙未来フォーラム+まちあるき

 日時:317日(日)

  9:30〜まちあるき、11:3012:30試食昼食会、13:30〜フォーラム 

 場所:[まちあるき集合]べりカフェつばさ・游

       (埼玉県小川町大塚1186、電話090-4453-6355

     [フォーラム]埼玉伝統工芸会館(小川町小川1220

 主催:小川和紙活性化委員会

 (お問合せ等)Info(アットマーク)@ogawawashi.jp

 

 あっぱれ野菜!STUDY & CAF_ vol.12〈江戸東京野菜編〉

 「江戸東京野菜がつなぐ江戸時代の食と今の食」(講師 大竹道茂さん)

 日時:317日(日)11:3013:30

 場所:楠公レストハウス(千代田区皇居外苑1-1

 主催:NPO法人ミュゼダグリ

 (詳細、お問合せ等

  http://www.musee-d-agri.org/PDF/S-C_130317.pdf

 

 ヤオヨロズの民主主義でいこう

  〜参加型民主主義を知って話して動かす日〜

 日時:317日(日)13:0018:00

 場所:日本財団(港区赤坂1-2-2

 主催:アースデイ東京、地球サミット2012Japan

    ワールドシフトネットワークジャパン

 (詳細、お問合せ等

  http://kokucheese.com/event/index/76040/

 

 グリーン・エコノミーシンポジウム 都市に生命を、おカネに意志を!

  〜農と志金で東京を変えるための100人対話〜

 日時:320日(水・祝)13001700

 場所:西武信用金庫本店8階ホール(中野区中野2-29-10

 主催:国際青年環境NGO A SEED JAPAN

 (詳細、お問合せ等

  https://www.facebook.com/#!/events/477397198982658/

 

 春を祝おうおいしくお花見@東京綾瀬

 日時:331日(日)12:00 16:00

 場所:小菅東スポーツ公園(葛飾区小菅3-1-1

 主催:週末農風×共奏キッチン(共同開催)

 (詳細、申込み等

  http://www.facebook.com/events/list#!/events/602070803153915/

 

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 F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】 

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  発行者:中田哲也(フード・マイレージ資料室 主宰者)