【ブログ】市民研の相談会、雨の太田道灌の史跡めぐり

2020年10月19日(月)は、終日、冷たい雨。

 19時からオンラインで開催されたのは、NPO市民科学研究会主催の第1回市民科学相談会
 科学や技術に関連する事柄についての疑問や不安について、リクエストに応じてオンラインで話し合おうという会。
 今回は上田代表の提案で、例年、食事付きで開催しているクリスマス会または新年会を、オンラインでどのように楽しく開催できるかというアイデア出しが行われました。

クリスマス会等は、シェフ役の方たちが準備して下さる食事を頂きながら、参加者の取組等について報告や意見交換などを行う楽しい会で、私も何度か参加させて頂いています。
 今年は、コロナの影響で会場が使えない等の理由で、残念ながらオンラインでの開催になるとのこと。

 海外も含めて離れたところからも参加しやすいなど、オンラインならではのメリットを活用すべしといった意見が出されました。私からは、NPO農商工連携センター(ちよだいちば)主催の「西伊豆ちょい飲み」を参考に紹介させて頂きました。
 出されたアイデア等は、その場でH理事がメモ起こしして下さいました。どんな会になるか、楽しみです。

 なお、次回の市民相談会は10月30日(金)19時から。
 「まち歩き」の際のコロナウイルス感染対策について、カルチャー教室でまち歩き講座等を担当されている眞鍋じゅんこさん達と一緒に考えるという内容です。
 参加申し込みやテーマのリクエストは市民研のウェブサイトから(参加費無料)。

さて、当日の昼間。冷たい雨が落ちています。
 自宅近くの空き地では見事な背高泡立草の群落。嫌われ者とされますが、外来種だからといって差別するのは不当かも。
 花水木は赤い実をたわわに付けています。こちらは北米原産です。

 向かったのは、地元からもほど近い中野区沼袋。久しぶりの太田道灌の史跡巡りへ。

© Google Map

中世・関東の武将、政治家、歌人として著名な道潅の史跡を、これまでも何度か訪ねてきました(生越井草川越など)。この日はあいにくの雨ながら(雨ならでは)、近場を短時間で回ろうという行程。

 14時過ぎに西武新宿線・沼袋駅に到着。駅周辺は「開かずの踏切」対策の地下化工事中です。
 線路に沿って徒歩5分ほどで沼袋氷川神社に到着。雨の中、晴れ着の七五三の家族の姿も。

ここは文明9(1477)年、太田道灌が石神井城(現在の石神井公園)に本拠を置く豊島氏を攻める際に陣を置いたところとされています。

 その際に道潅が植えたとされる道潅杉が残っていたのですが、残念ながら1944年(昭和19年)頃に枯れてしまい、碑だけが残されていました。

境内を出て北西に向かいます。かなりの下り。高台に陣が置かれたことが分かります。

 住宅の間に見事な銀杏の木が見えてきました。貞治元(1362)年に開かれたと伝えられる禅定院です。
 その北にあるのが百観音明治寺。120体以上の観音石仏は壮観です。

 いったん新青梅街道に出て、すぐ隣にある丸山塚公園へ。
 この片隅にある小さな祠が豊島二百柱社。後述する江古田原の合戦は大きな戦だったようで、敗れた豊島氏側の将兵の多くが討ち死にしました。その犠牲者をを祀り弔う「塚」がこの辺りには多数あったそうで、昭和に入って宅地化や開発が進む中、遺骸をまとめて祀った祠だそうです。

公園の向かい側、マンションや商店の間の狭いスペースに祀られているのが、延命地蔵尊。

 ここも江古田ヶ原の合戦による戦死者の鎮魂のために、地元の方たちにより建立されたそうです。小ぶりな祠は提灯や照明で飾られ、お地蔵さまも綺麗な着物に包まれていました。毎年春には祭りも行われているそうです。
 ちなみに石碑に刻まれているのは、江古田音頭の歌詞。今も地元の方たちに親しまれ愛されているお地蔵さまです。

トラックなど交通量が多い新青梅街道を、東に向かいます。
 やがて妙正寺川の流れが見えてきました。コンクリート護岸された都市河川ですが、なかなかの水量があります。

 そのほとりの公園内に、江古田原の合戦跡の大きな石碑がありました。
 説明板によると、この地で太田道灌と豊島泰経らが戦ったのは文明九(1477)年のこと。当時の関東は享徳の大乱の真っただ中にあり、関東公方方の豊島氏は、関東管領・上杉方の有力武将である太田道灌にこの地の会戦で破れ、さらには本拠の石神井城も落とされて衰亡。武蔵一帯は道潅(その主君の扇谷上杉氏)の勢力下に入ったのです。 

 分岐して流れる川が、当時の地勢を想像させてくれます。

妙正寺川に沿って少し南へ歩くと、北野神社がありました。
 ここでは、弓で的を射てその年の豊凶を占うという「おびしや」という神事が行われていたとのこと。伝統はわずかに説明板に残されているばかりです。

隣接する哲学堂公園へ。
 哲学者の井上円了により明治37年に創設された公園では、冷たい雨の中、哲学者の皆さんが思索(?)されていました。ほとんど人の姿はありません。 

新井薬師前駅に到着したのは16時過ぎ。
 雨の中の2時間弱の短い旅でしたが、かねて来たかった場所を何か所か訪ねることができました。