【ブログ】新規就農者の方たち

2018年12月8日(日)午後は、東京・市ヶ谷へ。眩しい青空。

メトロの駅近くにあるDNPプラザは、大日本印刷が運営する体験型施設。書店やカフェ、日本のアニメ文化の発信拠点・東京アニメセンターもあります。

前日とこの日、このスペースの入り口すぐの一画で、山梨・北杜市の「北の杜(きたのもり)FARM」の野菜即売会が行われました。… 続きを読む

【ほんのさわり】古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』

-古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』(2018.2、新潮文庫)-
 https://www.shinchosha.co.jp/book/306073/

作者は1966年、福島・郡山市生まれ。実家はシイタケ農家で、原発事故の際には出荷制限を課されたそうです。
 2011年3月11日、作者は取材のために京都市に滞在していました。
 最初は「関西でも長い地震はあるのだな」と感じただけでしたが、ホテルに戻ってテレビを付けたとたん画面に釘付けになります。火柱を噴き上げるコンビナート、水没した空港の滑走路、茶色い濁流に呑み込まれる無数の車輛・・・。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】浪江まち物語つたえ隊

福島県浪江町(なみえまち)は、2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故により、全ての町民が避難を強いられました。

翌2012年、避難先の仮設住宅で暮らしていた町民の方たちが立ち上げられたのが、浪江まち物語つたえ隊です。
 帰れない故郷の記憶、地域に伝わる昔話、東日本大震災や原発事故の体験等を、風化させないように紙芝居を通して伝えるという活動を始められたのです。

仮設住宅から始まった活動は、賛同した避難先の住民の方たちも加わるなどして次第に広がっていきました。
 紙芝居に加えてアニメーションも制作し、日本国内各地のみならず、海外においても上演・上映が行われています。… 続きを読む

【豆知識】福島県を訪れる観光客数の推移

リンク先の図111 は、福島県内の観光地を訪れる観光客の人数(入込客数、宿泊客と日帰り客の計)の推移を示したものです。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/12/111_f_kanko.pdf

これによると、2005年以降、観光客数は緩やかに増加し、2010年には5,713万人となりましたが、東日本大震災の発生と東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響により、2011年には3,521人と4割近く減少しました。
 福島県では観光業も大きな打撃を受けたのです。… 続きを読む

【ほんのさわり】網野善彦『日本社会の歴史』


-網野善彦『日本社会の歴史』(上、中、下、1997.2、岩波新書)-
 https://www.iwanami.co.jp/book/b268321.html

前項(オーシャンカレント欄)のとおり、米(稲作)は日本の歴史において重要な地位を占めていますが、これについては異論もあります。その代表がいわゆる「網野史観」です。
 日本中世史を専門とする網野は、非農業民(漁民、職人など)に着目することで、日本を農業国家とする通説(農本主義)に異を唱えました。また、稲作祭祀を司る天皇の支配権力が及ばない「無縁、公界、(くがい)、楽」等の存在も明らかにしています。

本書下巻の最終章では、痛烈な「農本主義」批判が展開されています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】新嘗祭(勤労感謝の日)


 明日(11月23日)は勤労感謝の日。戦後(1948年)制定された祝日法では「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」国民の祝日とされています。

この日は、もともと宮中行事である新嘗祭(にいなめさい、しんじょうさい)が行われる日でした。
 新嘗祭とは、天皇が米を始めとする新穀を神に捧げ、自らも食することで、収穫に感謝するとともに、毎年の稲作豊穣を祈るというもので、宮中行事の中でも最も重要な儀礼とされています。
 また、新たな天皇が即位して最初に行う新嘗祭は、特に大嘗祭(だいじょうさい)と呼ばれ、天皇の代替わりに伴う国家最高の儀式とされています。

新嘗祭・大嘗祭は、天武天皇(在位673~686年)の頃に始まりました。… 続きを読む

【豆知識】現代高校生の朝ごはん

日本における米の消費量は長期的に減少を続けています。
 年間1人当たり消費量は、戦後のピークであった1962年の118kgから2018年には54.4kgと、半分以下になっています。全国ベースでみると、毎年8万トンずつ需要量が減少しているのです。

そのようななか、若い世代に「ご飯」回帰が進んでいる可能性を示す興味深い調査結果があります。
 農林中央金庫では、各世代を対象に食に関する調査を継続して実施していますが、2017年には高校生を対象に、“食”に関する意識と実態を探るための調査を実施しました。調査対象は東京近郊の400人(男女各200人)です。
 また、同様の調査は2006年、2012年にも実施されていることから、この間の意識の変化を探ることもできます。… 続きを読む