「江戸コン」第2期修了式

 12月8日(土)、東京農工大(府中)での全国有機農業学会大会は午前中のセッションだけで失礼。
 道に迷って遠回りして、ようやくJR武蔵野線の北府中駅に戻り、西国分寺で中央線に乗り換えて東小金井駅に降り立ちました。ここも、眩しいような冬の陽射しです。
 この日は、「江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座」(第2期)の第7回(最終回)の講座と修了式の日です。
 10月からほぼ毎週土曜日に開催された連続講座の最終回は、小金井市東町の生産者・井上誠一さんの「畑見学会」です。
 ところが、もらっていた地図を忘れてきて、大体の位置は頭に入っていたので歩き出したのですが見つかりません。30名もの参加者がいるのだから少々遠くからでも分かるだろうと思ったのですが、田舎とは違って住宅地の中にあるため見通しがきかないのです。
 1日に2度も道に迷ってしまいました。
 途中、西武多摩湖線の新小金井駅前に出たところで事務局の方に電話し、道順を教えてもらうことにしました。
 余談ながら、ちょうどその時に駅前に選挙カーが到着。降り立って演説を始めたのは前総理でした。
 拡声器での演説の声の中、電話で教えてもらった場所は、歩いてきた道のすぐ先でした。結局、約30分の遅刻です。
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 住宅地に囲まれて比較的広い農地が広がり、数棟のハウスが並んでいます。間には堆肥を作っている施設もあります。
 ハウスの前に集まった受講者に向かって、井上さんが説明されている最中でした。
 井上誠一さんは、地域の中核的な農業の担い手として、意欲的な経営に取り組んでおられます。様々な新しい品種を積極的に試し、江戸東京野菜も周囲の農家に先駆けて栽培を始められたそうです。また、漬け物加工にも取り組んでおられるとのこと。
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 さらには、給食の食材として提供している小学校等における食農教育の出前講座、食育シンポジウムでの講演など、幅広く活動されています。
 ハウスの中では、江戸東京野菜の1つである金町こかぶと、紫色が目に鮮やかな「あやめ雪」という品種の小かぶが栽培されていました。
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 時間がきて事務局の方が打ち切ろうとしても、熱心な質問はなかなか途切れません。
 これまでの6回の座学で色々と江戸東京野菜の勉強をしてこられた受講者の皆さん、実際の畑で生産者の方を前にして、聞きたいことが尽きないようです。
 ようやく一段落、傾きかけた陽光の下、徒歩で公民館東分館に移動しました。先ほどの駅前は閑静なたたずまいに戻っています。
 公民館の学習室で、修了式が始まりました。
 まず、協議会会長の大竹道茂さん(江戸東京・伝統野菜研究会代表)から挨拶。
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 最近、江戸東京野菜がマスコミ等で取り上げられることが多くなったが、一時的なブームに過ぎないという人もいる。しかし、この流れを一過性のものとせず、江戸東京野菜の一層の普及のために受講者の皆さんの活躍を期待する等と、メッセージが伝えられました。
 そして、全講座に参加された約20名の一人ひとりに、大竹会長から修了証が手渡されました。ほぼ毎週土曜日の連続7日間の講座の全てへの参加は、かなり熱心でなければできません。
 引き続いて懇親会です。
 第1期の時と同じように、小金井の飲食店「くりやぶね」特製のお弁当。江戸東京野菜が満載です。ビールも出されました。
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 そして、受講者の皆さんから、一言ずつ感想などを述べてもらいました。
 この2期講座も、様々な方が参加されています。生産者、種苗業者、市場関係者、大学の先生や学生、小学校の栄養教諭の先生、作家、それに一般の主婦の方など。
 それぞれ短い時間でしたが、内容の濃い感想等が述べられました。
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 ちなみにこの講座、毎回「課題レポート」の提出が義務づけられているのですが、それをご覧になった事務局の若い女性Hさん(農業の専門家ではありません)の感想です。
「課題レポートを拝見すると、直接生産や販売等に関わっていない方(主婦の方も含めて)でも、今後、江戸東京野菜を広めるためにどうしたらいいか、と真剣に向き合っていただいている様子が伝わってきます。
 ひとりひとり、一個人として、まず知り、食べ、伝えていく(ママ友の会、飲み仲間の会・・・)ことが大事と思いました。」
 確かに、社会を変えていく(いける)のは、社会の構成員である一人ひとりの意識と行動しかありません。
 17時過ぎにお開き。
 JR東小金井駅近くの直売所「黄金の里」を見学した後、有志数名は近くの居酒屋で2次会。大竹さんを中心にした意見・情報交換は留まるところを知りません。
 1、2期で計60名が参加された「江戸コン」講座は、人材育成だけではなく、意欲のある方達のネットワークづくりにも大いに成果を上げたようです。
 午前中の有機農業学会では、消費者や市民との連携が課題の一つとされていましたが、ここ小金井では、それが着実に拡がり、根付きつつあります。
 事務局の皆様のご尽力に、敬意を表させて頂きたいと思います。
【ご参考】
 ◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 ◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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