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◇◆◇ F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信− ◇◆◇
No.30 ; 2013.10/19(土)[旧暦 長月十五日]発行
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台風26号は、伊豆大島等に大きな被害をもたらしました。
台風の発生時期が1ヶ月ほど遅くなっており、これも地球規模の気候変
動の影響との論調もあるようです。
さる10月17日は「後の月」、欠けていく月に秋の終わりを惜しむ季節。
朝夕など急に冷え込むようになりました。
時の流れを感じて頂く一助とするため、旧暦の毎月1日(朔日=新月の
日)と15日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は旧暦長
月十五日の配信です。
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◆ F.M.豆知識
フード・マイレージを始めとする食や農に関わる話題について、毎
回少しずつ取り上げていきます。
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4 日本は「農業大国」か
(3) 日本農業の実力 −人−
確かに生産額では確かに世界第5位の「農業大国・日本」の実力、土地
の面では諸外国と比べて乏しいと言わざるを得ないことを、前回、紹介
しました。
今回は、生産活動に必要となる基本的な要素(土地、労働、資本)の
2番目、「人」に着目します。
日本農業の担い手(基幹的農業従事者、注)の数は、1970年には705万
人だったのが、1990年には293万人、2010年には205万人へと、3割弱の水
準にまで減少しています。
減少していること自体は、1人当たりの農地面積等が増加した(規模拡
大した)という見方もできますが、実は、そのうち65歳以上の者の割合
をみると、1970年の時点では11.8%だったのが1990年には26.8%、2010
年には61.1%と、急速に高齢化が進行しているのです。
なお、2010年における農業の担い手の平均年齢は61.1歳です。
このように、農業という産業は、主に高齢の方によって担われている
という現状にあるのですが、このことは、農業という職業にはサラリー
マンのような定年がなく、また、経験や知識を活かすことができるとい
う特色を反映したものであるとも言えます。
しかし、同時に若い世代が農業に入ってきていない(新規就農者が少
ない)ことも示しており、持続可能性という観点からは、およそ望まし
い状況とは言えません。
ちなみに諸外国の状況をみると、農業の担い手に占める65歳以上の者
の割合は、日本は前述したとおり61%であるのに対し、イギリス24%、
フランス19%、ドイツ17%、アメリカ25%となっており、国際的に見て
も、日本における農業の担い手の高齢化の状況は際立っています。
このように、農業の担い手が大きく減少し、同時に高齢化が進行して
いるという状況からも、日本農業の実力(国民に安定的に食料を供給で
きる能力)は、ぜい弱なものと言わざるを得ません。
なお、担い手の高齢化の状況は全国一律ではなく、作目別には稲作経
営、地域別には北陸や中国地方において特に高齢化が進行しています。
[注]基幹的農業従事者とは、15歳以上の農家世帯員のうち、ふだんの
主な状態が主に仕事(農業)である者のことで、兼業が主の者や主
婦、学生等は含まれない。
[参考]各国の農業従事者の年齢構成
(内閣官房TPP政府対策本部資料より)
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2013/6/130611_nougyou.pdf
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◆ オーシャン・カレント −潮目を変える−
食や農の閉塞感を打ち破るためのユニークな活動や、それに取り組
んでおられる方達を紹介するコーナーです。
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本欄では毎回「人」を紹介してきましたが、今回は「場」の紹介です。
しかも残念ながら、もうすぐ無くなってしまうところです。
JR山手線のR田町駅から徒歩4分ほど、繁華街の中に、そこだけ昔のまま
残されたような一軒の古民家がありました。
大学と地域の間が希薄になりつつある中、慶應義塾大学の教員・学生
等の有志の皆さんと地元の商店街振興組合とが協力してこの民家を改装
し、「大学の傍らにあるラウンジ的な教室・三田の家」としてオープン
したのが、2006年9月のことです。
ここでは、近隣で生活していながら出会うことも稀であった人たち、
例えば学生・教職員と地域住民、留学生と日本人学生、地域の在勤者と
商店主などが、カジュアルに出会って交流し、新しい「学び」や「まち
づくり」の形が生まれてきました。
しかし、オープンから7年が過ぎた今月(2013年10月)一杯で、家主さ
んの都合により、「閉家」することとなったのです。
去る10月16日(水)には、「三田の家」での最後の「共奏キッチン♪」
が開催され、いつもより多くの人たちで賑わいました。
26日(土)は14時から21時まで、クロージング・パーティー「三田の
家の最後のいちにち」が開催され、誰でも参加できるそうです。
「三田の家」という場は無くなりますが、ここで生まれた繋がりは、
地域に根付き、これからも育まれていくものと期待されます。
関係者・スタッフの皆様、有り難うございました。
[参考]
「三田の家」http://mita.inter-c.org/
「三田の家・クロージング企画特設サイト」
https://www.facebook.com/Ariga10Mitanoie?fref=ts
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◆ 情報ひろば
食や農に関わるセミナーや勉強会の情報、拙ブログの更新情報、各
種イベントの開催情報等をお知らせします。
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▼ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」更新情報
▼ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報
○[10月2日付け]ボラバス
女子教育奨励会(JKSK)主催のボランティアバスの4回目。待望の
コットンの収穫もできました。そして、震災直後から「時間が止まっ
たような」旧警戒区域内の姿には、声を失いました。
http://food-mileage.jp/2013/10/02/
○[10月3日付け]ふれあい市
新宿歌舞伎町の大久保公園で定期的に開催されている「ふれあい市」。
地域興しのシンボルともなっている「内藤とうがらし」のブースも出
展されていました。
http://food-mileage.jp/2013/10/03/
○[10月7日付け]ゴマとヒマワリ
福島ひまわり里親プロジェクトのヒマワリの種を選別。大きいヒマ
ワリでもなかなかの手間、ゴマはどうなることやら。競馬の世界最高
峰レース「凱旋門賞」では、日本馬が2、4着と大健闘。
http://food-mileage.jp/2013/10/07/
○[10月11日付け]なみへい
10月の特選コースは、海と山の幸に恵まれた愛媛・西予市の特集。
タチウオ、はなが牛、大根、そして芋炊きなど、今回もほっこり美味
しく頂きました。
http://food-mileage.jp/2013/10/11/
▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
中には締切等の場合がありますので、参加を希望される場合等は、
必ず事前にお問い合せ下さい。
○ 土と平和の祭典
日時:10月20日(日)10:00〜17:00
場所:日比谷公園(東京都千代田区日比谷公園)
主催:種まき大作戦 実行委員会
(詳細↓)
http://www.tanemaki.jp/saiten2013/
○ セミナー「東京発!いまこそ有機」
日時:10月25日(金)18:30〜20:00
場所:丸の内さえずり館(千代田区有楽町1-12-1新有楽町ビル1F)
主催:A SEED JAPAN未来生活nowプロジェクト
(詳細、お問合せ等↓)
http://www.m-nature.info/event
○ あっぱれ野菜!STUDY & CAF_「八百屋から見た江戸東京野菜」
日時:10月26日(土)13:00〜15:00
場所:東京アグリパーク(JA東京南新宿ビル3F)
主催:ミュゼダグリ
(詳細、お問合せ等↓)
http://www.musee-d-agri.org/pdf/2013/s_c131026_5.pdf
○ しごと塾さいはら「そば・大豆の収獲」
日時:10月27日(日)
場所:山梨県上野原市 西原(さいはら)地区
主催:しごと塾さいはら
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/549617145119031/?ref_newsfeed_story_type=regular
○ US. Peace ファーム2013年度農業体験会「収穫祭」
日時:11月2日(土)10:00に東武東上線・小川町駅集合
場所:埼玉・小川町
主催:U. S. Peace ファーム
(詳細、お問合せ等↓)
http://uspeace.jp/user_data/event.php
○ 「里山のおもてなし」
日時:11月6日(水)10:00〜14:00
場所:夕日寺健民自然園ふるさと館(金沢市夕日寺町ハ11)
内容:講演(食と環境、いしかわの里山食文化)、調理実習
(申し込み、お問合せ等)金沢市環境政策課、電話076−220-2507
○ 福島オーガニックコットン・JKSKボランティアバス(最終回、収穫祭)
日時:11月23日(土)6:50新宿駅西口集合
場所:福島県いわき市、広野町
主催:認定NPO法人女子教育奨励会(JKSK)
(詳細、お問合せ等↓)
http://jksk.jp/j/yyp/focJKSKpr120418.pdf
○ 環境ゲーム・BIOな食卓−市民が創る環境都市フライブルク 取組紹介
日時:11月30日(土)13:00〜15:00
場所:金沢市西部環境エネルギーセンター(東力町ハ3番地1)
主催:金沢エコネット
(申し込み、お問合せ等)金沢市環境政策課、電話076−220-2507
* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方
の部分は、全て筆者の個人的なものです。
* 今回も読んでいただき有難うございました。
お陰さまで、拙メルマガも昨年10月の創刊以来、30号という節目を
迎えることができました。
次号は11月3日(日)(旧暦・神無月朔日)の配信予定です。
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F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】
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◆ 発行者:中田哲也