【ほんのさわり322】袖井林二郎『マッカーサーの二千日』

-袖井林二郎『マッカーサーの二千日』(1976.9、中公文庫)-

【ポイント】
 戦後の深刻な食糧問題の様子と対応策が、占領者(「温情あふれる指導者」)の立場から描かれています。

著者は1932年宮城県生まれの政治学者で占領期研究の第一人者。丸木夫妻の「原爆の図」を米国で展示紹介する活動もされていましたが、本(2025)年2月、92歳で死去されました。
 本書は、連合国軍総司令部(GHQ)の最高司令官・マッカーサーの人物像や政策を、本人の回想録や書簡、アメリカや日本の関係者の証言など膨大な記録から丹念に検証したもので、大宅壮一ノンフィクション賞等を受賞しています。… 続きを読む

【豆知識322】米の収穫量の比較(1940年代と2020年代)

【ポイント】
 現在の日本の米の収穫量は、深刻な飢餓に直面していた1940年代に比べて、総量で85%、一人当たりでは約半分へと減少しています。

戦中戦後の一時期、日本は深刻な飢餓に直面しました。都会の駅に集まった戦災孤児(「駅の子」)のように、毎日のように失われていく命があったのです。
 それでは、当時の米の収穫量は比べてどの程度だったのでしょうか。リンク先の図322は、米の収穫量(総量及び一人当たり)について、1940年代と2020年代を比較したものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2025/08/322_kome.pdf続きを読む

【ブログ】インドにゆかりのあった一日

2025年8月18日(月)。
 お昼のNHKテレビを見ているとこの日はチャンドラ・ボースの命日で、杉並のお寺で法要が営まれるとのニュース。ちょうど夕方には都心に出る用があったので、途中、寄ってみることに。

 メトロ丸の内線・東高円寺駅に降りたのは16時過ぎ。この日の都心の最高気温は37℃と蒸し暑く、雲行きも怪しくなってきました。
 駅に隣接する蚕糸の森公園を抜けていきます。農林水産省・蚕糸試験場が筑波研究学園都市に移転した跡地につくられた防災公園とのこと。レンガ造りの旧正門も残されています。
 それにしても、水辺はもう少しは涼しげに見えてもいいのでは。… 続きを読む

【ご案内】第3回「食と農の未来フォーラム」の開催について(8月26日(火))

食と農を取り巻く深刻な問題の多くは「食と農の間の距離」が離れてしまっていることに起因しています。
 都会の一般市民(消費者)の皆さんを主な対象として、食と農の現場の課題を身近に感じ、自主的な行動変容につなげて頂くことを期待して開催する本フォーラム、去る7月23日には大友 治さん(本木・早稲谷 堰と里山を守る会、福島・喜多方市山都)をゲストにお迎えして、第2回を開催続きを読む

【ほんのさわり321】門間好春『未来へのバトン』

-門間好春『未来へのバトン 福島中間貯蔵施設の不条理を読み解く』(2025.3、インパクト出版)-
https://impact-shuppankai.com/products/detail/357

【ポイント】
 著者は、中間貯蔵施設の不条理を多くの人に知ってもらいたいと訴えつつ、「私たちおとなは子どもたちに明るい未来のバトンを渡す責任がある」としています。… 続きを読む

【豆知識321】除去土壌等を保管している仮置場等の箇所数の推移

【ポイント】
 原発事故後、一時期は1000箇所を超えていた除去土壌等を保管する仮置き場等の箇所数は現在までに急速に減少しています。

私事で恐縮ながら、東日本大震災・原発事故の後、最初に福島・浜通りをボランティアで訪ねたのは2011年6月のこと。水田に打ち上げられ横倒しになったままの漁船の姿などに息を飲みました。その後、ふくしまオーガニックコットンのツアー等で何度も訪ねるうち、がれき(よくない言葉ですね)等の撤去がどんどん進む一方で、逆に目についてきたのが黒いフレコンバッグの山でした。
 除染が進むに連れて大量に発生した除去土壌等を詰めたもので、国道沿いの仮置き場にも積み上げられたフレコンバッグの山を車窓から見るたび、その膨大な量に圧倒される思いがしました。
 しかし、この山は次第に目立たなくなり、やがて視界から消えていきました。リンク先の図321は、除去土壌等を保管している仮置き場等の箇所数の推移を示したものです。… 続きを読む

【ほんのさわり320】高橋博之『関係人口』

-高橋博之『関係人口』(2025.3、光文社新書)-
https://shinsho.kobunsha.com/n/nc5b6b74cdda1

【ポイント】
 関係人口とは、その地域と様々なかたちで積極的に関わる人々のことで、今後の地域の内発的発展のために欠かせない人材とのこと。

著者は1974年岩手・花巻市生まれ。史上最年少の県議を2期務めた後、東日本大震災後は被災地を支援するために事業家に転身、「世なおしは食なおし」をコンセプトとする食材つき情報誌「東北食べる通信」の創刊、生産者から直接食材を購入できるスマホアプリ「ポケットマルシェ」の開発等に取り組んでこられました。… 続きを読む

【豆知識320】小規模市町村の人口の現状

【ポイント】
 人口の少ない小規模自治体ほど近年における人口減少率が高く、同時に高齢化が進行しています。

(株)雨風太陽の高橋博之さん(「ほんのさわり」欄参照)によると、過疎は「慢性的な災害」であり、過疎地域はすでに「有事」に直面しているとのこと。東京圏への一極集中が進む中、地方の、特に小規模市町村では深刻な過疎化と高齢化が進行していると言われています。
 リンク先の図320は、この現状を総務省の統計を用いてに明らかにしたものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2025/07/320_shokibo.pdf続きを読む

【ブログ】Z世代農家の方たちに勇気づけられました(第215回 霞ヶ関ばたけ)

やはり2025年の猛暑は異常です。
 玄関前に置いたプランタのハナモモの実はシワシワ、スダチの葉は丸まって実は全然着いていません。馬酔木はとうとう枯れ始めました。今年の春も目を楽しませてくれたのですが(右の写真)。
 毎朝毎夕、水を撒いても「焼け石に」状態です。

8月2日(土)は東京・虎ノ門へ。久しぶりに霞ヶ関ばたけに参加しました。月1回程度、休日の朝に開催されている勉強会(食と学びとつながりの場)です。
 主催者からの挨拶と説明に続き、30名強の参加者から一人ずつ自己紹介。今回も民間企業、大学生、公務員など様々な方が参加されています。この日は約半分の方が初参加のようです。… 続きを読む