【オーシャン・カレント】「能登はやさしや土までも」

【ポイント】
 やさしいはずの能登の大地が、今回は牙をむきました。被災地では、厳しい現実を前に被災者同士が助け合っている様子も報じられています。

国立国会図書館デジタルコレクションより。

「能登はやさしや土までも」という美しい言葉があります。
 能登では人だけではなく風土までも優しいという意味ですが、現実には深い雪に閉ざされるなどの厳しい自然環境の下で、互いに支えあいながら暮らしてきた能登の人びとの強さと温かさを表している言葉です。… 続きを読む

【豆知識】能登の農業

【ポイント】
 能登の農業生産条件は必ずしも恵まれたものではありませんが、多彩で特徴的な農業が営まれており、日本で最初の世界農業遺産にも認定されています。

石川県の能登地方(七尾市、輪島市、珠洲市、羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町、穴水町及び能登町)における農業の生産条件は、必ずしも恵まれたものではありません。
 リンク先の図283は、能登の農業についてのいくつかの指標について、石川県平均、全国平均と比較したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/01/283_noto.pdf続きを読む

【ブログ】ドイツの大規模農民デモに思ったこと

毎朝、目覚まし代わりに5時にラジオをつけて半分眠りながら聴いているのですが、今朝(2024年1月9日)は、驚きのニュースに目が覚めてしまいました。
 リモート出演されたドイツ在住の作家・川口マーン惠美さんによると、ドイツ全土で大規模な農民デモが実施されているとのこと(能登地震のニュースも詳しく報じられているそうですが、トップニュースはこちらだそうです)。
 政府によるディーゼル燃料に対する補助金削減計画に抗議して、トラクターのデモによる道路封鎖等が行われているそうで、全く知りませんでした(昨年12月にも実施されたそうです)。… 続きを読む

【ブログ】2024年は波乱のスタート。肉食のことも。

猛暑・渇水に見舞われた2023年は12月に入っても暖かい日が多く、何と年末近くまでコットン(福島・広野から種を頂いてきたもの)が収穫できました。キャベツ、白菜、ブロッコリ等も大豊作。
 ささやかながら、日本イラク医療支援ネットワークにチョコ募金
 27日(水)には… 続きを読む

【豆知識】2023年の振り返り

(【 】内の数値は発行号数。以下同じ。)
 今年は「経済学の父」アダム・スミス生誕300年、米市場を例に市場メカニズムについておさらい(消費者の行動変容の重要性を指摘)【281】。関東大震災からは100年目、人口等の東京圏への一極集中は当時からさらに進んでいます… 続きを読む

【書籍掲載】明治図書出版『社会科教育』でグラフを引用して下さいました。

明治図書出版(株)の定期刊行物『社会科教育』2023年12月号で、以前に拙メルマガで作成したグラフを引用・紹介して下さいました。
 「日本の復興」をテーマとした授業づくりのなかで、戦前~戦後の14歳児童の平均身長・体重の推移を示したグラフを活用して下さっています(左頁、下)。
 フード・マイレージ以外のグラフ等を引用して頂くのは珍しいのですが、嬉しいことです。… 続きを読む

食と農の市民談話会-今後の予定と開催実績

「食と農の市民談話会」は、食(食卓、消費者、都会)と農(産地、生産者、農村)の間の距離を縮め、顔の見える関係づくりを目的とした取組みです。
 今後の開催予定及び開催実績は以下の通りです。
 (今後の予定については、決定次第、追加掲載していきます。)

【今後の予定】Season … 続きを読む

【ブログ】顔の見える関係のこと、「お肉の情報館」見学など

2023年12月16日(土)は歳の瀬とは思えない陽気。東京の最高気温は21℃にまで上がったそうです。
 娘夫妻が新居を構えた東京・自由が丘へ。
 和食のお店で昼食、美味。13時前にお店を出る時も行列ができていました。

その日の夜は、同じ自由が丘で奥沢ブッククラブに参加。望年会を兼ねて、数か月ぶりのリアル開催です。
 今回の課題本は伊丹十三『女たちよ!』。食べものネタも多く楽しく読めました。… 続きを読む

【ほんのさわり281】高島善哉『アダム・スミス』

【ポイント】
 市場メカニズムが発揮されるためには、その前提として道徳、共感が必要。

−高島善哉『アダム・スミス』(岩波新書、1968.8)−
 https://www.iwanami.co.jp/book/b267091.html

アダム・スミス研究の第一人者とされた著者(1904〜1990)が、1960年代に著した入門書です。記述の時代背景等に古さは感じるものの、いま読んでも多くの示唆に富んでおり、現に増刷が続けられているようです。… 続きを読む

【オーシャン・カレント281】「神の見えざる手」

【ポイント】
 アダム・スミスは、このよく知られた言葉を一度も使ってはいません。

『国富論』とアダム・スミス像(英・エジンバラ市)

「豆知識」欄では、価格と量は市場メカニズムによって決定され、その均衡点において社会的余剰は最大となることを説明しました。
 しかし、実は生産者も消費者も、社会的余剰が最大になることを目指して行動している訳ではありません。企業も消費者も、自分自身の「利益」を最大にするという「利己心」に基づいて自由に行動するだけで、「見えざる手」によって社会全体の利益が最大になるのです。 … 続きを読む

【豆知識281】市場メカニズムとは(米市場を例に)

【ポイント】
 水田農業の有する多面的機能等に対する消費者の理解が深まれば、米の価格上昇と生産量の増加が同時に実現。

市場メカニズムとは、価格と生産量は需要と供給のバランスが取れたところ(均衡点)で自然に決定されるというものです。
 リンク先の図281【1】は、現在の米市場です(あくまで単純化した概念図です)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/12/281_DS.pdf続きを読む