大豆収穫体験会(埼玉・小川町)

 2016年11月26日(土)。朝方は雲も残っていましたが好天に恵まれました。
 9時半に東武東上線・小川町駅前に集合。US.Peace ファーム主催による2016年最後の農業体験会の日です(今年は最終回にようやく参加できました)。
 自家用車やタクシーに分乗して10分ほど、今年の体験会を受け入れて下さっている横田農場(小川町青山)に到着。軒下にはカラフルなトウモロコシが干されています。
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 横田農場の横田岳(がく)さんと、ご家族の皆さんが出迎えて下さいました。
 岳さんとは、8月の銀座でのシェフズテーブル9月の小川町オーガニックフェスの際等に何度かお会いし、自然農法の横田農場のお話は伺っていましたが、農場を訪ねたのは初めてです。
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 着替えなど準備を済ませ、お父様が研いで下さった剪定バサミを持って大豆畑に向かいます。
 この日の参加者は子どもを含めて50人ほど。2日前に降った雪がまだ残っていて、子ども達は大喜び。
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 徒歩10分ほどで大豆畑に到着。
 春の体験会で種をまき、秋には一部を枝豆として苑でて食べたそうです。今は葉の多くは落ち、茎も茶色に枯れています。
 品種は、永くこの地域で栽培され続けている青山在来。
 近年、隣町の豆腐屋さんが全量買い付けるようになって小川町での栽培面積が増加しています(日本型・企業型のCSA(地域支援型農業)です)が、その種子の多くは横田農場が供給されているとのこと。
 海さん(岳さんの弟さん)が収穫作業の手本を見せて下さいました。
 茎の根元をハサミで刈り取り、刈った株は根を下にして四方から立てかけるようにして積んでいきます。
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 思い思いに畑に入って作業にかかります。
 大豆の茎はなかなか太く、ハサミで伐るにはコツが必要です(○○とハサミは使いよう?)。ちなみに私が持参した百均の剪定バサミはまるで役立たず。
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 立てかけてタワー状にした株は、しばらく自然乾燥させた後、コンバインで脱穀するとのこと。この時に根が残っていると豆が汚れてしまうそうです。
 2時間ほど作業をして2枚の畑の作業が終了。
 日頃の運動不足の身に中腰の作業はなかなかキツかったのですが、午前中は「楽勝」でした。
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 横田さん宅に戻ると、岳さんのお母様が中心になって食事の準備をして下さっていました(今回は人数も多く、前日から色々と準備して下さったそうです)。
 羽釜と土鍋で炊いたご飯は2種類。食べ比べて美味しい方に投票します。羽釜の蓋を取ったとたん、炊きたてご飯の甘い香りが広がります。子ども達の歓声が上がりました。
 主催者のお一人・高橋優子さん(NPO生活工房つばさ・遊)は、(期せずして?)サンタクロースの衣装。
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 参加者の持ちより料理も分け合い、思い思いの場所に座って「いただきます!」
 七輪の上で焼いているのは、何と里芋。
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 食事の後、食べ比べた2種類のお米について横田さんが説明して下さいました。
 羽釜の方は霜里農場の有機栽培コシヒカリ(これも贅沢!)。
 そして土鍋の方は「荒木」という珍しい品種とのこと。
 もともと伊賀国(現在の三重県)の在来品種だったのが、藤堂藩の飛び領地があった千葉・香取郡で栽培され、明治時代に椎名順三という人が改良したも品種だそうです。(独)農研機構のジーンバンクから配布を受けて試験的に栽培されているとのこと。
  
 人気投票の結果はコシヒカリに軍配。
 もちもちとして香りも強いコシヒカリに対して、荒木はあっさりと淡白な食味です。食生活の洋風化等で副食(おかず)の内容が変化してきたことに伴い、主食である米の味の好みも変わってきたというのが横田さんの解説でした。
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 現在、日本で栽培されている水稲の品種の約8割がコシヒカリとその近縁種と言われています。特定の品種に集中することは、天候不順や病虫害のリスクが大きくなるという危惧もあります。
 そのようななか、新しい(実は伝統的な)品種を積極的に試験栽培されている横田さんの取組みは、食料の安定供給という面からも大きな意義があるのです。
 午後は別の畑で同じ作業の続き。 すっきりと晴れ渡りました。
 こちらは午前中より密集していて、十分に枯れきっていない株もあるなど、余計に手間が掛かります。
 15時を回って日が陰り始めたところで作業は終了。午後の畑は4分の1も終わりませんでした。
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 いつの間にかヤギが登場、たちまち子ども達の人気者に。
 畑で全員で記念撮影をした後、横田さん宅に戻ってご一家の皆様に全員でお礼の挨拶。来年の体験会でもお世話になるかも知れません。
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 希望者は、横田農場自慢の麦茶(香ばしい!)、南部一郎というカボチャ(岩手・一関の伝統種)、「おがわの自然酒」(晴雲酒造)等をお土産に求めさせて頂きました。
 冬晴れの小川町で過ごした1日。
 体は少々キツかったものの、爽快で気持ちのいい体験会でした。
 横田農場の皆さま、主催者・事務局の皆さま、大変お世話になり有難うございました。
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 USP(Universal Shell Programming)研究所はコンピュータのプログラミング会社で、もともと農業と縁があった訳ではありません。
 その社会貢献部門である U.S.Peace(Universal Smile and Peace)ファームの公式記録には、以下のように記されています。
 「食の安全や健康を気にしていても、食のつくられている現場はなかなか知らない。
 知識として知るのではなく、五感で感じる。こういう体験を通して、食の大切さ、有り難さ、人とのつながりなど、様々なことが参加してくださった皆さんに残ればいいと思います。
 US.Peace ファームは、これからも有機農業を本気でやってらっしゃる農家さんと消費者の方が出会える場を作っていけたらいいなと思っています」
 U.S.Peaceファームは、小川町の新規就農者の野菜等を宅配してくれる「おいしいお野菜届け隊」の取組みもされています。これもCSAの一形態です。
 志ある生産者の方たちと、食や農に関心のある都会の消費者の間をつなぐ取組みが、ますます広がっていくことに期待したいと思います。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 (プロバイダ側の都合で本年1月以降更新できなくなっていることから、現在、移行作業中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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