◇フード・マイレージ資料室 通信 No.192◇
2020年5月7日(木)[和暦 卯月十五日]発行
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◆ F.M.豆知識 飲食店の経済的地位
◆ O.カレント 炭火焼居酒屋・裏馬場(東京・北品川)
◆ ほんのさわり 吉田篤弘『つむじ風食堂の夜』
◆ 情報ひろば ブログ更新、イベント情報等
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例年と様変わりのゴールデンウィークも終わりつつあります。新型コロナウイルス禍への対応が長期戦の様相を示してくるなか、今号では飲食店の特集となりました。
本メルマガは、時の流れを体感するため、和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)に配信しています。
◆ F.M.豆知識
食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータをコツコツと紹介していきます。
(過去の記事はこちらにも掲載)
http://food-mileage.jp/category/mame/
-飲食店の経済的地位-
新型コロナウイルス禍によって経済社会は大きな影響を受けていますが、特にダメージが大きい業種の一つが飲食店(外食)です。
リンク先の図192は、全国及び都道府県のGDP(国内(県内)総生産)に占める農林水産業及び宿泊・飲食サービス業のシェアを示したものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/05/192_inshoku.pdf
これによると、全国においては国内総生産における農林水産業のシェアは1.2%であるのに対して、宿泊・飲食サービス業のシェアは2.4%(うち飲食サービス業が約8割)と、約2倍となっています。
なお、農林水産業のシェアについては、欧米先進国においてはいずれも1%前後であり、日本が特に低い訳ではありません。
グラフは都道府県別にも示しています。
農林水産業のシェアについては、農村部において高く都市部においては低くなっている(当然のことですが)のに対して、宿泊・飲食サービス業については、農村部、都市部を問わずに一定のシェアを占めていることが分かります。
私たちの食料供給において大きな役割を果たしている飲食サービス業(外食や飲食店)は、都市部、農村部を問わず、地域経済において重要な役割を果たしているのです。
[資料]
内閣府「国民経済計算」(2016年度、フロー編、経済活動別国内総生産)「県民経済計算」(2016年度)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h28/h28_kaku_top.html
「県民経済計算」(2016年度)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kenmin/files/files_kenmin.html
◆ オーシャン・カレント-潮目を変える-
食や農の分野について先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックス等を紹介します。
(過去の記事はこちらにも掲載)
http://food-mileage.jp/category/pr/
-炭火焼居酒屋・裏馬場(東京・北品川)-
東京・北品川は、江戸時代には東海道五十三次の最初の宿場町として栄え、現在も旧東海道沿いの商店街では街づくりが進められています。ゲストハウスもあり、毎年秋には「花魁道中」で有名な「しながわ宿場まつり」品川祭りも開催されています。
その一画にあるのが「炭火焼居酒屋・裏馬場(うらばんば)」。炭火焼きに特化した焼き鳥やジビエ肉、焼き野菜等を頂くことができる居酒屋さんです。
鶏肉は鳥取県産の大山鶏、ジビエは和歌山・古座川町の鹿や猪を使用。
現在、全国的に野生鳥獣害の被害が拡大しており、ジビエとしての有効利用が重要な課題になっていますが、このお店はその課題解決の一翼も担っています(臭みなどは全くなく、柔らかくて美味です)。
ちなみに他の私のお気に入りは、自家製の鶏皮サラミとレバーロール、だし巻き卵など。
このお店を知ったのは、東京・檜原村でゴマを作ったり、品川でお寺マルシェを開催していたグループのご縁。
そのお店も自粛要請を受けて、現在はランチとテイクアウト中心の短縮営業中(ジビエ提供も中断)。また、店長さんは実はミュージシャンでもあるのですが、ライブで等の音楽活動も中断されているそうです。
先日(5/1)には久しぶりに足を運んでみました。自宅に持ち帰って頂いた焼き鳥も美味しかったですが、わいわいと仲間と焼きたてを頂ける日が来ることを待ち望んでいます。
[参考]
炭火焼居酒屋・裏馬場
京浜急行北品川駅、新馬場駅から徒歩3分半。
当面は火~日曜日の11:30~20:00営業(LO19:00)の短縮営業中。
http://www.urabanba.com
https://www.facebook.com/炭火焼居酒屋-裏馬場-1467961523470388/
◆ ほんのさわり
食や農の分野を中心に、考えるヒントとなるような本の「さわり」を紹介します。
(過去の記事はこちらにも掲載)
http://food-mileage.jp/category/br/
-吉田篤弘『つむじ風食堂の夜』(2005.11、ちくま文庫)-
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480421746/
1962年東京生まれの著者による味わい深い小説。映画化もされているようです。
舞台は東京・下町を思わせる「月舟町」の一角にある大衆向けの食堂。看板は出ていないのに、東西南北から風が吹き募る十字路にあるため、いつしか「つむじ風食堂」と呼ばれるようになりました。
そして風に吹き寄せられるように、毎夜、風変わりな常連客が集まってきます。
主人公(私)は、アパートの屋根裏部屋で雨を降らせる研究をしているライター。
空間移動できる装置を持っている帽子屋に、イルクーツクに行きたいと言った果物屋の若い主人。デ・ニーロに似た口の悪い古本屋の親方。注文を迷っている主人公に「迷う人は嫌い」と言葉を投げつけたのは、同じアパートに住む売れない舞台女優。
どちらかと言えばモノクロに近い物語に、鮮やかな彩を添えているのが果物です。
毎夜、遅くまで店を開け、いつも本を読んでいる果物屋の青年。
その手元に置かれているオレンジの意味を問うと、「オレンジに電球の灯火が反映するでしょう? 本を読むのにちょうどいいぐあいの淡い光になるんです」という答が帰ってきます。
帰宅して自室に向かう暗い階段を登っていると、途中に淡い光がともっていました。舞台女優が置いたオレンジには「ごめん、言い過ぎた」というメモが添えられていました。
食堂とは単に食事をするだけの場所ではなく、人と人とが交わり、多くの物語が生まれる場です。
◆ 情報ひろば
拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届します。
▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
○楽しみを貯める時[4/27]
https://food-mileage.jp/2020/04/27/blog-266/
▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
既にに満席の場合等がありますので、参加を希望される際には必ず事前に主催者等にお問い合せ下さい。
○ オンライン市民科学講座(開催中)
シリーズ「生活のなかの科学技術リスク」(第1期)全13回
日時:2020年4月23日(木)19:00~最長21:00、~7月16日(木)
場所:ZOOM(オンライン)
主催:市民科学研究室(詳細、お問合せ先等↓)
https://www.shiminkagaku.org/online_csijseminar_2020/
○ 奥沢ブッククラブ第55回
「閉鎖病棟」オンライン版
日時:5月11日(月)19:00~21:00
場所:シェア奥沢(東京・自由が丘)
課題図書:帚木蓬生『閉鎖病棟』
主催:奥沢ブッククラブ
(詳細、お問合せ先等↓)
https://www.facebook.com/events/159937212121581/
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*米令寺忽々のコツコツ小咄。
「ゴールデンウィークは、大らかな気持ちで過ごしたいね」
「大型(O型)連休だけにね」
ちなみにA型の私は、ちまちまと自宅で過ごしました。
コツコツ小咄は拙ウェブサイトにも写真入りで掲載してあります。
http://food-mileage.jp/category/iki/
* 次号No.193は5月23日(土)[和暦 閏卯月朔日]に配信予定。今年は閏月があります。
より役立つ情報発信等に努めていきますので、読者の皆さまのご意見、ご要望をお聞かせ頂ければ幸いです。
* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。
いつもありがとうございます。
https://www.lunaworks.jp/
* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】
発行者:中田哲也
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