【豆知識】米収穫量の長期推移


 今年は明治150年。150年前に近代国家としての歩みを始めた日本ですが、その半ば以上は食糧が十分に供給された時代ではありませんでした。

1918(大正7)年に富山県から始まった米騒動は、瞬く間に全国に広がり、社会に大きな影響を与えました。
 また、太平洋戦争の戦中・戦後は深刻な食糧不足に直面し、多数の銭死者を出すとともに、子どもの成長にも大きな悪影響を及ぼしました(このことについては前号で紹介)。
 国民に食糧を安定的に供給することが、国家の最重要課題だった時代が長く続いたのです。

食糧の中心には、一貫して米が位置づけられていました(異論もありますが)。… 続きを読む

飾り巻き寿司教室~夏の食べ物編(@なみへい)

2018年8月25日(土)の午後は東京・神田へ。猛暑がぶり返してきました。

全国うまいもの交流サロン・なみへいは、飲食店としての夜の営業は終了しましたが(ランチを始められたようです)、なみへい応援団の方などが主催する各種イベント等が、随時、行われています。

この日14時から開催されたのは「やはためいこ飾り巻き寿司教室~夏の食べ物編~続きを読む

【ほんのさわり】斎藤 美奈子『戦下のレシピ』

斎藤 美奈子『戦下のレシピ-太平洋戦争下の食を知る』(2015/7、岩波現代文庫)
 https://www.iwanami.co.jp/book/b256540.html

1956年新潟生れの文芸・社会評論家である著者による「戦争中の食の世界へあなたを誘うガイドブック」です。
 著者は、戦下においても発行され続けた婦人雑誌に掲載された食や料理に関する記事をたんねんに調べました。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】昭和館


 東京・千代田区九段南にある昭和館は、戦中・戦後に国民が経験した労苦についての歴史的資料を収集、保存、展示し、後世代の人々に伝えていくことを目的として、1999(平成11)年に開館した国立の施設です。

食に関しても様々な展示があります。
 例えば「統制下の暮らし」のコーナーには、食料不足が深刻化するなかで実施された配給制度に関する実物資料(配給切符等)、「節米運動」を奨励するポスター(「兵隊さんのことを思えば、銃後の国民が米のゴハンで満腹するなどバチが当たる」)等が展示されています。

また、防空壕に避難するときの携帯食料(乾パン等)や、戦後の闇市の「残飯鍋」、援助物資により再開された学校給食を再現した展示等もあります。「体験コーナー」では一升瓶に入れた玄米を棒でつく(簡易精米)体験もできます。
 展示物の多くが「実物資料」だけに、その時代を証言する力には迫力があります。… 続きを読む

【豆知識】14歳児童の平均身長・体重の推移

先の大戦は国民生活に様々な深刻な影響(困窮)を与えましたが、その一つが食糧不足でした。その影響は、育ち盛りの児童の体格の統計結果に象徴的に表れています。

文部科学省(旧文部省)のホームページには、1900(明治33)年度以降の児童の平均身長・体重が年齢別に掲載されています(1920年及び1940~47年は欠落)。

リンク先の図103 は、このうち14歳の男女の平均身長及び平均体重の推移を示したものです。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/08/103_taikaku.pdf続きを読む