畑村洋太郎『未曾有と想定外-東日本大震災に学ぶ』(講談社現代新書、2011年7月)
著者は1941年生まれの東京大学名誉教授・工学博士で、「失敗学」の提唱者として著名な方です。
本書は東日本大震災の直後、東電福島原発事故調査・検証委員会(いわゆる政府事故調)の委員長に就任されるまでの短い期間に、一般読者向けに書かれた啓発本です。
私は本書を2012年に1度読んでいたのですが、このたび再読し、その内容が全く色あせていないどころか、むしろ6年目を迎えた今こそ改めて胸に刻むべき多くの教訓が含まれていることが分かりました。
その一つは、「人は忘れる」という大原則があるということです。… 続きを読む