-野坂昭如『火垂るの墓』(1972/1、新潮文庫)-
http://www.shinchosha.co.jp/book/111203/
1930年、鎌倉市に生まれた野坂昭如(2015没)は生後半年で神戸に養子に行き、1945年の神戸大空襲に遭遇。『火垂るの墓』(ほたるのはか)は、その原体験に基づく小説として1967年に発表され、姉妹作の『アメリカひじき』とともに翌年、直木賞を受賞しました。その後、映画化・ドラマ化も何度かされています。
主人公は、野坂自身がモデルとされる清太少年。
父親は出征中で音信不通、6月5日の空襲で母親を亡くし、4歳の妹・節子とともに西宮の遠い親戚にいったん身を寄せるものの、酷い扱いを受け、親戚宅を出て防空壕で自活するなか、妹を栄養失調で失います。… 続きを読む