【豆知識】食料の海外依存率の推移


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戦後から復興し経済の高度成長を遂げた現在の私たちは、時に「飽食」と呼ばれるほどの豊かな食生活を送っていますが、その大きな部分は海外からの輸入に依存しています。
 そのような事情を表すのに一般的に用いられるのは食料自給率ですが、ここでは「食料の海外依存率」という指標を紹介します。
 これは100からカロリーベースの食料自給率の数値を差し引いたもので、日本の場合は62%(2016年度、自給率は38%)となり、輸出国はマイナスとなります。
 なお、食料自給率という言葉には、日本は100%自給を目指しているかのように感じられるとする外国人研究者もいます。… 続きを読む

【ブログ】鎌倉古街道(2)、神田・なみへい

身近な歴史散歩(鎌倉古街道沿い)第2弾は、久米川古戦場跡から。
 元弘3(1333)年5月12日、新田義貞はこの地で幕府軍(北条軍)を破り、その勢いで分倍河原での苦戦も制して鎌倉に攻め上りました。
 今は住宅地と緑地に挟まれた小さな公園の片隅に、ささやかな石碑と説明板が置かれています。

八国山緑地(この辺り、アニメ『となりのトトロ』の舞台でもあります。)の林間の道を10分ほど登ったところにあるのが将軍塚。
 義貞が本陣を置いた地と伝えられています。昔は八カ国が眺められたとのこと。… 続きを読む

【ほんのさわり】野坂昭如『火垂るの墓』

-野坂昭如『火垂るの墓』(1972/1、新潮文庫)-
http://www.shinchosha.co.jp/book/111203/

1930年、鎌倉市に生まれた野坂昭如(2015没)は生後半年で神戸に養子に行き、1945年の神戸大空襲に遭遇。『火垂るの墓』(ほたるのはか)は、その原体験に基づく小説として1967年に発表され、姉妹作の『アメリカひじき』とともに翌年、直木賞を受賞しました。その後、映画化・ドラマ化も何度かされています。

主人公は、野坂自身がモデルとされる清太少年。
 父親は出征中で音信不通、6月5日の空襲で母親を亡くし、4歳の妹・節子とともに西宮の遠い親戚にいったん身を寄せるものの、酷い扱いを受け、親戚宅を出て防空壕で自活するなか、妹を栄養失調で失います。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】都庁職員食堂(西洋フード・コンパスグループ)

戦後からの復興を象徴するかのように東京・西新宿にそびえる東京都庁第1庁舎。
 その32階南側に西洋フード・コンパスグループ(株)が運営する都庁職員食堂があります。職員だけではなく、用務で都庁を訪れた一般の方等も利用することができます(入庁するためにはセキュリティ上の手続きが必要)。

この食堂は、都内産農林水産物を積極的に使用し、その良さを来店者等に情報発信する飲食店「とうきょう特産食材使用店」として東京都により登録されており、八丈島産のメダイや東京X豚を用いたメニューも提供されています。

さらに2016年5月からは、毎月、「江戸東京野菜フェア」として、旬の江戸東京野菜を特集した特別メニューが期間限定で提供されています(夜のみ)。これまで亀戸ダイコン、寺島ナス、川口エンドウ等が取り上げられてきました。
 さる7月は「おいねのつる羊」の特集でした。おいねのつる羊とは、東京都の西端・檜原村に伝わる伝統のじゃがいも。昨年、江戸東京野菜に追加認定されたばかりです。… 続きを読む

【豆知識】米の配給量と戦後の米消費の推移


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戦時経済体制の一環として、1941年4月、米穀の割当通帳制が六大都市(東京、大阪、名古屋、京都、神戸、横浜)において初めて実施され、その後、全国に拡大されました。
 この時の米穀配給の基準割当量は、一般人(11~60歳の重労働ではない者)の場合、1人1日当たり330グラム(2合3勺、1,158キロカロリー)でした。これを1年間に換算すると120.4キログラムとなります。

 これは、どの程度の量でしょうか。リンク先の図79は、その後の米消費量(1年間の供給純食料)の推移と比較して図示したものです。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/08/79_haikyu.pdf… 続きを読む

【ブログ】鎌倉古街道など(引きこもりの夏)

2017年も8月15日がめぐってきました。
 72回の終戦記念日。追悼式のテレビ中継にあわせて一人で黙とう。
 この夏は、さる個人的な事情があって遠出もせず、都内のイベントにも参加せず、ほぼ自宅に引きこもり(缶詰め)状態です。

時折、自宅近くに一画を借りている市民農園へ。
 春から初夏にかけてのカラカラ天気とは打って変わり、梅雨が明けても不順な天候が続きます。おかげで水不足の心配はありませんが、昨年、悩まされたカメムシやコガネムシが姿を見せ始めました。… 続きを読む

【ほんのさわり】本田由紀『社会を結びなおす』


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本田由紀『社会を結びなおす-教育・仕事・家族の連携へ』(2014/6、岩波ブックレット)

実証的な教育社会学を専門とする本田先生が、「私たちが今、立っている場所」「日本社会のかたち」 を俯職的に把え、目の前に迫っている「社会の維持さえ難しくなっているような危機」に警鐘を鳴らしています。
 本田先生の目に映っている現在の日本社会とは、例えば「粗雑な『改革』が思いつきのようにばらばらと実施され」「締め付けや精神論が持ち込まれ」「うまくいかない状況をごまかすために分かりやすい『敵』を見つけ出して叩くことでうっぷんを晴らそうとするような振る舞いが広がっている」といったものです。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】スマホアプリ「ポケットマルシェ」


 「食べる通信」とは、食のつくり手を特集した情報誌と、彼らが収穫した食べものがセットになって定期的に届く“食べもの付き情報誌”で、現在、全国各地から38通信が発行されています。
 2016年9月、その「食べる通信」から新しいサービスとして誕生したのがスマホアプリ「ポケットマルシェ」(愛称:ポケマル)。
 各地の「食べる通信」で特集した方など100名以上の全国の生産者(農家や漁師さん)から、スマホやパソコンで旬の食材を直接買うことができるというものです。

ポケマルが目指すのは、お互いの顔が見えるマルシェやファーマーズマーケットの世界。
 一方的に食材をネットで購入するだけではなく、生産者からお勧めの食べ方を聞いたり、こちらから感想を伝えたりすることができるのです。… 続きを読む