【オーシャン・カレント271】通潤橋(熊本・山都町)

通潤橋と白糸台地の棚田(筆者撮影、2023.,4/9, 22.3/27)

通潤橋(つうじゅんきょう)は、熊本県のほぼ中央、山都町(やまとちょう)にある日本最大級の石造りアーチ橋で、豪快な放水などで観光スポットとしても有名です。
 実は、この橋は道路ではありません。通潤用水と呼ばれる農業用水路の重要な部分を構成する「水路橋」で、橋の内部には農業用水を通すための頑丈な石管が設けられています。

緑川等が削り取った深い谷に囲まれた白糸台地は、永く水や食料の不足に悩まされてきました。幕末近くの嘉永年間、惣庄屋の布田保之助(ふた・やすのすけ)は、その白糸台地に農業・生活用水を供給するための用水路の建設を熊本藩に申し出ます。当時の熊本藩は行財政改革を進めており、大規模な土木工事も地方・民間に移譲していたのです。… 続きを読む

【オーシャン・カレント270】今関麻子さん(農家支援キッチンカー“eat for”)

写真は2023.6/17、東京・麹町にて。

今関麻子(いまぜき・あさこ)さんは千葉市のご出身。小学生の頃から環境や食の問題に関心があり、千葉大学食料資源経済学科在学中には、仲間と学生居酒屋「あるばか」を共同出資でオープンされました(私も何度か伺いました。今関さん達の卒業後も何代か続いていましたが、残念ながら2019年に閉店)。

卒業後、生協での品質管理業務や食育プログラムを扱うヘルスケア等に携わっておられましたが、2019年、台風19号により生産者が大きな被害を受けた様子を目にして「いま行動しなければ」と決意し、翌年、「食べることが社会貢献に。」をコンセプトとする農家支援キッチンカー“eat for”を起業されたのです。

現在、東京を中心に、自然災害等で市場に出荷できなくなった規格外野菜等を使ったメニューを提供されています(出店スケジュール、メニュー等は添付を参照)。一食につき5円のほか、車体広告の掲載料が生産者に寄付されています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント266】オーガニックビレッジ

農林水産省HP「オーガニックビレッジ」のページより。

オーガニックビレッジとは、有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみの取組みを進める市町村のことです。
 農林水産省は「みどり戦略」を踏まえ、2021年度補正予算から交付金による支援を開始し、2025年までに100市町村で先進的なモデル地区「オーガニックビレッジ」を創出することとしています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント264】地域交流広場ぱうぜ(東京・高島平)

2023年3月19日(土)に開催されたECOM(NPOエココミュニケーションセンター)30周年ワークショップでは、多くの新しい出会いもありました。
 「小さなアンテナショップネットワーク」とは、埼玉・小川町やときがわ町の有機野菜生産者と都会のアンテナショップ(販売・情報普及者)をつなぐネットワークで、ECOMの森良代表がご自身で野菜を仕入れて届けているそうです。

 そのアンテナショップの一つが、東京・高島平団地の地域交流広場ぱうぜ。「ぱうぜ」とは、音楽用語で休止のことだそうです。運営者の石田ゆかりさんとは、偶然、ワークショップで同じテーブルになったこともあり、名刺交換させて頂きました。

 石田さんのお話をもっと伺いたいと思ってお訪ねしたのは、3月27日(月)夕方のこと。都営地下鉄三田線・新高島平駅の近く、桜並木に沿った団地の1階は商店街になって賑わっており、その一画にぱうぜはありました。
 改めて石田さんからお話を伺うと、野菜(鹿児島・出水市や山形・庄内の野菜も取り扱っておられます)の販売は活動のごく一部とのこと。他にも夕方キッチン(おにぎり、野菜スープ等)、健康づくり体操、スマホ&パソコン教室、コミュニティビジネス何でも相談会など、毎日のように多彩なイベントを開催されています。空いている時間は、レンタルスペースとして貸し出しも行っているそうです。… 続きを読む

【オーシャン・カレント263】フランスのエガリム法

[出典]食料・農業・農村政策審議会 第2回基本法検証部会(2022年11月2日)資料(p.21にエガリム法の概要) 

食料・農業・農村基本法の見直し作業を行っている審議会(検証部会)でも議論されているように、フランスで2018年に公布された「エガリム(Egalim)法」が注目されています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント261】ヨコハマライブラリー スクール(横浜市立図書館)

先にみたように、近年、書店数が減少するなかで、公共図書館数はほぼ一貫して増加しており(文部科学省「社会教育基本調査」)、図書館の役割は相対的に大きくなっているとも考えられます。

横浜市図書館が市民のために提供している「学ぶ楽しみの場」が、ヨコハマライブラリースクールです。
 「人と出会い、本と出合い、知識を深める「学び」を図書館から」をコンセプトに、専門家から最先端の知識を学ぶ講座や、生活上の課題解決に役立つ知識を学ぶ講座など幅広いテーマで開催されており、司書によるテーマに関連する図書の紹介もあります。

2022年度の第7回ヨコハマライブラリースクールでは、フード・マイレージについてお話させて頂きます。
 パンデミックやウクライナ危機により世界的に食料危機が顕在化するなか、例えば地産地消など、私たちに何ができるかについて参加者の皆さんとともに考えてみたいと思います。ご関心のある方の参加をお待ちしています。… 続きを読む