【オーシャン・カレント】生産者とつながるということ

食料の安定供給については様々な制度・事業等により確保されているとはいえ、生活者としては、生活の基盤である「食」に対する安心感をより強く得たいと思うのは当然のことです。
 私は、必要な食料の全てではなく一部でも、生産者と直接つながることによって調達することがで、大きな安心感を得ることにつながると考えます。
 産消提携や CSA(Community Supported … 続きを読む

【オーシャン・カレント】花いっぱい応援プロジェクト

例年3月は、卒業式や送別会等のイベントやお彼岸需要により、花きの需要が最も高まる時期のひとつです(「花き(卉)」とは、切花や鉢花など観賞用の植物のこと)。

 しかしながら本年は、新型コロナウイルスの影響で各種イベントが中止されること等により、花きの需要が落ち込んでいます。
 このため、農林水産省では家庭や職場での花飾りや花の購入促進のキャンペーンを実施しています。

 具体的には、ホワイトデーを含む花を贈ったり胸ポケットに生花のコサージュを挿す取組みの推進・推奨、イベント等の開催自粛で余剰になった花を産地の生産者と連携しての販売、庁舎内や公共スペースでの花飾りのほか、公式SNSを通じた情報発信等を行っています。
(九州農政局作成のYoutubeはこちら)。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】桜と日本文学

  (福島・富岡町 夜ノ森)

古来、多くの和歌や俳句、小説に様々な桜が描かれています。それらは桜自体を描写したというよりは、作者の心情を反映したものです。
 以下、そのごく一部を紹介してみますが、これらを読むと、やはり日本人にとって桜は特別な花なのかも知れません。

「あしひきの … 続きを読む

【オーシャン・カレント】葛力創造舎(福島・葛尾村)

阿武隈山地の山間部に位置する福島・双葉郡葛尾村(かつらおむら)は、東日本大震災前の時点で人口約1500人と、1950年代からすでに半減していました。

 そこに大震災と原発事故が発生。全村避難を強いられ、居住人口は一時ゼロとなりました。
 その後、2016年6月にはほとんどの区域で避難指示は解除されたものの、現在も居住人口は移住者を含めて400人程度にとどまっています。

 そのような過疎・高齢化が深刻化している葛尾村において、持続可能なコミュニティづくりのために取り組んでいるのが、一般社団法人 葛力創造舎(かつりょくそうぞうしゃ)です。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】ゴホウビダイナー

祖師ヶ谷大蔵駅(小田急小田原線、世田谷区)の近隣には、かつて円谷プロダクションがありました。
 それにちなんで北口広場にはウルトラマン像があり、駅周辺の商店街はウルトラマン商店街と呼ばれています。

 その賑やかな通りを2分ほど北へ歩いたところに、ゴホウビダイナーはあります。
 国産ハンバーガーを中心とした料理を、国産クラフトビールとともに楽しめるお店で、店名には「がんばった自分や大切な人への“ご褒美”として楽しい時間を過ごして欲しい」という思いが込められているそうです。

 店主の齊藤星児さんは福岡県の出身。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】NPO 高田暮舎(岩手・陸前高田市)

岩手県の東南端、宮城県に接する陸前高田市は、東日本大震災の津波で大きな被害を蒙りました。
 震災直後から多くのボランティア等が入り、なかにはやがてリピーターとなり、あるいは移住された方もいます。

 そのような陸前高田市において、2017年5月、特定非営利活動法人 高田暮舎(たかたくらししゃ)が誕生しました。設立に関わったのは、震災後に都会からUターン、Iターンした若い方達が中心です。

 掲げるミッションは「ポジティブな過疎地を創る!」。  … 続きを読む

【オーシャン・カレント】石井一也先生(香川大)

石井一也先生は1964年東京・足立区生まれ。
 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程を修了し、スタンフォード大学経済学部客員研究員等を経て、現在は香川大学法学部教授(博士(経済学))。

脱成長ミーティング公開研究会

 経済学を専門とされる石井先生の主な研究対象は、マハートマ・ガンディー(1869~ 1948)です。ガンディーは、非暴力・不服従運動を通じて旧宗主国・イギリスからの独立を指導した「インド独立の父」で、経済学者ではありません。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】(一社)マチモノ

貴重な森林資源は都市部にもあります。
 それに着目してユニークな活動をしているのが、(一社)街の木ものづくりネットワーク(マチモノ)です。

 マチモノのミッションは、街のなかにある木を、身近な自然から得られる恵み(資源)として意識し、学び、有効活用することを通じて、街に住む私たちの生活をもっと楽しく、もっと豊かにすること。
 街では、日々、多くの木(庭木、街路樹、公園木等)が伐られています。伐採された木のなかには、チップ化など現状の処分方法以外にも木材として活用できるものもあり、これでは資源としてもったいないだけではなく、共に生きてきた街の木の思い出が人々の記憶から完全に喪われることにもなります。

 そこでマチモノは、前身の任意団体の頃から、街の木と、その周りで暮す人々との多様なチャンネルづくりのための様々な取組みを始めました。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】榊田みどりさん

榊田みどりさんは秋田県のご出身。
 東京大学大学院(総合文化研究科修士課程)を修了後、生協勤務を経て、1990年からフリーの農業ジャーナリスト(「農政ジャーナリスト」ではありません)。
 明治大学客員教授、農政ジャーナリストの会副会長、NPO法人コミュニティスクールまちデザイン理事のほか、農水省の各種検討会の委員等を務められ、多くの著作もあります。

 農業県の秋田で生まれ育ったものの、農業との接点はほとんどなかったという榊田さん。大学進学のために上京した後、都市部の消費者と生産現場の遠さを実感するようになったことが、農業に関心を持つようになったきっかけだったそうです。
 何とかその距離を縮められないか、また、自分も食べているものの生産者や産地のことを知りたいと思い、生協に就職して産消提携に携わるようになりました。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】大嘗祭

今週、米と稲作に関わる最も重要な儀式とされる「大嘗祭」(だいじょうさい)が行われます。
 毎年秋、その年の収穫を喜ぶ宮中祭祀が新嘗祭(にいなめさい)ですが、新たに即位した天皇が初めて行う新嘗祭のことを特別に大嘗祭と呼びます。
 皇位継承に伴う一世に一度の儀式として皇室行事の中でも最も重要なものと位置づけられており、7世紀後半の天武天皇以来の伝統があります(もっとも戦国時代から江戸時代にかけて221年間にわたって中断した期間もあります)。

 本年5月には大嘗祭に用いる米の産地を定める「斎田点定(さいでんてんてい)の儀」が行われ、東の悠紀(ゆき)地方として栃木・高根沢市、西の主基(すき)地方として京都・南丹市の水田が選ばれ、9月27日にはそれぞれ「斎田抜穂(さいでんぬきほ=収穫)の儀」が行われました。
 また、絹服(にぎたえ=絹の反物、愛知)と供服(あらたえ=麻の反物、徳島)のほか、47都道府県特産の農林水産物も「庭積机代物(にわづみのつくえしろもの)」として供えられます。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】にっぽんA級グルメのまち連合

2018年11月、「にっぽんA級グルメのまち連合」が発足しました。
 東京・千代田区で行われた調印式に参加したのは、島根・邑南町(おおなんちょう)、 同・西ノ島町、福井・小浜市、宮崎・都農町(つのちょう)、北海道鹿部町の5市町です。

 A級(永久)グルメとは、「ここでしか味わえない食や体験」のこと。
 邑南町では、2011年頃から、町外から一流料理人などを呼ぶなどしてA級グルメ構想を推進してきました。地元の名産である石見和牛や自然放牧の牛乳などを使ったイタリアンレストランの開業、ジャムやバターの製造販売など、食と農を通じた雇用創出、人材育成と起業支援等に取り組んできたのです。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】地域づくり情報誌『かがり火』

『かがり火』は、合同会社かがり火が発行する地域づくりの情報誌です。
 1987年の創刊から30年以上にわたり、隔月で年6回発行されており、地域づくりに情熱を燃やす多くの方達が紹介されています。
 「人間情報誌」でもあり、地域を元気にするためのノウハウや試行錯誤の歴史等が満載です。
 地域の情報は、全国の約250名の「支局長」が提供し、発行人の菅原歓一さんが自ら足を運んで取材されることも多いそうです。

 取り上げられている方の多くは、いわゆる有名人ではありません。その理由を、菅原さんは次のように語っておられます。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】ICRPの新勧告草案

ICRP(国際放射線防護委員会)とは放射線防護の専門家による一種の国際NGOです。
 これまで150近く出されている勧告等は、国連機関の指針等に反映されるとともに、各国の放射線防護に関する法制度等に取り入れられています。
 2011年3月の福島原子力発電所の事故に関する日本政府の放射線防護に関する施策も、ICRPの勧告に基づいて行われています。

 そのICRPが、現在、福島原発事故を踏まえた新しい勧告を作成しており、その草案がホームページ上に公開され、9月20日を期限としてパブリックコメントが実施されています。
(9/23追記:その後、締め切りは10月25日に延期されています。)… 続きを読む

【オーシャン・カレント】小川町オーガニックフェス2019

今年の小川町オーガニックフェスは、9月7日(土)の10:00~16:00に開催されます。  
 オーガニックな生き方・暮らし方を願う人々が集い、生産者・消費者・企業・団体・行政など、様々な市民の立場から、美味しいものを食べ、飲み、語り合あうというイベントです。

 今年も有名アーティストによるライブ、トークイベント、ジオラマ作成や和紙似顔絵など体験コーナーのほか、地元の生産者の方達によるオーガニックな食事や飲みもの等も出展されます。
 さらに今年は“有機の里”の魅力を五感で感じることもできる「まち歩き」やスタンプラリーも開催されるとのこと。

 メイン会場の埼玉・小川町民会館(リリックおがわ)は東武東上線小川駅から徒歩5分。入場は無料です。… 続きを読む