【ほんのさわり】寺本英仁『ビレッジプライド』

寺本英仁『ビレッジプライド-「0円起業」の町を作った公務員の物語』(2018.11、プックマン社)
 https://bookman.co.jp/book/b427817.html

 1971年生まれの著者は、東京農業大学を卒業後にUターンして石見町(現 邑南町(おおなんちょう))役場の職員となりました。
 公務員になったのは、幼い頃からおばあちゃんに「公務員になりなさい、安泰だよ」と言われていたためで、最初の頃はあまり仕事に熱心ではなかったと告白しています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】地域づくり情報誌『かがり火』

『かがり火』は、合同会社かがり火が発行する地域づくりの情報誌です。
 1987年の創刊から30年以上にわたり、隔月で年6回発行されており、地域づくりに情熱を燃やす多くの方達が紹介されています。
 「人間情報誌」でもあり、地域を元気にするためのノウハウや試行錯誤の歴史等が満載です。
 地域の情報は、全国の約250名の「支局長」が提供し、発行人の菅原歓一さんが自ら足を運んで取材されることも多いそうです。

 取り上げられている方の多くは、いわゆる有名人ではありません。その理由を、菅原さんは次のように語っておられます。… 続きを読む

【豆知識】「中堅人口」の増減率

2014年5月、日本創生会議が公表したレポートは大きな波紋を呼びました。
 2010年から40年にかけて20~39歳の女性人口が5割以下に減少する「消滅可能性」がある市町村が、実に全国1799のうち896にのぼるという内容です。
 果たして本レポートが指摘したように、中小規模の市町村等は「消滅」に向かっているのでしょうか。

 リンク先の図178日は、直近5年間の「中堅人口」の増減率を都道府県別に示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2019/10/178_cohort.pdf続きを読む

【ほんのさわり】横山祐典『地球46億年 気候大変動』

「懐疑派」の人たちの主張の一つが、地球は過去にはもっと温暖な期間もあったし、産業革命以降たかだか数百年の気候変動など、長い地球の歴史においては取るに足らない、というものです。

 本書の著者は熊本市出身の古気候学者。
 南極の氷床コアから得られたデータによると、地球は約10万年周期で氷期(全球氷結という時期もあったとのこと)と間氷期(温暖期)を5回以上繰り返したことが分かるそうです。
 現在は間氷期にあるそうですが、恐竜がいた中世期白亜紀の平均気温は現在より10℃以上高かったとのこと(これは「懐疑派」の主張の通りです)。

 地球が誕生して以来、気候は大きく変動してきました。… 続きを読む

【豆知識】世界の夏の平均気温の推移

去る9月23日、ニューヨークの国連本部で「気候行動サミット」が開催され、60以上の国の首脳らが気候変動対策の具体策を表明しました。
 また、スウェーデンの環境活動家・、グレタ・トゥンベリさん(16歳)の演説は多くの人に強い印象を残しました。

 一方で、地球は温暖化していない、あるいは温暖化していてもその原因は人為的な温室効果ガスではないと主張する「懐疑派」の人たちもいますが(超大国の指導者も?)、事実はどうなのでしょうか。
 日本の気象庁も、世界及び日本の気温や降水量の経年変化を監視しています。
 リンク先の図177は、世界の夏(6~8月)の平均気温偏差の経年変化を表したものです。… 続きを読む

【ブログ】Let’s enjoy デコボコ野菜、ほっこり日本酒会

2019年の9月も下旬へ。緑のカーテンのカラスウリも色付きました。
 2週連続の3連休の最後の日、9月23日(月・祝)は東京・浅草橋へ。

 駅周辺は下町らしい雰囲気。
 北に向かって歩きます。旧町名の由来案内。皮革の専門店が何軒か。
 甚内神社という小さなお社は、甲斐武田氏の重臣・高坂弾正の子を祀ったもので、病気平癒の … 続きを読む

【ほんのさわり】青木美希『地図から消される街』

-青木美希『地図から消される街-3.11後の「言ってはいけない真実」』 (2018.3、講談社現代新書)-
 http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000190725

著者は北海道新聞等を経て朝日新聞の記者。
 携わった「手抜き除染」報道等は新聞協会賞を受賞し、さらに本書は貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞を受賞しています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】ICRPの新勧告草案

ICRP(国際放射線防護委員会)とは放射線防護の専門家による一種の国際NGOです。
 これまで150近く出されている勧告等は、国連機関の指針等に反映されるとともに、各国の放射線防護に関する法制度等に取り入れられています。
 2011年3月の福島原子力発電所の事故に関する日本政府の放射線防護に関する施策も、ICRPの勧告に基づいて行われています。

 そのICRPが、現在、福島原発事故を踏まえた新しい勧告を作成しており、その草案がホームページ上に公開され、9月20日を期限としてパブリックコメントが実施されています。
(9/23追記:その後、締め切りは10月25日に延期されています。)… 続きを読む

【豆知識】震災関連死の死者数の推移

震災関連死とは、建物の倒壊や津波など直接的な理由ではなく、震災による負傷の悪化や避難生活における身体的負担(疾病等)による死亡のことです。

 リンク先の図176は、東日本大震災における震災関連死の死者数を、死亡の時期別、都道府県別に示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2019/09/176_kanren.pdf

 2019年3月31日現在における死者数は、1都9県で計3,723人。
 都道府県別にみると、福島県が2,272人と全体の61%を占めており、次いで宮城県(25%)、岩手県(13%)となっています。… 続きを読む